桜子の物語

樹木緑

第22話 番外編ーお泊り会

「はい、ジョジョのの花で作ったお茶!リラックスできて眠りを誘うよ」そう言ってローレイが熱々のお茶をカップいっぱいに入れて持って来てくれた。
ノーラとペペとリュイは今夜はお泊り会。
リビングに三人共揃ってコソコソと楽しそうな話をしている。
「じゃ、私はもう寝床に入るから、あなた達も夜更かしをするんじゃ無いわよ。」そう言って、ローレイは大きな欠伸を一つして自分の寝室へと消えていった。

「それで、ギリアンに会ってどうだったの? あなた、スッゴク興奮してたじゃない?そんなにカッコよかったの?」そうペペが聞いた。
「私ね、初めてあんな奇麗な男の子見た!」とノーラが言うと、リュイがオホン!と咳払いする。
「アハハ、リュイもかっこいいよ!」そう言ってノーラが繕うと、
「どうせ僕はしがない薬師の卵のそのまた卵ですよ!」そう言ってベーっと舌を出した。
「そんなにかっこいいって、どんな感じの人?」とペペが聞くと、
「私、今まであんな奇麗な銀色の髪をした人、見たこと無い!」とノーラがいうと、
「ギリアンは銀髪だったのね。」とペペが返した。
ノーラはこくりと頷いて、「それに瞳の色が…」と言うと、
「瞳の色がどうしたの?」とペペが聞いてきた。
「電気を通したような色でね、」
「え?電気?何それ?」そペペが不思議そうに尋ねている。
「あ、電気…なんだろう?不意に出てきちゃって…」そうノーラが困惑していると、
「きっと、君の元居た国に在ったんだよ。で?その電気を通した色ってどんな色?」とリュイが尋ねた。
「あのね、どんな森の湖よりも深い色で、目が覚めるようなブルーなの。」とノーラが言うと、
「へー私もブルーだけど、違う色?」そう聞くペペに、
「違うわね。彼の瞳を覗くと、本当に深い湖の底を見ている見たよ。」とベタぼれである。

「で?ペペはどうやって婚約者殿との結婚をきめたの?好きって思ったのって何がきっかけ?」とノーラが突っ込んでくる。
「え~そうねえ、彼とは元々幼馴染だから、兄妹同然に育ったのね。リュイも一緒にね。でも、ある冬の日に私、氷の上で滑って転んで足を折っちゃった事があるのね。」とペペが言い始めた。
「あーあの時の事だな」とリュイが横槍を入れる。
「あら、リュイもこのこと知ってるの?」とノーラが尋ねると、
「そりゃあ、毎日、毎日3人で遊んだもんな。あの日も親父たちの氷上釣りに付いていってたんだよね?」とリュイが言った。
「そうなのよね。で、足を負った後、もう彼が凄い献身的に世話を焼いてくれてね、なんだか、彼無しではだめって思うようになっちゃって…」とペペがいった。
「ようはほだされたんだよな!」とリュイがからかう。
「そういうリュイには好きな人いないの?」とノーラが聞くと、
「僕は今は勉学優先さ。」と答えた。
「なんだぁ、つまらないわね」そう言って3人の夜はどんどん更けていき、それそれの思いを胸に、それそれのベッドへといざなわれていった。

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