ワガママな後輩彼女にフラれたら、優しい先輩彼女とお付き合いすることになりました。
16 キスの寸止め続きでムラムラして……
その場は静かに緊張感が漂っていた。
僕は里音さんの部屋で、二度目の小テストに挑んでいた。
たった1日だけど、自分なりに一生懸命に勉強をした。
だから今度こそ、100点を取って、里音さんとキスをするんだ。
僕は気合十分だった。
けど、世の中そんなに甘くなくて……
「……72点よ」
採点を終えた里音さんが言う。
「すごいわ、史くん。たった1日で、ここまで点数を伸ばすなんて」
里音さんは褒めてくれる。
けど、僕はうなだれてしまう。
「くそ、ダメだったか……」
どうしても、里音さんとキスがしたかったのに。
また、おあずけか……
「……史くん」
呼ばれて、僕は顔を上げる。
「じゃあ、ご褒美の……はい、あーん」
そう言って、里音さんは指先でつまんだクッキーを、僕の口元に寄せる。
「ほら、食べて」
「でも……」
「これ、私の手作りなの」
「えっ!」
急に心が跳ねた僕は、まじまじとそのクッキーを見つめる。
「やだ、そんなに見つめられたら……照れちゃう」
里音さんは頬を赤らめて言う。
「ご、ごめんなさい……」
「良いのよ。じゃあ、どうぞ」
「は、はい」
僕は里音さんの手作りクッキーを、パクッと咥える。
そして、ゆっくりとかじった。
「ど、どうかな?」
「……うん、美味しいです」
「本当に? 良かったぁ」
里音さんは微笑む。
「じゃあ、残さず食べて?」
「はい」
僕は差し出されたクッキーをぜんぶ食べ終える。
「ありがとうございました、里音さん」
礼を言うのだけど、里音さんは食べ終えた後も指を引っ込めず、
「えっ?」
僕の唇をなぞった。
「さ、里音さん?」
「……欲しい」
「へっ?」
「史くんの唇が……欲しい」
白く長くきれいな指先で僕の唇をなぞりながら、里音さんは少し切なそうに目を細めた。
「ご、ごめんなさい……僕が不甲斐ないせいで、キスが出来なくて」
「気にしないで。私、待っているから」
里音さんは、また微笑んでくれる。
「史くんの唇、すべすべだね」
「さ、里音さん……」
彼女の指先で自分の唇をなぞられていると、何だか少しおかしな気持ちになってしまう。
だから、お返しという訳じゃないけど。
「あっ」
僕もまた、指先で里音さんの唇に触れる。
そして、すす、とゆっくりなぞる。
「んっ……」
「ごめんなさい、里音さん。僕もう、我慢できなくて」
「……良いよ、しても。その代わり、キスはちゃんと我慢してね?」
「は、はい」
僕と里音さんは互いに見つめ合いながら、互いの唇を指先でなぞる。
「んっ……あっ……はっ……」
里音さんの口の端から漏れる吐息が、何だかエロチックだ。
頬も薄らと赤く染まって来て、目がトロンとして。
ああ、キスしたい。
今すぐ、里音さんとキスがしたい。
たぶん、僕が少し強引にすれば、里音さんは拒むことをしないだろう。
キスを、させてくれるだろう。
そのまま、あの大きな胸を揉んで、それから……
考えかけた所で、僕は指をふっと下ろした。
「……史くん?」
「……ごめんなさい、里音さん。やっぱり、やめておきます」
僕は言う。
「ちゃんと、100点を取って、それから……里音さんとキスをします」
「史くん……うん、がんばって」
「はい」
僕と里音さんは微笑み合った。
僕は里音さんの部屋で、二度目の小テストに挑んでいた。
たった1日だけど、自分なりに一生懸命に勉強をした。
だから今度こそ、100点を取って、里音さんとキスをするんだ。
僕は気合十分だった。
けど、世の中そんなに甘くなくて……
「……72点よ」
採点を終えた里音さんが言う。
「すごいわ、史くん。たった1日で、ここまで点数を伸ばすなんて」
里音さんは褒めてくれる。
けど、僕はうなだれてしまう。
「くそ、ダメだったか……」
どうしても、里音さんとキスがしたかったのに。
また、おあずけか……
「……史くん」
呼ばれて、僕は顔を上げる。
「じゃあ、ご褒美の……はい、あーん」
そう言って、里音さんは指先でつまんだクッキーを、僕の口元に寄せる。
「ほら、食べて」
「でも……」
「これ、私の手作りなの」
「えっ!」
急に心が跳ねた僕は、まじまじとそのクッキーを見つめる。
「やだ、そんなに見つめられたら……照れちゃう」
里音さんは頬を赤らめて言う。
「ご、ごめんなさい……」
「良いのよ。じゃあ、どうぞ」
「は、はい」
僕は里音さんの手作りクッキーを、パクッと咥える。
そして、ゆっくりとかじった。
「ど、どうかな?」
「……うん、美味しいです」
「本当に? 良かったぁ」
里音さんは微笑む。
「じゃあ、残さず食べて?」
「はい」
僕は差し出されたクッキーをぜんぶ食べ終える。
「ありがとうございました、里音さん」
礼を言うのだけど、里音さんは食べ終えた後も指を引っ込めず、
「えっ?」
僕の唇をなぞった。
「さ、里音さん?」
「……欲しい」
「へっ?」
「史くんの唇が……欲しい」
白く長くきれいな指先で僕の唇をなぞりながら、里音さんは少し切なそうに目を細めた。
「ご、ごめんなさい……僕が不甲斐ないせいで、キスが出来なくて」
「気にしないで。私、待っているから」
里音さんは、また微笑んでくれる。
「史くんの唇、すべすべだね」
「さ、里音さん……」
彼女の指先で自分の唇をなぞられていると、何だか少しおかしな気持ちになってしまう。
だから、お返しという訳じゃないけど。
「あっ」
僕もまた、指先で里音さんの唇に触れる。
そして、すす、とゆっくりなぞる。
「んっ……」
「ごめんなさい、里音さん。僕もう、我慢できなくて」
「……良いよ、しても。その代わり、キスはちゃんと我慢してね?」
「は、はい」
僕と里音さんは互いに見つめ合いながら、互いの唇を指先でなぞる。
「んっ……あっ……はっ……」
里音さんの口の端から漏れる吐息が、何だかエロチックだ。
頬も薄らと赤く染まって来て、目がトロンとして。
ああ、キスしたい。
今すぐ、里音さんとキスがしたい。
たぶん、僕が少し強引にすれば、里音さんは拒むことをしないだろう。
キスを、させてくれるだろう。
そのまま、あの大きな胸を揉んで、それから……
考えかけた所で、僕は指をふっと下ろした。
「……史くん?」
「……ごめんなさい、里音さん。やっぱり、やめておきます」
僕は言う。
「ちゃんと、100点を取って、それから……里音さんとキスをします」
「史くん……うん、がんばって」
「はい」
僕と里音さんは微笑み合った。
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