勇者?いいえ、聖・魔剣使いです。〈 聖・魔剣使いの英雄談〉
8.獣人の村の秘密
ワシらの罪、老人改め村長はそう言った、その原因は恐らく魔王の一人にある、旧魔王城に来る前残りの魔王についてある噂を耳にした、「魔王の中に獣人が居る」。
「じいさん周りくどい話は嫌いなんで率直に聞こう、獣人は魔王側なのか?」
「その通りです」
村長のその言葉に全員に緊張が走る。
「本当にそうなのか?」
「どういう事ですかな?」
「そうだな、例えば人質とか」
「………」
「沈黙は肯定ってか?」
「ちょ、ちょっと明!どういう事なの?ちゃんと説明して!ここは大丈夫なの?」
「大丈夫だ、そうだな詳しく説明したいが……」
「ワシが説明致します、この村は確かに魔王の配下でございます、ですがそれも仕方の無い事なのです、我らの同胞が魔王になってしまったのですから」
「魔王になった?」
「一つ確認したい魔王になったのはいつ頃だ?」
「五年ほど前です」
「そうか」
割りと最近、どうやら魔王はいつでも生まれるらしい。
「そうかって明それだけ?」
「魔王・ゴーストが言っていただろ?魔王は元人間、なら元獣人の魔王だって居ても可笑しくはない」
「そ、そっか、ならどうして魔王になっちゃったの?」
鈴がナイスな質問をする、確かに気になるよな、そんなにポンポン魔王が生まれたらたまったもんじゃない。
「それはワシから話すわけにはいきません、あの子を守るため、お話はできません」
村長は喋らないか、なら直接聞いたほうがいいかな。
「で、その本人は今も魔王城に?」
「はい、あそこで城の番をしています」
番人をつけるとゆうことは何かあるな。
「ならこの村に略奪品を持って来ていたのもその魔王か?」
「いえ、魔王として従う代わりに村に食糧を分けるように懇願したようで……」
「別の誰かが持って来ていたのか?」
「はい、魔王・モルト様が」
ん?魔王・モルトが食糧を持って来ていた?モルトは俺が最初に倒した魔王だ、あれからなんやかんやでまもなく半年程経過する訳だが。
「あー、そのモルトはいつぐらいから来てない?」
「まもなく半年になります」
ふむ、整理しようか、まず獣人の魔王に村に食糧を持って行く代わりに従うように脅したのは魔王・モルトだ、そのモルトが突然来なくなり、食糧が減り加えて日照りのせいで食糧がさらに少なくなり困窮した、さて、原因は?
〈日照りの影響も有るとは思いますが、魔王の食糧供給を多くすれば解決が見込めます、またモルトが既に倒されていることを村人が知っていれば獣人の魔王と共に他の地へ移住も視野に入れる事が出来たと思われます、それらを考慮し客観的に見た結果……〉
結果?
〈少なからずマスターの影響が有ると思われます〉
うん、移住云々を抜きにしても、魔王側から食糧が来なくなったのは俺がモルトを倒したからだね。
「じいさん、実はモルトはもう居ないんだ、俺が倒した」
「なんと!?それは本当ですか?」
「あぁ、だから獣人の魔王が従う奴はもう居ないんだ」
「それをあの子は………」
「まだ知らず村がこんな事になっているなんて思ってもないだろうな」
「そんな……」
「そう悲観するなよじいさん、そっちはどうとでもなる、俺達はどうせ魔王城に行くんだからな、問題はこれからこの村はどうするかだ」
「あの子が帰って来るのなら、ワシらも移住をしましょう」
「なら決まりだな、場所はのちのち話合うとして」
「工藤様、移転やその間の食糧支援はベアトリスでご用意致します」
「いいのか?勝手に決めて」
「はい、お母様に了解は得ています」
「行動が早いな」
「こうなるんじゃないかとは思ってましたから」
どうやら事前に話はしていたらしい、だんだん行動が読まれてきたな。
「……本当によろしいのですか?ワシらは魔王の同族ですぞ?」
「それを言ったら俺達だってそうさ、それに必ず助けるとは言えないぞ、まずはその魔王と話してみないといけないしな」
さすがに大量虐殺をした魔王を助けようとは思わないしな。
そんな話をしていると、食事が終わり話を聞いていた獣人達が近づいてきた。
「………」
全員無言で近づいてくる、全てが友好的ではないと思ったがまさかな。
「……話は聞いていた、頼む!どうかあの子を助けてくれ!」
「お願い!これ以上あの子に苦しんで欲しくないの!」
思っていたものとは違い、多くの獣人達が必死に頼み込んでくる、しかし気になるのはここまでする理由だな、まぁ、直接本人に聞けばいいか。
「わかった出来る限りの事はしよう、ところで魔王城にはどうやって行くんだ?」
「皆様とお会いした場所から北へ行くと正門がございます」
「おいおい、正面突破かよ」
「抜け道は瓦礫に埋まって使えません、ワシらが知るのは正門のみです」
「なら仕方ないな」
「えー、明本気で言ってるの?」
「本気だ」
「絶対危ないわよ!」
「じゃあ他に方法があるとでも?」
「いや、それは……」
「無いみたいだな?なら正面突破あるのみだ」
「明くん、生き生きしてるね」
「まさかとは思うけど楽しんでる?」
「薄々思ってましたけど、工藤様って正面から行くの好きですよね?」
外野がうるさいが作戦は決まった、後は行くのみだ!
「明様よろしいでしょうか?」
「ん?どうしたクロエ」
「はい、メイド部隊は村に残り怪我人や病人の治療に当たりたいと思いますが宜しいでしょうか?」
「そうか、深刻なのか?」
「軽傷者が数名、栄養失調による体調不良者が数名、特に病人には子供が居り場合によっては近くの街まで運び治療が必要です」
「わかった、クロエの判断で俺達の馬車を使うことを許可する、エレナ姫悪いが……」
「心得ています、私も残り治療に助力します」
「助かる」
これで負傷者はよしか、後はそうだな……。
「クロエ、悪いが早馬を頼めるか?」
「はい、どちらまででしょう?」
「まだ王都にいるであろうダイア皇帝とクリスティア法王までだ、借りを帳消しにするから食糧寄越せって言っといてくれ」
「畏まりました」
これで当分は持つだろ、後は魔王が上手く話を聞いてくれればいいんだがな。
「じいさん周りくどい話は嫌いなんで率直に聞こう、獣人は魔王側なのか?」
「その通りです」
村長のその言葉に全員に緊張が走る。
「本当にそうなのか?」
「どういう事ですかな?」
「そうだな、例えば人質とか」
「………」
「沈黙は肯定ってか?」
「ちょ、ちょっと明!どういう事なの?ちゃんと説明して!ここは大丈夫なの?」
「大丈夫だ、そうだな詳しく説明したいが……」
「ワシが説明致します、この村は確かに魔王の配下でございます、ですがそれも仕方の無い事なのです、我らの同胞が魔王になってしまったのですから」
「魔王になった?」
「一つ確認したい魔王になったのはいつ頃だ?」
「五年ほど前です」
「そうか」
割りと最近、どうやら魔王はいつでも生まれるらしい。
「そうかって明それだけ?」
「魔王・ゴーストが言っていただろ?魔王は元人間、なら元獣人の魔王だって居ても可笑しくはない」
「そ、そっか、ならどうして魔王になっちゃったの?」
鈴がナイスな質問をする、確かに気になるよな、そんなにポンポン魔王が生まれたらたまったもんじゃない。
「それはワシから話すわけにはいきません、あの子を守るため、お話はできません」
村長は喋らないか、なら直接聞いたほうがいいかな。
「で、その本人は今も魔王城に?」
「はい、あそこで城の番をしています」
番人をつけるとゆうことは何かあるな。
「ならこの村に略奪品を持って来ていたのもその魔王か?」
「いえ、魔王として従う代わりに村に食糧を分けるように懇願したようで……」
「別の誰かが持って来ていたのか?」
「はい、魔王・モルト様が」
ん?魔王・モルトが食糧を持って来ていた?モルトは俺が最初に倒した魔王だ、あれからなんやかんやでまもなく半年程経過する訳だが。
「あー、そのモルトはいつぐらいから来てない?」
「まもなく半年になります」
ふむ、整理しようか、まず獣人の魔王に村に食糧を持って行く代わりに従うように脅したのは魔王・モルトだ、そのモルトが突然来なくなり、食糧が減り加えて日照りのせいで食糧がさらに少なくなり困窮した、さて、原因は?
〈日照りの影響も有るとは思いますが、魔王の食糧供給を多くすれば解決が見込めます、またモルトが既に倒されていることを村人が知っていれば獣人の魔王と共に他の地へ移住も視野に入れる事が出来たと思われます、それらを考慮し客観的に見た結果……〉
結果?
〈少なからずマスターの影響が有ると思われます〉
うん、移住云々を抜きにしても、魔王側から食糧が来なくなったのは俺がモルトを倒したからだね。
「じいさん、実はモルトはもう居ないんだ、俺が倒した」
「なんと!?それは本当ですか?」
「あぁ、だから獣人の魔王が従う奴はもう居ないんだ」
「それをあの子は………」
「まだ知らず村がこんな事になっているなんて思ってもないだろうな」
「そんな……」
「そう悲観するなよじいさん、そっちはどうとでもなる、俺達はどうせ魔王城に行くんだからな、問題はこれからこの村はどうするかだ」
「あの子が帰って来るのなら、ワシらも移住をしましょう」
「なら決まりだな、場所はのちのち話合うとして」
「工藤様、移転やその間の食糧支援はベアトリスでご用意致します」
「いいのか?勝手に決めて」
「はい、お母様に了解は得ています」
「行動が早いな」
「こうなるんじゃないかとは思ってましたから」
どうやら事前に話はしていたらしい、だんだん行動が読まれてきたな。
「……本当によろしいのですか?ワシらは魔王の同族ですぞ?」
「それを言ったら俺達だってそうさ、それに必ず助けるとは言えないぞ、まずはその魔王と話してみないといけないしな」
さすがに大量虐殺をした魔王を助けようとは思わないしな。
そんな話をしていると、食事が終わり話を聞いていた獣人達が近づいてきた。
「………」
全員無言で近づいてくる、全てが友好的ではないと思ったがまさかな。
「……話は聞いていた、頼む!どうかあの子を助けてくれ!」
「お願い!これ以上あの子に苦しんで欲しくないの!」
思っていたものとは違い、多くの獣人達が必死に頼み込んでくる、しかし気になるのはここまでする理由だな、まぁ、直接本人に聞けばいいか。
「わかった出来る限りの事はしよう、ところで魔王城にはどうやって行くんだ?」
「皆様とお会いした場所から北へ行くと正門がございます」
「おいおい、正面突破かよ」
「抜け道は瓦礫に埋まって使えません、ワシらが知るのは正門のみです」
「なら仕方ないな」
「えー、明本気で言ってるの?」
「本気だ」
「絶対危ないわよ!」
「じゃあ他に方法があるとでも?」
「いや、それは……」
「無いみたいだな?なら正面突破あるのみだ」
「明くん、生き生きしてるね」
「まさかとは思うけど楽しんでる?」
「薄々思ってましたけど、工藤様って正面から行くの好きですよね?」
外野がうるさいが作戦は決まった、後は行くのみだ!
「明様よろしいでしょうか?」
「ん?どうしたクロエ」
「はい、メイド部隊は村に残り怪我人や病人の治療に当たりたいと思いますが宜しいでしょうか?」
「そうか、深刻なのか?」
「軽傷者が数名、栄養失調による体調不良者が数名、特に病人には子供が居り場合によっては近くの街まで運び治療が必要です」
「わかった、クロエの判断で俺達の馬車を使うことを許可する、エレナ姫悪いが……」
「心得ています、私も残り治療に助力します」
「助かる」
これで負傷者はよしか、後はそうだな……。
「クロエ、悪いが早馬を頼めるか?」
「はい、どちらまででしょう?」
「まだ王都にいるであろうダイア皇帝とクリスティア法王までだ、借りを帳消しにするから食糧寄越せって言っといてくれ」
「畏まりました」
これで当分は持つだろ、後は魔王が上手く話を聞いてくれればいいんだがな。
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