人という形

ふみゅうひぅ

第19話

マイクは酒場の男に教えられた公園に向かった


マイク「……ここか」


確かに何かイベントをやっているらしく、人が沢山集まっていた


マイク「何やってるんだ?」


貼り紙を見つける


マイク「……サバイバルゲーム……?」

ジャック「サバゲー、モデルガンで銃撃戦の真似事をする遊びだな」

マイク「うおっ!?ジャック、いたのか!」

ジャック「ああ。もう頼まれていたものは届けてきたからな」

ジャック「……それより、これ、参加しないか?」

マイク「え!でも銃ないし……情報集めはどうすんだよ」

ジャック「情報集めなら待ち時間にすればいいだろ。それに銃なら貸し出ししてるみたいだぜ」

マイク「まじか……。うん。まあやってみて損は無いか!」


こうしてマイクとジャックはサバゲー大会に参加することとなった


ジャック「M1911……と、これだな。HK416。懐かしいなぁ」

マイク「よ!ジャック。お前どんな銃選んだんだ?」

ジャック「俺は昔居た所の銃をな。お前は……コルトパイソンとP90か、渋いねぇ」

マイク「飼い主の部屋に飾ってあったんだ」

ジャック「へぇ。ミリタリー好きだったのか。……会ってみたかったもんだ」

マイク「ああ……会わせてやりたかったよ」


ジャック「……もうそろそろか。よし、行くか」

マイク「おう!」


ルールは2人組にペアを組んで複数のペアを同時に戦わせ、最後に生き残っていたチームの優勝の大規模なものである

各ペアの開始地点は公園内ならば各自で選べる


ジャック「……お、そろそろだな」

マイク「緊張してきた……」

ジャック「そのコルトパイソンはダブルアクションだ。撃鉄は倒してから撃てよ」

マイク「なんでだ?」

ジャック「銃口がぶれちまうからだ。余程切羽詰まってない限り撃鉄は倒しておけ。まあエアガンつーのはそれやっちまうとバネが劣化しやすいけどな」


その時、木の影から人が現れる


マイク「ジャック!人が出てきたよ、危ない!」

ジャック「よく見ろ」


その人は手を挙げていた


ジャック「……もう倒した」

マイク「何っ!?嘘だろ!?」

???「嘘じゃないですよ。いやぁ、あなた凄いですね」

マイク「…………」

マイク「(俺が気づく前にもう既に銃口をこいつに合わせ発射し、しかもそれをまともに当ててたのか……!?)」

マイク「(ジャック……お前本当に犬か?)」

ジャック「……なあ、あんた。作戦のつもりなら言わなくていいが、もう1人はどうした?」

???「もうやられましたよ。それで僕だけ走って逃げてきたんですよ。だって姿さえ視認出来なかったんでね……」

ジャック「狙撃手か……運がなかったな」


その後も戦いは続いて行った
しかし、ジャックが殆どやってしまい、「手を挙げていない人」を俺は見られなかった


ジャック「……ごめんな、お前にも少し譲ってやりたいんだが……」

マイク「いや、別にいいけどさ……お前強すぎるだろ」

ジャック「そうか?俺的には格闘戦の方が得意だけどな」


その時、ジャックはまた瞬間的に反応し、木陰に向かって発砲する


マイク「流石!」

ジャック「……!危ない!」


ジャックはマイクを屈ませる
次の瞬間、銃声が鳴り響く


マイク「この音って……!!」

ジャック「あの野郎、本物の銃を撃ちやがった……!」

マイク「何がどうなってんだよ!」

ジャック「この場に紛れて一方的に殺して楽しむ殺人犯かなにかだろう……」

ジャック「……おい、マイク。お前はここで隠れてろ。この木の裏には絶対近づけさせねぇから安心しろ」

マイク「で、でもジャック、奴は本物の銃を持ってるんだぞ!やべぇよ!!」

ジャック「俺の早撃ちだとか格闘術はどこで学んだと思ってんだ?」


そうか……ジャックは元々……実銃を相手に殺りあって来たんだった……


次の瞬間、ジャックはM1911をやつに向け、発射する
その弾丸はやつの右眼球に着弾する


???「うがあああああ!!」

マイク「や、やった!」

ジャック「馬鹿が。ゴーグルしねぇ方が悪ぃんだよ」


次にジャックは悶え苦しむ奴に向かっていく


ジャック「多分失明だろうな。だけどよ」

???「っ!!」


奴はジャックに向かって銃を構え、発砲する

ジャック「……実銃を持つってことは、命の奪い合いをしに来たんだろ?受けてたってやるよ」


ジャックは奴の銃が握られた右手を掴み、弾道を逸らしていた
そのまま背後に回り込み、右腕を捻り膝裏を蹴り膝まつかせ、奴の右手ごと銃口を奴の背中に向けさせる


ジャック「……撃ってみろよ」

???「あ……ああ……」

ジャック「さっきはあんなに楽しそうに撃ってたじゃねぇか……もう一度見せてくれよ」

???「た、助けてくれ……出来心だったんだ……」

ジャック「……だったら弾を抜け」


奴はマガジンキャッチを押し、マガジンはそのまま地面に落ちる


???「ほ、ほら!これでいいだろ!?な!?」

ジャック「何寝ぼけてんだ?俺は「弾」を抜けって言ったんだぜ」

???「だ、だから抜いたろ!?」


その瞬間、ジャックは奴の右手ごと銃を動かし奴の左脹脛に向けて奴の人差し指を押し込んだ
……銃声が聞こえた


???「あああああああっっ!?!?」

ジャック「チャンバーにまだ残ってんじゃねぇか」


そして次に、ジャックはやつに訪ねる


ジャック「……てめぇ、死にてぇか?」

???「し、死にたくない……死にたくないよおおおお!!」

ジャック「お前が撃ち殺そうとした人間達もそう思ってるぜ」


そう、銃声はあれが初めてだった。恐らくまだ被害は出ていない


???「もうしません……お願いです。殺さないでください……!」


そこに銃声を聞きつけた兵士がやってくる
ジャックとマイクは兵士に事情を話す


兵士「なるほど……でも死人が出なくて良かったですよ」

ジャック「まあな……誰もがモデルガンを持ってる所で実銃を持ち込んで殺し……たちがわりぃ」

兵士「ええ。とりあえず、こいつは投獄します。そして大会は今すぐ中止……」


その言葉をジャックは止める


ジャック「いや……そいつはまだ早い」


瞬間、ジャックは左に回避する


兵士「痛っ!」

ジャック「安心しろ、BB弾だ」

ジャック「おい、マイク!隠れるぞ!」

マイク「まだ続けるのかよ……何やかんやあいつが1番楽しんでんじゃねぇか……」



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