人という形
第2話
ジョン「姿を見せろ」
この時ジョンは己の「本能」を垣間見ていた
握った拳に力が入る、人間の体になり筋肉量が上がりパワーが凄まじい
恐らく木々の後ろにいる者には勝てるだろう、そう踏んでいた
平和な都会で暮らしていたジョンには初めての感覚だった
???「分かった、だから落ち着けって!な?」
ジョン「……」
出てきたのは人間だった
???「あんたこそこんな所で何してるんだよ」
ジョン「……気がついたらここにいた」
「ん?」と言わんばかりの表情をして少し間を空けてそいつは言った
???「……ほうほう、なるほど、分かったぞ」
ジョン「何がだ」
???「あんた、「何だった」?」
ジョン「……なんだって?」
???「だから、あんたの種族だよ。どうせ動物だろ」
ジョン「…………」
ジョン「……犬だ。ヨークシャーテリアだった」
???「マジかよ!俺も犬なんだぜ!……元、だけど」
ジョン「お前もか……」
正直ジュンやその家族にしか興味もないし関わろうだなんて考えてこなかったが、今の状況では心細さしかなく、同じ境遇の者に会えてほっとしていた
???「俺はマイク、あんたは?」
ジョン「ジョンだ」
マイク「まあ同じ元犬同士仲良くやっていこうぜ!」
マイクは笑顔で肩を組んできた
それよりもジョンには聞きたいことがあった
ジョン「それはいいんだが……」
ジョン「……お前、どうしてこんなことになってるのか、どこまで知っている?」
マイクは困った顔をした
マイク「……根本的にはよく分からねぇ」
マイク「分かるのは、とにかく俺たち動物は人間になっちまったってことだ」
マイク「……いや、動物だけじゃねぇ。虫も魚も、ぜーんぶだ」
ジョン「そうか……」
ジョンは混乱していた。人間になったこともそうだが、他にも疑問は山積みだ。何故こんな所にいたのか、元に戻るにはどうしたらいいか、ジュンはどこか
マイク「……そうだ、ジョン。お前はここに来た時飼い主を見たか?」
ジョン「……いなかった。探してたらお前が来たんだ」
マイク「あー、だから叫んでたんだな」
マイク「……だったらまだ希望はあるかも知れねぇな」
マイクは寂しそうに笑う
ジョン「……どうした?」
マイク「……ここに来た時、俺の飼い主は……死んでた」
ジョン「!?」
マイク「何かに噛みつかれてさ……」
ジョン「……」
マイク「人間の歯型だった……でも恐らく……」
マイク「……お前の飼い主、見つかるといいな!勿論生きてる状態でな」
ジョン「不吉な想像させるな……」
だがしかし、想像せざるを得なかった
恐らくマイクの飼い主を殺ったのは肉食の獣。彼らも人間になってるのだろう
しかし、人間になろうが本質は獣。
……喰らったのだ
飼い主はマイクだけは何とか守ったのだろう
マイク「お前、飼い主探すんだろ?俺も手伝うよ!」
ジョン「本当か?」
マイク「当たり前だろ!俺たち友達じゃねぇか!」
ジョン「……ありがとう」
マイクという同じ元犬の友人を得たジョン
しかし同時に襲われる危険があるという情報も得てしまったジョンは安堵よりも不安が勝っていた
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この時ジョンは己の「本能」を垣間見ていた
握った拳に力が入る、人間の体になり筋肉量が上がりパワーが凄まじい
恐らく木々の後ろにいる者には勝てるだろう、そう踏んでいた
平和な都会で暮らしていたジョンには初めての感覚だった
???「分かった、だから落ち着けって!な?」
ジョン「……」
出てきたのは人間だった
???「あんたこそこんな所で何してるんだよ」
ジョン「……気がついたらここにいた」
「ん?」と言わんばかりの表情をして少し間を空けてそいつは言った
???「……ほうほう、なるほど、分かったぞ」
ジョン「何がだ」
???「あんた、「何だった」?」
ジョン「……なんだって?」
???「だから、あんたの種族だよ。どうせ動物だろ」
ジョン「…………」
ジョン「……犬だ。ヨークシャーテリアだった」
???「マジかよ!俺も犬なんだぜ!……元、だけど」
ジョン「お前もか……」
正直ジュンやその家族にしか興味もないし関わろうだなんて考えてこなかったが、今の状況では心細さしかなく、同じ境遇の者に会えてほっとしていた
???「俺はマイク、あんたは?」
ジョン「ジョンだ」
マイク「まあ同じ元犬同士仲良くやっていこうぜ!」
マイクは笑顔で肩を組んできた
それよりもジョンには聞きたいことがあった
ジョン「それはいいんだが……」
ジョン「……お前、どうしてこんなことになってるのか、どこまで知っている?」
マイクは困った顔をした
マイク「……根本的にはよく分からねぇ」
マイク「分かるのは、とにかく俺たち動物は人間になっちまったってことだ」
マイク「……いや、動物だけじゃねぇ。虫も魚も、ぜーんぶだ」
ジョン「そうか……」
ジョンは混乱していた。人間になったこともそうだが、他にも疑問は山積みだ。何故こんな所にいたのか、元に戻るにはどうしたらいいか、ジュンはどこか
マイク「……そうだ、ジョン。お前はここに来た時飼い主を見たか?」
ジョン「……いなかった。探してたらお前が来たんだ」
マイク「あー、だから叫んでたんだな」
マイク「……だったらまだ希望はあるかも知れねぇな」
マイクは寂しそうに笑う
ジョン「……どうした?」
マイク「……ここに来た時、俺の飼い主は……死んでた」
ジョン「!?」
マイク「何かに噛みつかれてさ……」
ジョン「……」
マイク「人間の歯型だった……でも恐らく……」
マイク「……お前の飼い主、見つかるといいな!勿論生きてる状態でな」
ジョン「不吉な想像させるな……」
だがしかし、想像せざるを得なかった
恐らくマイクの飼い主を殺ったのは肉食の獣。彼らも人間になってるのだろう
しかし、人間になろうが本質は獣。
……喰らったのだ
飼い主はマイクだけは何とか守ったのだろう
マイク「お前、飼い主探すんだろ?俺も手伝うよ!」
ジョン「本当か?」
マイク「当たり前だろ!俺たち友達じゃねぇか!」
ジョン「……ありがとう」
マイクという同じ元犬の友人を得たジョン
しかし同時に襲われる危険があるという情報も得てしまったジョンは安堵よりも不安が勝っていた
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