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以心伝心

うみかぜ

第四十話 どうすればいい?

「仁人君はタイムマシンを作るんですよ。」
葵にそう言われ、仁人は耳を疑った。と、同時に「仁人君」とは誰か考えていた。数秒頭を回転させ、言葉の意味は理解した。
「え!?俺がタイムマシンを作るんですか!?」
葵は頷いている。笑顔で首を縦にずっと振っている。
「え!?」
仁人は頭が追いつかない。何故ならそれはタイムマシンを自分が作ったという事。くどいようだが、タイムマシンを作るのでさえ、頭が追いつかない。仁人は前までタイムマシンを使っていた気になっていた・・・・・・・が、結局能力という話になって、仁人の頭の中では、タイムマシンという実体は消滅していた。しかし、今回またタイムマシンという単語が登場し、しかもそれを自分が作った・・・・・・ということになっているらしい。
「そうです!私の予知では見えていました。」 
葵の能力は今まで、『仁人が、美沙(陽奈)に襲われること。』『仁人が、みんなを助けに、時間という概念を超えて、仁人が葵の前に現れること。』この二つは当たっている。まだ、後者は未実行だが、途中までは当たっているということになる。
そして、葵はこう続けた。
「だから、未来の仁人君へ会いに行きましょう。」
仁人は、これもまた一切考えていなかった事だった。意味が分からないので聞き返してみた。
「つまり、どういう事ですか?」
「未来に飛んで、おじいちゃんになっただろう、仁人さんからお話しを聞くんです。きっと何か知っているはずです!」
盲点だった。仁人は、今まで過去に行くと言う事しか考えていなかった。確かに本当に未来の仁人がタイムマシンを作った本人ならば、自分達には知らない情報を持っているかもしれない。
「急がば回れってか。」
まさにこの言葉の通りだと思った瞬間だった。しかし、仁人達には致命的な欠陥があった。
「でも、俺コントロールができないんです。」
一度過去に飛ぼうとした時もそうだった。過去に飛べなかったのだ。制御できたのは、大目にみて最初だけである。しかし、葵は諦めず、策を探そうとする。
「では、過去に飛べた時の事を思い出してみましょう!」
と言われたので思い返した。
「始めに飛んだ時はゴーグルを無理やりして飛びました。二回目は陽奈の拷問中に飛びました。」
「二つの共通点は?」
「苦痛ですね。」
「そ、それは災難でしたね……。」 
葵は苦笑いをしている。事実、大変だったのだ。というか痛かったのだ。そして、葵は一つの説を唱えた。
「過去に行くのに必要なのが『苦痛』なら、未来にいくのは『超気持ちいい事!』なんじゃないでしょうか?」
それを聞いた仁人は、顔を赤くして少し後退りした。
「な、な、何言ってんすか!さすがにそれはまずいでしょう。」
「まだ何も言ってませんよ。」
と葵は目を細めて見てきた。
「あ、」
と少しテンションを変えて、仁人の耳元でこう言った。
「今エチエチな事想像しました?」
と目を輝かせて近づいてきた。
「し、知りません……。」
と斜め上を向いて誤魔化した仁人。
「まあ、いいです。マッサージでもしてあげましょう。」
「は、はい……。」
二人は、一旦立ち、仁人はうつ伏せで寝た。そして、その上に葵が乗って足踏みを始めた。葵は小柄なので、乗っても痛くない。
「どうです?気持ちいいですか?」
「き、気持ちいいです。」
仁人は声を裏返して、そう言った。
「変な声出さないでください。」
と結構真面目な声で言われたので、黙った。ものすごくデジャブである。
「ちょっと、未来にとんでみてくださいよ!」
と言われたので、飛ぼうと思ったのが、肝心な年数がわからない。
「俺がタイムマシンを完成させたのはいつですか?」
「2080年だと思います。」
「2080年!?」

2080年というと仁人は77歳である。かなりのおじいさんだ。
「分かりました……。」
仁人は息を吸い、
「2080年!!」
そう叫んだが、
「何も起きませんね……。」
「そうですね。」
何も起きなかった。
「というか、その前に『2080!?』と疑問的に言ってましたし。今の『2080!!』って意味あったのでしょうか?」
「たしかにそうですね……。」
タイムリープは難航する。

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