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以心伝心

うみかぜ

第三十四話 花火大会3

今度は、美沙が話しかけてきた。
「直也さんとは、仁人さんにとってどんな人だったんですか?」
そのような質問だった。仁人は即答した。
「親友。俺が小四の時に、この虹川町に引っ越してきた時に、あいつがいたおかげで、学校のクラスに馴染む事ができたんだ。」
「なるほど。大切な関係なんですね。」
「うん。美沙さんは?どんな関係。」
美沙は少し俯き、
「大切な人です!」
と答えた。
「では、同じく大切な人って事か。」
「そうですね。」
すると、「ヒュー。」と音がした。花火が上がったのだ。「ドンッ!」と音がなる度に体に振動が伝わる。あれこんなに大きかったっけ?と、花火の音を感じる。
ドンドン花火は打ち上げられる。それをみな見惚れて見ている。ある人は、酒を飲みながら、ある人は「たまやー」、「かぎやー」と言いながら、
最後まで衰えを感じなかった花火はとても、綺麗だった。

帰る途中、
「葵さん。」
と仁人は葵に声をかけた。
「このトンボ仮面。あげます。」
と仮面を前に出した。
すると、少し困惑の表情を見せるも、
「まあ、貰えるものなら貰っておくけど!!」
と喜んで受け取ってくれた。これで喜んでくれたなら、なりよりだ。
そして、美沙、葵の順に別れた。
仁人は、由美を『近くの公園に寄りませんか?』と誘導した。
二人でブランコに乗る。
「これって、俺乗って大丈夫なんですかね。壊れたりしませんかね…。」
「さすがに大丈夫だと思うよ。」
とブランコを軽くこぐ。公園にくるのですら、二人とも久しぶりだった。小中学生の時くらいしか公園に行く機会がない。
仁人はゆっくりと力を抜き、こぐのをやめた。
「お話があります。」
と話しかける。
「ん?」
と由美もこぐのをやめた。
「これを。」
と仁人が胸ポケットから、あるものをだす。差し出したのは封筒。
「開けていい?」
「どうぞ。」
とゆっくり由美は中身を開けた。
「え、これって。」
中には5万円が、入っていた。
「バイトで稼いだやつです。今日まで居候させてもらったお礼です。」
由美は少し考え込み、その封筒を仁人に突き返した。
「え?」
普通に受け取ってくれると思っていたので仁人は驚いた。
「これは、2020年の未来で私を見つけだして、渡しなさい。」
「ええ、それって。」
「言わなくても分かるでしょ。」
由美が珍しく照れているのが暗闇の中でも分かった。
「分かりました。恩に着ます。」
「そのかわり、必ず未来で私を見つけてよね。」
「分かりました!」
二人は立ち、家へと帰宅した。



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