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以心伝心

うみかぜ

第三十二話 花火大会

七月二十七日。日曜日。
今日は山遠川花火大会の日だ。今日は明日の対策のために、美沙が家に来て、仁人と由美と美沙が明日の事について、話し合っていた。
「美沙さんは知っていると思いますが、明日、畑中(はたなか)海岸場で俺と直也は事故に合います。」
未来の改変が、出来る限り起きないように、由美には出来る限り、未来の事は伝えないようにしていた。
「畑中といえば、ここから30分くらいかな?かなり近いね。」
「小学生のいける距離ですから、畑中海岸になったのでしょう。」
「確かに。そうですね。」
美沙の考えに納得する。
そして、作戦について話し合われた。それぞれ意見を持ち寄り、話し合った。話し合いはある程度進んだ。
「確かに、3人で行動するより1人ずつ、少し、ばらけながら様子を見たほうが効率がいいかも。」
「私達には携帯もありますし、その方がいいと思います。」
美沙の提案で仁人と直也の行動を追いかけるのは、3人まとまっての行動ではなく、少し離れつつ色々な場所から見守ることにした。
「もしもの時、助けに行くのはどうする?」
由美の提案。直也1人が、いくら気をつけたからと言って、事故が起きない保障はない。
「私行きます。」
とまっすぐに手を挙げたのは美沙だった。
「私泳ぐのは得意です。」
と自信満々だった。
「じゃあ、そうしましょうか。」
満場一致で美沙に決定した。しかし、これでは終わらない。
「俺も行きます。」
と仁人も手を挙げた。由美は驚いた表情だった。
「本当に大丈夫??」
と終いには心配された。しかし、そう反応するのも当たり前である。何しろ、仁人のトラウマは海そのものにあるからだ。仁人はそう言われ、少し自信が無さそうにした。しかし、すぐに気を戻し、
「これでは、何のためにトレーニングしたか分からなくなります。もし、2人が溺れた場合は、俺もいかないと美沙さんだけでは無理です。」
美沙が2人を連れて助けると言うのは確かに無理な話。
美沙は首をずっと縦に振ってくれていた。
由美は…、
「分かった……。私は泳げないし……。」
と由美は不安そうに頷きながら認めた。

「とりあえず、明日にならないと分からないところは多々、あると思います。なので、臨機応変に状況を共有して助けましょう。」
仁人は手を前に出した。
「分かりました。私の精一杯を出します。」
と美沙は手を乗せる。
「私に出来ることをやる。」
由美も手を出した。
『おー!!!』
と言い手を離す。そして、解散した。

時間は過ぎ、夕方になった仁人は憂鬱そうにベランダから外を眺めていた。特に何か考えていたわけでもないが、そういう気分だった。
「空が赤い。」
そんな事を頭に浮かべながら。
しばらくして、部屋に入ると由美が浴衣姿で立っていた。いつもの落ち着いた雰囲気に花柄の浴衣。着物を着ただけなのに、いつもとはまた違う女性らしさが溢れ出ていて、より「大人の女性」という雰囲気が出ている。
「似合ってます。」
仁人は素の感想をぶつけた。
「ありがとう。」
と素直に喜んでくれたらしい。直也もすぐに支度をし、すぐに家を出た。
辺りはもう暗くなっている。仁人は夜に外に出る用事が基本的にないので、すごく新鮮な気分だった。いつも付けているマスクも辺りが暗くて見えないので外してみた。
そのまま、葵のコンビニに向かう。すると、入り口に葵が立っていてこっちを見ている。
「おーい、遅いですよ!!」
時刻は18:00ちょうどである。つまり待ち合わせの時間。
「時間通りですよ。」
「いーや、私は15分待ったんですよ。」
「ごめんなさい。」
何故か仁人が謝った。
「由美の浴衣、似合ってますね!」
「ありがとう!」
三人は土手に向かって歩く。由美が履いている下駄の音を聞きながら歩く。数分歩き、土手に到着した。
「おお……」
と仁人は思わず声が出た。懐かしい雰囲気。河川敷には屋台がギッシリと並び、昼間とは、うって変わった雰囲気だった。


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