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以心伝心

うみかぜ

第二十四話 七夕

直也を海に近づけさせない事に成功した。

「何かあったら、いや何もなくても来て。」
と由美は仁人に自分の家の住所が書いてある紙を渡した。
「分かりました。」

「バイバイ」と笑顔で手を振る直也に見送られ、家へと戻った。
家に帰ると由美から仁人に話があった。
「これ。」
と言われて渡されたものを見ると日程と時間が記されていた。
「これは?」
と疑問の表情を浮かべる仁人。
「念願のバイト。私の知り合いに弟がバイトを探しているって言ったら履歴書なしてで紹介してくれた。コンビニのバイトなら大丈夫でしょ?」
との事だった。
早速明後日からシフトが入っている。
「ありがとうございます。」
と紙をポケットにしまった。

由美が夕食の準備を始める。仁人はベランダに出た。辺りはだいぶ静まり、完全に日が暮れている。そして、雨がしんしんと降っていた。
「なんか雨降り始めましたね。織姫と彦星会えなさそう。」
そう独り言を言った仁人。
「たった一年に一回しか会えないのに天気が良くないと会えないなんて酷い話よね。」
「まあ、一人同士だったら、働いていたのに二人になった途端働くなったせいなんですけどね。そうなるのも妥当とも感じますがね……。」
「私は二人だった方が高め合えるかな?仁人が来てからの方が楽しいし。」
「それはどうも。」
と今回は話に乗せられないぞとまだ外を見ている仁人。由美は少しため息をした。
「みーさんは何お願いします?七夕なんで。」
「世界が平和になったらいいなって願いかなー。」
「なんですか、その神様的な見解は……。」
「だって、自分の周りが良ければ自然と自分も良くなるものじゃない?」
「確かに、みーさんは頭がいいなー。」
「そうでしょ、そうでしょ?現役女子大生を舐めない事よ。」
「みーさんを舐めた事なんてないですよ。」
「確かに、舐められる立場じゃないもんね。」
「言い方……。」
「で、仁人だったら何をお願いするの?」
と言う質問に少し固まった仁人だったが、
「もちろん、直也を助ける事。これができれば今の俺は充分かなって。」

由美は料理を終えて、二人は星も見えない曇った宇宙そらを見上げた。


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