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以心伝心

うみかぜ

第二十二話 三人で助ける。

夜上仁人と、朝倉由美は再会した。

「それにしてもなんでここにいるのが、分かったんです?」
あれから、落ち着いて、仁人と由美は由美の家へと向かった。

「うーん。何か分からないんだけど、ここで仁人が助けを求めている気がして来てみたの。」
「そんな事が……。」
「あったのよ。なんかテレパシーを感じたっていうか。以心伝心って感じ。」
「もう、この世の中にはついていけない……。」
タイムマシン、テレパシー。この世界はどうなっているんだと思うばかり。
そんな話をしていたが、仁人は由美を忘れていた事は口にできなかった。
そして、仁人と由美は由美の家に戻ってきた。

今日は、六月二十日。
仁人は2020年で二週間ほど、滞在していたらしい。スマホをいじっているか、睡眠で。割合に関しては全く分からないが。
仁人は現代であった事を全て由美に伝えた。
「で、その仁人を襲った人は誰なの?」
「分からないんです……。だけど、怖い……うっ……!」
仁人はさっきの事を思い出し吐き気と阿寒を感じた。強烈なイメージとして脳に残っている。
「大丈夫?」
と由美が仁人の背中を撫でる。
「一体何者なのかな……。その人の特徴は?」
「一瞬しか見てないし、意識朦朧としていた上に、暗かったので分かりづらいですが、全体に黒い服を着ていて、力がとても強かったです。」
「それだけ?」
「後、ハイヒール履いてました。」
「それじゃ分からないでしょ?ただのお洒落じゃない?」
「女子の事情はよく分からないです。」
「そうね。童貞だもんね。」
「なっ!!!!」

由美は平然と言って見せた。
仁人はそれが突然すぎて、動揺を隠せない。
「それを言うのは卑怯です。男子高校生にとっては禁句ですよ。傷つきました。責任取ってください。」
「じゃあ、私とする?」
「へっ!?」
仁人は裏返った声を出した。少し攻めたつもりが、思っ切り、カウンターを食らった。
「アハハハ。冗談だよ。慌てちゃって。」
また、からかう由美。これを見て仁人は再び2014年に帰ってきた事を実感した。
「ガチで聞こえました。やめてください。」
そんないつも通りの話をする二人。
すると、インターホンが鳴った。
二人はインターホンの方へ向かう。二人でインターホンを覗き込む。インターホン越しでも、美人でスタイルの良さが滲み出ている。今日は眼鏡をかけており、
「はーい。」と由美が出ると「高瀬です。」
と聞こえた。前も急に由美の家に来て「直也を救いに来ました」と言っていた、あの高瀬美沙だ。今日は眼鏡をかけており、前回とはまた雰囲気が違う。
由美は美沙を家にあげた。
「すいません。たまたまこの近くを通ったのでお会いしておこうと。」
美沙はそう言った。
仁人は美沙にこの二週間であった事を話す事にした。同じ過去に飛んで来た者なら何か知っているかもしれない。

「なるほど。」
話を聞いた美沙は何度かうなづいた。
まずは、仁人を拘束した謎の女について、
「これは憶測なのですが、仁人さんが未来と過去を渡っている事に気づいて付け回しているのかもしれません。」
それしか、分からない。憶測にすぎないとの事だった。
一度未来へ戻ってしまった件は
「私はここに一度しか飛んだ事がないので、なんとも言えません。ただタイムリミットはあるかもしれません。」
そんな答えだった。これも憶測。
そして、仁人は直也にあの日に海に行かせない説得も上手く進んでいる事も話した。
「ありがとうございます。私は自分から直也君を救うと言っていたのに、何もできなくて……。」
と言っていた。だが、それは仁人とて同じ。由美がいなければろくに計画は進められていなかった。
「大丈夫です。三人で手を取り合えば必ず直也を救えます。」
仁人はそう言った。
「ありがとうございます。」
少し涙ぐみながらもそう答えた美沙。すると、由美は思い切った質問をして見せた。
「美沙さんは何者なんですか?」
一番疑問に思うのはそこである。直也を助けたい。だけど、彼女の事は全く知らないので気になっていた。
「私は……。」
少し間が開く。そう言うも、
「ごめんなさい。ここで言うと未来が変わってしまうかもしれません。直也君を助ける事ができたらお話します。」
そのような回答だった。そう言われてしまっては黙って「はい」と言うしかなかった。

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