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以心伝心

うみかぜ

第十二話 デート

仁人と由美は助っ人、高瀬美沙を手に入れた。


「高瀬さん、高瀬さんも未来から来たって事は家はないんじゃない?」
仁人もそうだった。由美はそこに気づき、聞いてみる事にした。

「家は……、大丈夫です。問題ありません。」
「そう……。」
「では、今日はこれで帰らせて頂きます。お邪魔しました。あ、その前に。」
と携帯を取り出し、三人の電話番号を交換した。「何かあればここに」との事だった。
そう言ってカバンを持ち、去っていった。


「仁人に心当たりはないの?」
「全くと言っていいほどないです。初めて見た顔でした。」
「何者なのかな。」
二人は謎を残しながら夕食の準備を始めた。今日の夕食は焼き魚。日本食だ。
「頂きます。」
二人とも無言で食べ始める。すると、
「仁人、とりあえずひと段落したんだし、来週映画でも見に行かない?」
「え、それって……。」
「デート。」
デートに決まっている。
「何、一緒に住んでいるのに映画行くって聞いて、緊張しちゃった?」
「いいいいいい、いえ。別に。」
「挙動不審よ。」
「すいませんね。挙動不審で。いや、それより、みーさんは彼氏いないんだなって。」
「それは、自分の家に男の子泊めてるのにいたらまずいでしょ?」
「確かに……、もし彼氏いたら俺、彼氏さんに殺される……。」
「でしょ?それで、返事は?」
「もちろん、問題ありません。」
「じゃあ、来週の月曜日、私が大学終わったら連絡するから。駅前の映画館ね。」
「分かりました。しかし、明日は、平日ですが、大丈夫ですか?土曜日とか日曜日とか休みなのに。」
「だって、休日は混むじゃない。それだったら平日でいけるなら、平日でいいかなって。」
「だけど、平日も混んでる時は混んでますよ。」
「休日よりはマシだと思ったの。」
「分かりました……。」

5月20日、学校が終わったと連絡を受けた仁人はマスク、帽子、伊達メガネをし、外に出た。
家から映画館までは歩いて10分と少々、着くと、先にいたのは由美だった。

「すいません。待ちましたか?」
「何、ベタなセリフ言ってるの。私は時間は完璧な女なんだから、早く着いて当然じゃない。」
「あ、は、はい……。」
思ったものと返事が違って戸惑う仁人だった。
「というか、俺らって付き合ってるんですか?」
「付き合ってない男女がデートしちゃいけないんだ?」
「そんなことはないです……。」
毎回言い負かさせると分かっていても悔しい。
「で、何の映画を見るんです?」
「恋愛映画は、ベタすぎてつまらないから、こうなんか元気貰えるやつがいいな。」
「恋愛映画でも元気貰える作品は沢山あると思いますよ。」
「屁理屈言わないの。」
「すいません……。」
「じゃあ、私お風呂のやつがいいな。」
「あー! ロルマエ・テマエですね。確かにあれは、面白そう。」
「じゃあ、決まり!!」

二人はチケットを買いに行く。
「みーさん。この場合、俺は小学生料金でいいですかね?現在の俺は小六ですし。」
「いい訳ないでしょ。それに、お金払うのは私なのよ?」
「すいません……。本当にすいません……。俺がバイトをできていれば。」
「だって、履歴書とか書けないでしょ?誰かに自分の事聞かれても答えられないでしょ?絶対無理だし、気にしなくていいよ。まあでも、居候してあげてるし、一つ貸しにしておく。」
「分かりました……。いつか返せる時がくれば、2倍くらいで返します。」
「そこは10倍くらいにしてくれないと?」
「破産します。」

2人はチケット買い、上映時間まで待つ事にした。
「というかお風呂って、自分ほとんど湯船に入らないくらい、まだトラウマありますけど、これ見て大丈夫ですかね?」
「だからこそ、でしょ?慣らそうよ。それに何かあったら私がなんとかする。」
「そんなカッコイイ事言われると僕の立場がありません……。やめてください。」
「助けて欲しくないんだ?」
「やり方が卑怯です。」

時間になり中へと入っていった。
そして、2人は映画を見終わった。

「どうだった?」
「お風呂に入ってワープするシーンは目を瞑って誤魔化しました。」
「へえー、成長したじゃん?」
「馬鹿にしないでください。でも、今までは人に頼りすぎていたかもしれません。」
そう言って、二人は映画館を後にした。

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