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以心伝心

うみかぜ

第八話 再会

今日は5月19日。あれから約1ヶ月が経った。仁人は、最低限の家事をこなして居候生活を送っていた。仁人はなるべく、人と関わらないように家にいた。そして、薬がない生活を徐々に慣らしていく。まだ食欲全開というわけではないが、必要最低限は食べられるようになっていた。中々眠れない日が続いていたが、なんとか耐えていう日々。それに仁人は一応ながら受験生なので勉強もしていた。主に由美に教えてもらっていたが……。

朝起きて、身支度して、朝食、食べて落ち着いた時。
「ついに今日ですね。」
「長いような短いような1ヶ月だったね。」
その後、由美は大学へと向かった。
「今日四時限目までだから、16時30分とかには帰れると思うよ。」
と言っていた。四時限で16時30分とは高校生にとってはおかしな話である。

予定通り、16時30分になった。
由美が帰ってきた。
少し経って17時を過ぎた辺り、
「じゃあ、行きましょうか。」
仁人は、正体が分からないように、帽子に、メガネ、マスクをした。
「それ、芸能人がやっているのをよく見るけど、逆に目立つと思うのは私だけ?」
「いえ、俺もそう思います。」
「じゃあ、なんでその格好をしているのよ。」
「正体がバレるよりはマシなのかなって。」
「まあ確かに。」

二人はマンションを出て、歩いて10分くらいの直也の家に向かった。17時から小学生の仁人が、習い事が始める。そのため、17時を過ぎるまで外に出なかった。
そして、直也の家の前に着いた。
「懐かし過ぎる……。」
見た目はどこにでもある、普通の一軒家である。表札の「田島」という字を見て、懐かしさが込み上げてくる。
あの事故以降、ほとんどこの場所には来ていない。だから、緊張もしていた。だけど、それ以上に直也に本当に会えると思うとワクワクしてしまう。
「じゃあ、みーさん、インターホン押して。」
「え、ここは仁人が押さないとダメでしょ?」
「わ、分かりましたよ。」
震えた手をボタンに寄せていく。昔ながらのタイプなので、声しか分からない。
『カチッ』
ピンポーンという音がなり、少し沈黙する。自分の心臓の音がよく聞こえた。
「はい。田島です。」
恐らく、この声は直也のお母さんだ。
「仁人ですが、直也いますか?」
とすかさず、由美が返した。
「はーい。」
『プツッ。』
と言って切れた。
ついに直也に会える。と胸高鳴っていた。色々な意味で興奮している。
『ガチャ』とドアが開き、そこから直也が出てきた。
「あれ、仁人は?」
そう戸惑いながら出てきた直也と仁人は目があった。

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