婚約破棄された悪役令嬢が聖女になってもおかしくはないでしょう?~えーと?誰が聖女に間違いないんでしたっけ?にやにや~

荷居人~主にアルファポリスで活動中~

6~後日談~

「何故、何故俺が……!」

王位継承権どころか王族との縁すら切られ、城からも追い出されてから俺は平民に成り下がったことが瞬く間に広がった。隠せない頭にジロジロと視線も集まってくすくす笑われるだけで誰も俺を助けようとはしない。

試練など何の意味が……!と改めてあの憎き元婚約者と俺を騙したリアンに怒りを抱きながらもどうすることもできないのは明らかで今後どうするべきかととぼとぼ歩いていたときだった。

「オザナリ殿」

「なん………だ?」

いや、本当になんだと思わずにはいられない。俺の目の前には髪の薄い……中年の男達が目の前にいた。

令嬢ならともかく男に……しかもおじさんに囲まれる趣味はないし、初めてだ。

「そのお年でおいたわしや……っ私たちオザナリ殿がまるで自分の未来だと思うと放っておけなくてですね……」

「私たちの少ない髪を使いカツラを作りました……これが私たちの(#髪__神__#を想う)気持ちです」

「気持ち悪い!無理だ!」

誰がおっさんの髪を集めたカツラなんぞつけるか!今のままの方がマシだ!

「そんなことを言わず……私たちの髪なんですよ?」

「だから嫌なんだよ!来るな!」

「酷い!これは命を捧げるも同然なのですよ!?」

おっさんの涙目なんぞ誰の得にもならんだろ!目まで汚れる!それに俺はそんなこと……

「頼んでない!」

誰がおっさんの髪で作ったカツラなんぞ欲しがった!逃げれば追いかけてくるおっさん集団。くそ……っなんで俺がこんな目に……!逃げても逃げてもおっさんらが俺を諦めることなく追いかけてくる。汚いカツラを持って。何度だって言うがあんなのいるか!絶対に被らん!

「オザナリ殿!我らが同志よぉおぉぉ!」

「誰が同志だぁあぁぁ!」

それから俺は…………後日ハゲ同盟の会長となった。生活は保証されたが、何かを失った気がしてならない。

おーっほっほっほっと笑う声がどこからか聞こえてきたが気のせいだろう。

おわり





あとがき
感想に、ちょっとしたおまけ話書かせていただきました!元王子の後日談でした。望まれてる気がしまして、はい。

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く