崖下JKとハイスペDK
中3までが全盛期だった話聞く?
小さい時は、明るくて活発で面白くて人気者
自分で言うのも何だけど人の前に立つようなリーダー的な存在だったと思うの
小中学校はとても楽しかった、それが当たり前のように、私が提案すると皆が賛成してくれて皆で協力して頑張ったり、男の子から告白されたり、私が身に付けてる物が流行ったり、学級委員や生徒会長みんなから推薦されたり憧れの先輩だなんて言われた事もあった
高校受験わたしは先生に夢を語ったの
「ファッションモデルになりたい」
誰も反対なんかしなかった、漠然と東京に行こうと言ってもみんな応援してくれた
個性的なファッションに身を包んだ自由な表現の人達、いつも夢を見てる人達は、オシャレだし楽しそうだし、なんの知識もないけど、そこも何故か漠然と私なら出来ると思ってた
「絶対なれるよ!」
「沢山友達出来ると思うけど私の事忘れないで!」
「やっぱ、お前は東京みたいなとこが似合うよ!たまにでいいから戻ってこいよ!」
「ファッション誌毎月載ってないかチェックするよ!」
そうして私は、地元の島を出た
--------------------------------------
憧れた東京それに何の違和感もなく馴染めてるだろう私
ファッションモデルになるには読モが1番の近道だと思ってた、好きな雑誌のスナップ撮影会のハガキが、こんなに身近に感じる
好きなブランドのアパレル店員になれば服も少し安く買えると聞いて居たので迷わず面接に行った
東京のアパレル店員と言うだけで、自分にはとっても素敵な響きに感じた
面接は短かった、雰囲気は悪くなかったきっと受かっただろう
掛け持ちしたくて、お洒落な雰囲気の(芸能人御用達らしい)レストランにも面接に行った、面接は短かった
学校もまだだし、面接の合否も1週間はかかると言われたので、憧れの1人ぐらしで憧れの動画配信をする事にした、有名になるのにはこれが一番手っ取り早いし、実家ではパケ死するしパソコンはないしガラケーだったので出来なかった、飛びっきりのメイクとファッション、インテリアで動画投稿をしてみた
「初めまして!もぬです!上京して初めての一人暮らし女子の1dayルーティンをお届けします〜!」
今流行りのネタをとりあえずやってみた、撮り終わった私は、新しく買ったふわふわのベッドに満足気に私は身を投げた
バイトの面接受けたけど広告収入でやってけそうかな〜と、馬鹿みたいなキラキラした妄想が、明るい東京の夜に溶け落ちた
そしてバイトの面接にも落ちていた
まぁ、広告収入がつくだろうし動画投稿がんばろう!明るい気持ちで動画投稿に励んだ、今はまだ登録者は居ないけど、、、あ、でもコメントはあるかな?
《だっさwwww》
《誰得ルーティン?》
《いや、もう流行り終わってね?コレwwww》
《なんか田舎臭い》
《普通にブスなんだが?wwww》
《ドヤ顔うざww》
人生で初めてだった、自分には無縁だった言葉が30分間の動画に、大量に並んでいた、頭の奥が熱くなってくのに身体から血の気が引いていく変な感覚がした
私は震える手で動画を消した
目を閉じても、あの文字たちが頭を過ぎる
かき消したくて、友達にLINEした
「そーゆう人は、何しても文句しか言わない人だよ!気にしちゃダメ!オシャレが解ってないだけなんだよ〜そうだ!今週末もぬちの好きな雑誌のスナップ撮影会あるって募集してたよ!」
SNSで仲良くなった都内に住んでる、ヤヤちゃんの優しい言葉で少しは頭が軽くなった気がする
ヤヤちゃんは私が趣味で作ったアクセサリーを買ってくれた唯一の人だった、学校で自作アクセサリーを付けて行ったら大好評だったのでフリマアプリ等で販売していた(結局ヤヤちゃんぐらいしかオンラインでは売れなかったのも思い出した)
「うーん行きたいけど都内まだ全然分からないしなぁ、もし良かったらヤヤちゃん一緒に行かない?折角こっちに来たから会って遊びたいし!」
そう返信したら、ヤヤちゃんからすぐには返事が来なかった
今まで1度も会おうなんて話になった事はないし、ヤヤちゃん自身の顔も知らない、どうやら自信がないらしくオシャレな小物や雑誌を見ては居るけど身につける勇気がないらしい、私が作ったアクセサリーは、バッグチャームにして使ってくれてるみたい
ネット上での付き合いだったのに、いきなりオフで会おうなんて嫌がられたかなぁ、、、
そう思ってたらヤヤちゃんから連絡が来た
「私も会いたい!けど、私もぬちゃんみたいに可愛くもオシャレでもないからなぁ、、、会って幻滅しないでね!今週末楽しみにしてる!絶対読モになれるよ!」
私は嬉しくってすぐに返信をした、ありがとうのスタンプを沢山押しまくった、読モへの可能性と、上京して初めて友達と遊べるのもとっても楽しみだった
元気づけてくれたヤヤちゃんの為にも、スナップ撮影会に、むけて新しい服とメイクの勉強しなきゃ!
----------------------------------------------
週末、ヤヤちゃんと待ち合わせ憧れの原宿駅
人の多さと初めての場所で乗り換え以上にドキドキキョロキョロしていた私に、ふいに声がかかる
「もぬちゃん?」
「ヤヤちゃん?」
目の前には、黒髪に白いワンピース、シンプルなバッグには私が作った、カラフルなデコスイーツのヘアアクセサリー(ヤヤちゃんはバッグチャームとして使っている)が着いていた
派手な装いが多いこの駅では、シンプルすぎるこの服装は、なんだか浮いてる気もした
「わぁ、私が作ったやつ付けてきてくれたんだ!嬉しい!ありがとう」
「私も原宿なんて、ほとんど来た事なくて少しでもオシャレにしないとって思ってつけて来たんだ、もぬちゃん有難うね!それ雑誌に載ってた新商品だよね?凄い似合ってるよー!私も良いなって思ったけど衣装負けしそうでやめたの」
「えーお揃いでイロチで着ようよ!ヤヤちゃんにも似合うって!」
憧れの友達と原宿でショッピング、沢山お店を見て、ヤヤちゃんと色違いでワンピースを買った、次はこれを着て一緒にスナップ撮影会に行こうなんて言ったらヤヤちゃんは少し恥ずかしかったのか困った顔をしていたけど「もぬちゃんが折角コーデしてくれたし」と言ってくれた
この時の私は、確実に人生最高に有頂天だった気がする
ウキウキしながら、スナップ撮影会場所の表参道まで来た、雑誌には日付と時間と場所しか書いてない、多分スカウト形式なのか通りにはカメラマンらしい人が、道行く人にランダムに声を掛けているように見えた
人生最高に有頂天な私は、意気揚々と軽い足取りで表参道にいるカメラマンの前をゆっくりと見せつけるように歩いた
ヤヤちゃんは、カメラマン達となるべく離れて私に隠れるように歩いていた
「すいません今、時間大丈夫ですか?僕メディアスパイスのカメラマンでpopulaveって雑誌でスナップ撮影お願いしてるんですけど、、、」
「はい!大丈夫です!私その雑誌毎月読んでます!」
私は、待ってましたとばかりに顔を上げた
カメラマンとは目が会わなかった
「あーえっと、ごめん、そっちの子大丈夫かな?撮影」
「え?いや、私その、、友達の付き添いでそれに私ブランド物とか身につけてないし、、」
「あーそーゆうのは良いの良いの!気にしないで!スナップ撮影会は、そういうのじゃなくて、可愛い子のファッションや着こなしを撮るもんだから気にしなくていいよ、あ!でもごめん、そのバッグに着いてるのは外してくれると助かるわ、ちょっと今の服には合ってないかな」
また、あの時と同じように、その言葉が私の頭の中に駆け巡った
そうか浮いてるのは私なんだ
オシャレな人じゃなくて可愛い人がオシャレなんだ
可愛い人が流行りで
可愛い人だから人気で
服もアイテムも、ただのおまけなんだ
いかに私の世界が狭いかが解った
広い都会では私の声も行動も全てが、小さかった
今までの私が、私の自信が私が私である土台が
一瞬で音を立てて崩れた気がした
歩き方も喋り方も息の仕方も忘れた感じがした
そのあと、会話も殆どなく逃げるようにヤヤちゃんと別れた
LINEが来てたけど見ずに「ごめんね」とだけ返信して上京して買った憧れのスマホを投げた
お揃いで買ったワンピースは袋に入ったまま月曜日のゴミの日に出した
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自分で言うのも何だけど人の前に立つようなリーダー的な存在だったと思うの
小中学校はとても楽しかった、それが当たり前のように、私が提案すると皆が賛成してくれて皆で協力して頑張ったり、男の子から告白されたり、私が身に付けてる物が流行ったり、学級委員や生徒会長みんなから推薦されたり憧れの先輩だなんて言われた事もあった
高校受験わたしは先生に夢を語ったの
「ファッションモデルになりたい」
誰も反対なんかしなかった、漠然と東京に行こうと言ってもみんな応援してくれた
個性的なファッションに身を包んだ自由な表現の人達、いつも夢を見てる人達は、オシャレだし楽しそうだし、なんの知識もないけど、そこも何故か漠然と私なら出来ると思ってた
「絶対なれるよ!」
「沢山友達出来ると思うけど私の事忘れないで!」
「やっぱ、お前は東京みたいなとこが似合うよ!たまにでいいから戻ってこいよ!」
「ファッション誌毎月載ってないかチェックするよ!」
そうして私は、地元の島を出た
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憧れた東京それに何の違和感もなく馴染めてるだろう私
ファッションモデルになるには読モが1番の近道だと思ってた、好きな雑誌のスナップ撮影会のハガキが、こんなに身近に感じる
好きなブランドのアパレル店員になれば服も少し安く買えると聞いて居たので迷わず面接に行った
東京のアパレル店員と言うだけで、自分にはとっても素敵な響きに感じた
面接は短かった、雰囲気は悪くなかったきっと受かっただろう
掛け持ちしたくて、お洒落な雰囲気の(芸能人御用達らしい)レストランにも面接に行った、面接は短かった
学校もまだだし、面接の合否も1週間はかかると言われたので、憧れの1人ぐらしで憧れの動画配信をする事にした、有名になるのにはこれが一番手っ取り早いし、実家ではパケ死するしパソコンはないしガラケーだったので出来なかった、飛びっきりのメイクとファッション、インテリアで動画投稿をしてみた
「初めまして!もぬです!上京して初めての一人暮らし女子の1dayルーティンをお届けします〜!」
今流行りのネタをとりあえずやってみた、撮り終わった私は、新しく買ったふわふわのベッドに満足気に私は身を投げた
バイトの面接受けたけど広告収入でやってけそうかな〜と、馬鹿みたいなキラキラした妄想が、明るい東京の夜に溶け落ちた
そしてバイトの面接にも落ちていた
まぁ、広告収入がつくだろうし動画投稿がんばろう!明るい気持ちで動画投稿に励んだ、今はまだ登録者は居ないけど、、、あ、でもコメントはあるかな?
《だっさwwww》
《誰得ルーティン?》
《いや、もう流行り終わってね?コレwwww》
《なんか田舎臭い》
《普通にブスなんだが?wwww》
《ドヤ顔うざww》
人生で初めてだった、自分には無縁だった言葉が30分間の動画に、大量に並んでいた、頭の奥が熱くなってくのに身体から血の気が引いていく変な感覚がした
私は震える手で動画を消した
目を閉じても、あの文字たちが頭を過ぎる
かき消したくて、友達にLINEした
「そーゆう人は、何しても文句しか言わない人だよ!気にしちゃダメ!オシャレが解ってないだけなんだよ〜そうだ!今週末もぬちの好きな雑誌のスナップ撮影会あるって募集してたよ!」
SNSで仲良くなった都内に住んでる、ヤヤちゃんの優しい言葉で少しは頭が軽くなった気がする
ヤヤちゃんは私が趣味で作ったアクセサリーを買ってくれた唯一の人だった、学校で自作アクセサリーを付けて行ったら大好評だったのでフリマアプリ等で販売していた(結局ヤヤちゃんぐらいしかオンラインでは売れなかったのも思い出した)
「うーん行きたいけど都内まだ全然分からないしなぁ、もし良かったらヤヤちゃん一緒に行かない?折角こっちに来たから会って遊びたいし!」
そう返信したら、ヤヤちゃんからすぐには返事が来なかった
今まで1度も会おうなんて話になった事はないし、ヤヤちゃん自身の顔も知らない、どうやら自信がないらしくオシャレな小物や雑誌を見ては居るけど身につける勇気がないらしい、私が作ったアクセサリーは、バッグチャームにして使ってくれてるみたい
ネット上での付き合いだったのに、いきなりオフで会おうなんて嫌がられたかなぁ、、、
そう思ってたらヤヤちゃんから連絡が来た
「私も会いたい!けど、私もぬちゃんみたいに可愛くもオシャレでもないからなぁ、、、会って幻滅しないでね!今週末楽しみにしてる!絶対読モになれるよ!」
私は嬉しくってすぐに返信をした、ありがとうのスタンプを沢山押しまくった、読モへの可能性と、上京して初めて友達と遊べるのもとっても楽しみだった
元気づけてくれたヤヤちゃんの為にも、スナップ撮影会に、むけて新しい服とメイクの勉強しなきゃ!
----------------------------------------------
週末、ヤヤちゃんと待ち合わせ憧れの原宿駅
人の多さと初めての場所で乗り換え以上にドキドキキョロキョロしていた私に、ふいに声がかかる
「もぬちゃん?」
「ヤヤちゃん?」
目の前には、黒髪に白いワンピース、シンプルなバッグには私が作った、カラフルなデコスイーツのヘアアクセサリー(ヤヤちゃんはバッグチャームとして使っている)が着いていた
派手な装いが多いこの駅では、シンプルすぎるこの服装は、なんだか浮いてる気もした
「わぁ、私が作ったやつ付けてきてくれたんだ!嬉しい!ありがとう」
「私も原宿なんて、ほとんど来た事なくて少しでもオシャレにしないとって思ってつけて来たんだ、もぬちゃん有難うね!それ雑誌に載ってた新商品だよね?凄い似合ってるよー!私も良いなって思ったけど衣装負けしそうでやめたの」
「えーお揃いでイロチで着ようよ!ヤヤちゃんにも似合うって!」
憧れの友達と原宿でショッピング、沢山お店を見て、ヤヤちゃんと色違いでワンピースを買った、次はこれを着て一緒にスナップ撮影会に行こうなんて言ったらヤヤちゃんは少し恥ずかしかったのか困った顔をしていたけど「もぬちゃんが折角コーデしてくれたし」と言ってくれた
この時の私は、確実に人生最高に有頂天だった気がする
ウキウキしながら、スナップ撮影会場所の表参道まで来た、雑誌には日付と時間と場所しか書いてない、多分スカウト形式なのか通りにはカメラマンらしい人が、道行く人にランダムに声を掛けているように見えた
人生最高に有頂天な私は、意気揚々と軽い足取りで表参道にいるカメラマンの前をゆっくりと見せつけるように歩いた
ヤヤちゃんは、カメラマン達となるべく離れて私に隠れるように歩いていた
「すいません今、時間大丈夫ですか?僕メディアスパイスのカメラマンでpopulaveって雑誌でスナップ撮影お願いしてるんですけど、、、」
「はい!大丈夫です!私その雑誌毎月読んでます!」
私は、待ってましたとばかりに顔を上げた
カメラマンとは目が会わなかった
「あーえっと、ごめん、そっちの子大丈夫かな?撮影」
「え?いや、私その、、友達の付き添いでそれに私ブランド物とか身につけてないし、、」
「あーそーゆうのは良いの良いの!気にしないで!スナップ撮影会は、そういうのじゃなくて、可愛い子のファッションや着こなしを撮るもんだから気にしなくていいよ、あ!でもごめん、そのバッグに着いてるのは外してくれると助かるわ、ちょっと今の服には合ってないかな」
また、あの時と同じように、その言葉が私の頭の中に駆け巡った
そうか浮いてるのは私なんだ
オシャレな人じゃなくて可愛い人がオシャレなんだ
可愛い人が流行りで
可愛い人だから人気で
服もアイテムも、ただのおまけなんだ
いかに私の世界が狭いかが解った
広い都会では私の声も行動も全てが、小さかった
今までの私が、私の自信が私が私である土台が
一瞬で音を立てて崩れた気がした
歩き方も喋り方も息の仕方も忘れた感じがした
そのあと、会話も殆どなく逃げるようにヤヤちゃんと別れた
LINEが来てたけど見ずに「ごめんね」とだけ返信して上京して買った憧れのスマホを投げた
お揃いで買ったワンピースは袋に入ったまま月曜日のゴミの日に出した
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