クラス転移したら俺だけステータスが現れた件
10話 初めての街《コマンス》1
「あのー!大丈夫ですかー?」
話しかけても返事がないので、次は大きめの声で声をかけた。
すると、やっと話しかけられていることに気がついたのか、オッサンは額の汗を拭いながら立ち上がる。
「も、申し訳ございません。助けていただいたのに思わず、あなたに恐怖心を抱いてしまいました」
「あ、そうっすか」
いや、正直だな。
商人ってのは営業スマイルを常に心掛けて、腹の中では客から金をむしり取ってやろうという気持ちしかないの思っていたのだが.......いや、驚いて未だに困惑しているだけか。
でも、怖がられて少しショックです。
「私はハルマンと申します。見ての通り冴えないオッサン商人です」
「.......そうなんですか」
商人って、そんなネガティブな性格で務まんのか?なんか、ずっとオロオロしてるな。
「俺は結城 修斗です」
俺は短く簡潔に自己紹介すると、次は春が前に出た。
「僕は沢田 春です!ハルマンさん襲わてたみたいですが護衛はいないのですか?」
商人が護衛も連れて行かずに魔物が出没する森にいる事に違和感を持ち、春は質問した。
確かに、この森には弱い魔物しか出てこないが、戦闘の素人が入ったら危ないことは子供でも分かる。
「.......実は」
バルマンは少し間を空けたあと、ポツポツとことの経緯を話し始めた。
「ゴブリンの群れに襲われたら護衛に逃げられてしまいまして」
ハルマンは乾いた笑みを浮かる。
まぁ、金で雇われた護衛だったとしても、魔物の群れに襲われたら逃げ出してしまうこともあるのかな。
いや、金で雇われたからこそか。
俺も勝てないと思ったら逃げるし。
「そんで一人取り残された.......という訳ですか」
「もう大丈夫ですよ。僕と修斗くんが街まで連れていきます!」
「歩いて行くのにも疲れたし丁度いいかもな」
特に考えもなく歩くのが面倒だという理由だけで、俺たちは街までの護衛をすると言った。
すると.......
「ほ、本当ですか!?お二人のような強い方に守って貰えるなんて心強いです!」
それほど嬉しかったのか、バルマンは大粒の涙を流しながらお礼の言葉を言った。
「まぁ、ヤバくなったら逃げますけど.......ぐふっ!」
絶対に守り抜く.......などと無責任なことは言えないので、思ったことを素直に言うと、春が脇腹に肘を入れてきた。
痛すぎて変な声出たじゃねぇかよ。
「そういうことは言っちゃダメだよ!提案したのはコッチだから失礼でしょ!」
「た、確かに.......すみません」
春の言う通りだと思ったので、素直に謝る。
「ははは。別に構いませんよ。それに街まであと少しですしね」
バルマンは優しげな笑い声を上げ、ふくよかな腹を縦に揺らしていた。
「それにしても護衛対象を置いて逃げるなんて酷いよね!」
春は頬を大きく膨らましながら、ハルマンを置いていった護衛たちに対して怒っていた。
俺は自分の安全が第一優先なので、自分よりも強い相手に出会ったら迷わず逃げる。
もちろん、護衛中でもだ。
ぶっちゃけ、赤の他人が死のうがどうでもいい。
ほとんど話したことも無い相手が亡くなり、それで悲しみ泣く人は沢山いるが、俺には理解できない。
さすがに親しい奴がいなくなったら悲しいけどね。
「そんなこと俺達には関係ないだろ。さっさと荒らされた積み荷を馬車に乗せて出発するぞ」
「はいはい。分かりましたよー」
俺の返答が気に入らなかったのか、プイッと顔を背けて適当に返事してきた。
「護衛してくれるだけでも助かるのに.......積み荷まで荷台に乗せてもらうわけにはいきません!」
「俺たちが乗せた方が早いのでいいですよ。ハルマンさんは出発の準備をお願いします」
「は、はい.......分かりました」
ハルマンは大きな荷物を運べるほどの力を持っていない。
だから、人任せにすることに多少の抵抗は感じながらも、自分に出来ることをする事にした。
俺たちが手伝えることなんて、荷物を荷台に積めることくらいだ。
他のことはハルマンに任せた方が効率がいい。
そして、出発の準備を始めてから、約5分後に馬車を走らせたのだった。
◇
「いやぁ、今日は良い天気ですね!木々のせいで日差しが遮られているはずなのに、とても眩しい気がします」
ハルマンは先程までゴブリンに襲われていた事など忘れていたかのように、のんきに大きな声で話していた。
それは俺と春を信用しての行動なのか.......それとも、ただのアホなのかは分からない。
「そうですね」
無視するのも気が引けるので、適当に返事をする。
「でも、所々から入ってくる日差しが気持ち良くて、僕は好きですよ!」
「はははっ。確かに気持ちいいです」
春が太陽の光を浴びていると、まるで女神のように美しい姿を見せてくる。
マジで春なら男でもイケるかも.......そう思ってしまうほど、今の春の姿は幻想的だった。
ついつい春に見とれてしまっている時、ハルマンが声を上げる。
「修斗殿!春殿!街に着きましたよ!」
どうやら、街に着いたようだ。
ハルマンに声を掛けらてた直後、春は飛び出していくように馬車の外へ身を乗り出した。
「わぁ!凄いよ!修斗くん」
「おぉ.......確かにすげえな」
教会で話には聞いていたが、こうして直接見ると想像以上の迫力だ。
高さ30メートルはあるであろう外壁、入口らしきところには両手では数え切れないほどの馬車と人が並んでいたのだった。
名前:結城 修斗 レベル:4
職業:なし
称号:なし
MP:40/40
筋力:6
耐久:3
速度:6
感覚:3
知能:3
《パッシブスキル》
【神々の試練】
《アクティブスキル》
【索敵】【隠密】
《耐性》
《適正魔法》
ステータスポイント:3
スキルポイント:4
必要経験値:0/4000
《旅立ちの日》
英雄となり得る者の始まりの日。
クリア条件
・『魔王討伐』
クリア報酬
・『ステータスポイント1000』
・『スキルポイント1000』
・『願い事を一つ叶えられる』
話しかけても返事がないので、次は大きめの声で声をかけた。
すると、やっと話しかけられていることに気がついたのか、オッサンは額の汗を拭いながら立ち上がる。
「も、申し訳ございません。助けていただいたのに思わず、あなたに恐怖心を抱いてしまいました」
「あ、そうっすか」
いや、正直だな。
商人ってのは営業スマイルを常に心掛けて、腹の中では客から金をむしり取ってやろうという気持ちしかないの思っていたのだが.......いや、驚いて未だに困惑しているだけか。
でも、怖がられて少しショックです。
「私はハルマンと申します。見ての通り冴えないオッサン商人です」
「.......そうなんですか」
商人って、そんなネガティブな性格で務まんのか?なんか、ずっとオロオロしてるな。
「俺は結城 修斗です」
俺は短く簡潔に自己紹介すると、次は春が前に出た。
「僕は沢田 春です!ハルマンさん襲わてたみたいですが護衛はいないのですか?」
商人が護衛も連れて行かずに魔物が出没する森にいる事に違和感を持ち、春は質問した。
確かに、この森には弱い魔物しか出てこないが、戦闘の素人が入ったら危ないことは子供でも分かる。
「.......実は」
バルマンは少し間を空けたあと、ポツポツとことの経緯を話し始めた。
「ゴブリンの群れに襲われたら護衛に逃げられてしまいまして」
ハルマンは乾いた笑みを浮かる。
まぁ、金で雇われた護衛だったとしても、魔物の群れに襲われたら逃げ出してしまうこともあるのかな。
いや、金で雇われたからこそか。
俺も勝てないと思ったら逃げるし。
「そんで一人取り残された.......という訳ですか」
「もう大丈夫ですよ。僕と修斗くんが街まで連れていきます!」
「歩いて行くのにも疲れたし丁度いいかもな」
特に考えもなく歩くのが面倒だという理由だけで、俺たちは街までの護衛をすると言った。
すると.......
「ほ、本当ですか!?お二人のような強い方に守って貰えるなんて心強いです!」
それほど嬉しかったのか、バルマンは大粒の涙を流しながらお礼の言葉を言った。
「まぁ、ヤバくなったら逃げますけど.......ぐふっ!」
絶対に守り抜く.......などと無責任なことは言えないので、思ったことを素直に言うと、春が脇腹に肘を入れてきた。
痛すぎて変な声出たじゃねぇかよ。
「そういうことは言っちゃダメだよ!提案したのはコッチだから失礼でしょ!」
「た、確かに.......すみません」
春の言う通りだと思ったので、素直に謝る。
「ははは。別に構いませんよ。それに街まであと少しですしね」
バルマンは優しげな笑い声を上げ、ふくよかな腹を縦に揺らしていた。
「それにしても護衛対象を置いて逃げるなんて酷いよね!」
春は頬を大きく膨らましながら、ハルマンを置いていった護衛たちに対して怒っていた。
俺は自分の安全が第一優先なので、自分よりも強い相手に出会ったら迷わず逃げる。
もちろん、護衛中でもだ。
ぶっちゃけ、赤の他人が死のうがどうでもいい。
ほとんど話したことも無い相手が亡くなり、それで悲しみ泣く人は沢山いるが、俺には理解できない。
さすがに親しい奴がいなくなったら悲しいけどね。
「そんなこと俺達には関係ないだろ。さっさと荒らされた積み荷を馬車に乗せて出発するぞ」
「はいはい。分かりましたよー」
俺の返答が気に入らなかったのか、プイッと顔を背けて適当に返事してきた。
「護衛してくれるだけでも助かるのに.......積み荷まで荷台に乗せてもらうわけにはいきません!」
「俺たちが乗せた方が早いのでいいですよ。ハルマンさんは出発の準備をお願いします」
「は、はい.......分かりました」
ハルマンは大きな荷物を運べるほどの力を持っていない。
だから、人任せにすることに多少の抵抗は感じながらも、自分に出来ることをする事にした。
俺たちが手伝えることなんて、荷物を荷台に積めることくらいだ。
他のことはハルマンに任せた方が効率がいい。
そして、出発の準備を始めてから、約5分後に馬車を走らせたのだった。
◇
「いやぁ、今日は良い天気ですね!木々のせいで日差しが遮られているはずなのに、とても眩しい気がします」
ハルマンは先程までゴブリンに襲われていた事など忘れていたかのように、のんきに大きな声で話していた。
それは俺と春を信用しての行動なのか.......それとも、ただのアホなのかは分からない。
「そうですね」
無視するのも気が引けるので、適当に返事をする。
「でも、所々から入ってくる日差しが気持ち良くて、僕は好きですよ!」
「はははっ。確かに気持ちいいです」
春が太陽の光を浴びていると、まるで女神のように美しい姿を見せてくる。
マジで春なら男でもイケるかも.......そう思ってしまうほど、今の春の姿は幻想的だった。
ついつい春に見とれてしまっている時、ハルマンが声を上げる。
「修斗殿!春殿!街に着きましたよ!」
どうやら、街に着いたようだ。
ハルマンに声を掛けらてた直後、春は飛び出していくように馬車の外へ身を乗り出した。
「わぁ!凄いよ!修斗くん」
「おぉ.......確かにすげえな」
教会で話には聞いていたが、こうして直接見ると想像以上の迫力だ。
高さ30メートルはあるであろう外壁、入口らしきところには両手では数え切れないほどの馬車と人が並んでいたのだった。
名前:結城 修斗 レベル:4
職業:なし
称号:なし
MP:40/40
筋力:6
耐久:3
速度:6
感覚:3
知能:3
《パッシブスキル》
【神々の試練】
《アクティブスキル》
【索敵】【隠密】
《耐性》
《適正魔法》
ステータスポイント:3
スキルポイント:4
必要経験値:0/4000
《旅立ちの日》
英雄となり得る者の始まりの日。
クリア条件
・『魔王討伐』
クリア報酬
・『ステータスポイント1000』
・『スキルポイント1000』
・『願い事を一つ叶えられる』
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