色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった
30 雨に濡れた夫婦は公園で……
「こちらの商品、袋はお分けしま……」
「一緒で構いません」
俺は恥ずかしさのあまり、食い気味にそう言った。
「かしこまりました」
レジのお姉さんは特に表情を崩さずに淡々と処理をする。
一方、俺と結菜は激しく赤面しながら、レジを後にした。
「ミーくん、恥ずかしい……」
「ああ、何度買いに来ても慣れないな……」
そんな風に囁き合いながら、コンビニの外に出た時、異変に気が付く。
「あれ……カサがないぞ」
「えっ?」
コンビニでカサが盗まれることはよくあると聞く。
特に今は梅雨の時期だから。
ちなみに、カサは一本しかない。
『ミーくんと相合傘がしたいな♡』
『よし、しよう!』
今朝、そんな会話をしてカサを一本しか用意していなかった。
「やられたか……」
「ミーくん、お店で買っちゃお?」
「あ、ああ。そうだな」
俺は結菜と一緒に再び店内に戻るが、
「なっ……カサ売り切れだ」
「えっ……そんな」
俺たちは肩を落として外に出た。
「ど、どうしよう、ミーくん」
結菜が不安げな顔で俺を見つめてくる。
クソ、可愛い嫁にこんな顔をさせたくない。
だが、今の俺たちには梅雨のマストアイテムであるカサがない。
しかも、目の前ではザーザーと雨が降っている。
もはや、この状況下で、信じられるのは己の肉体のみだ。
「……きゃっ!?」
俺は結菜を抱き上げた。
「へ、へぇ~!? お、おひ、お姫様だっこぉ!?」
「結菜、なるべく濡らさないようにするが、我慢してくれ」
「ミ、ミーくん?」
戸惑う結菜を抱えながら、俺は雨の中を全力疾走する。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉ!」
愛しの結菜を絶対に濡らす訳には行かない。
もし、結菜が風邪でも引いたら大変だ。
俺はいくら濡れても良い。
結菜は絶対に濡らさない!
「……んっ?」
俺はふと視線を下ろす。
抱きかかえていた結菜は、見事にぐっしょりと濡れていた。
制服が透けて、可愛らしいピンクのブラジャーが浮かび上がっている。
「な、何てことだあああああああああああぁ!?」
俺は絶叫した。
「クソ、愛する嫁の一人も守れないなんて……俺は男として失格だ!」
「そ、そんなことないよ! ミーくんの方がズブ濡れさんだよ?」
「俺は良いんだ、いくら濡れても! 結菜だけは濡らしたくなかった……」
「へ、平気だよ。だって……いつも、ミーくんに濡らされているから……お布団の上で♡」
ちなみにだが。
最近ではベッドじゃなく、和室に布団を敷いてエッチをするのが日課になっていた。
「ゆ、結菜……」
俺は立ち止まる。
目の前には公園があった。
「……ここで雨宿りしよ?」
結菜が微笑んで言う。
「……ああ、そうだな」
俺は結菜を抱きかかえて歩き、ドーム型の遊具の前に来た。
二人でその中に潜り込む。
「クシュン」
「大丈夫か、結菜?」
「うん、平気」
「あれだな、制服が濡れているから……一度、脱いで絞った方が良いかもしれない」
「そうだね……じゃあ、ちょっとだけ、あっち向いていて」
「見ていたらダメか?」
「ダメ♡」
結菜はニコリと笑って言う。
俺は少しばかり残念に思いながら、結菜に背を向ける。
「よいしょと……」
少し鈍い衣擦れの音がした。
「ふんっ……あっ……んっ……あんっ」
「ゆ、結菜さん? そんな風にエロい声を出してどうした?」
「ち、違うよ。制服を絞りたいんだけど……硬くて」
「あ、ああ、そうか。じゃあ、俺が絞ろうか?」
「お願い」
俺は背を向けたまま、結菜から制服を受け取る。
「ふんっ、ふんっ、ふんっ」
ビチョチョチョチョ、と勢い良く水が流れた。
「すごい、ミーくん。力持ちさんだね♡
「ハハハ、ちょっと制服が傷んだらごめん」
「しょうがないよ」
「あとは、軽く干さないとな。俺がこうして持っているよ」
「ごめんね、ミーくん。腕が疲れたら良いんだよ?」
「安心しろ、体力だけは自信がある」
「ミーくん、素敵♡」
結菜がぴとっと俺の背中に抱き付く。
「ゆ、結菜?」
「あ、ごめん、つい……」
「……やっぱり、柔らかいな、結菜のおっぱい」
「……触っても良いよ?」
「えっ」
俺はゆっくりと振り向く。
上半身はブラジャー姿、けれども下の方はちゃんとスカートを穿いている。
そんな結菜の姿が最高にエロいと思った。
「し、しかし、ここは子供たちが遊ぶ健全な公園だ。そんな場所でエッチなことをするなんて……」
「大丈夫、今は子供たちが居ないから。少し、大人な時間だよ?」
「ちょっと意味が分からないけど……そういうことにしようか」
絞った制服はカバンに引っ掛けた。
俺は結菜に近寄る。
「あっ……」
胸を揉みながら、キスをした。
ちゅっ、ちゅっ、と甘い音が脳内で囁きかける。
「……ミーくん、キス上手になったね」
「本当か?」
「だって、前よりもクラクラしちゃう……もっとして」
「わ、分かった」
俺は結菜とまたキスをする。
今度は、少し長めに……
「……ミーくんも制服を脱いだら?」
「えっ?」
「ほら、ちゃんと絞って乾かさないと」
「あ、ああ、そうだな」
そして、お互いに半裸の状態で向き合う。
「んっ……あっ……」
結菜の甘い吐息がくすぐったい。
ほのかに漂う梅雨の香りが、また普段のエッチとは違う雰囲気を与えてくれて。
興奮してしまう。
「……もっとしたいけど、そろそろ切り上げないと、風邪を引いちゃうから」
「……うん」
俺と結菜は少しだけ乾いた制服を着直す。
「じゃあ、急いで帰るか」
「濡れないために?」
「いや、エッチをするために」
「もう♡」
俺は結菜を抱きかかえて、再び雨の中を駆け出した。
          
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