色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった
11 思わぬサプライズ
いつものように、結菜が笑顔で起こしに来てくれた。
「おはよう、結菜」
俺はベッドの上で起き上がる。
そして、結菜と目線が合った。
お互いに見つめ合うと、そのままキスをした。
「んっ……ちゅっ……」
最近では、おはようのキスをするのが当たり前になっていた。
最初は軽くソフトキスだったんだけど。
お互いに慣れたせいか、少し遠慮がなくなって、ディープ気味だ。
「はっ……ミーくん……朝からすごい……」
「ごめん、やり過ぎた?」
「ううん、もっとして……」
結菜は俺に抱き付きながら舌を絡ませて来た。
小さい頃から結菜のことは知っている。
純粋で無垢な子だ。
そんな彼女が、こんなにエッチなことに対して積極的になってくれるなんて。
俺もこんな風にエッチな奴になってしまったのは、きっと結菜のせいだ。
他の奴らが雑誌のグラビアを夢中で読んでいる間も、夢中で弁当をかきこんでいた俺。
ただ、きっとどんなグラドルを見ても、これほどまでに興奮することはないだろう。
大好きで大切な結菜だからこそ、ここまでエッチになってしまうのだ。
「はぁはぁ……ミーくん」
結菜はすっかり顔がとろけていた。
俺はそんな愛らしい顔を見つつ、ふと視線を下ろす。
清楚なエプロンを押し上げるその膨らみはやはり立派だ。
よくぞここまで育ったものだと感心感激の嵐だ。
「本当に美味そうだな、結菜のおっぱい」
「食べる?」
「う~ん……後の楽しみに取っておくよ」
「私はいつでもオーケーだからね?」
「最高の嫁だな」
「そ、そうかな……」
結菜は照れて顔を赤らめ俯いてしまう。
本当に幸せな時間だ。
幼馴染で嫁な結菜と二人きりの時間を過ごせて。
まあ、野次馬がいる訳だけど。
「……日向」
俺が言うと、
「あ、やっぱりバレてた?」
後頭部を撫でながら日向がドアを開けると、そこには両親までいた。
「父さん、母さんまで……」
「は、はは、すまん、息子よ」
「大丈夫、お母さん、ちゃんと両手で目を隠していたから」
「いやいや、家族でもプライバシーは守ってよね? なあ、結菜?」
「ふ、ふええええぇ……」
結菜はまたぷしゅうううぅ、と湯気を立たせていた。
◇
「で、結菜ちゃんとはどこまで進んでいるんだ?」
授業間の休み時間。
人気の少ない廊下で恵一と駄弁っていた。
「とりあえず、キスと乳揉みまで」
「AとBってやつか。羨ましいやつめ。もう本番も近いってか?」
「ああ、そうだな。けど、実際は難しいかも」
「ん?」
「今日の朝、結菜とおはようのキスをしていたんだけど」
「何それ、殴って良い?」
「殴るな。それで家族が覗いていたんだよ。日向は常連だけど、父さんと母さんにまで覗かれた日には、さすがの俺も勘弁して欲しいなって」
「まあ、そうだな」
「もっと結菜と二人きりでイチャイチャしたいなぁ」
「お前、贅沢だぞ。今の状況でも十分に幸せじゃないか」
「まあ、そうだな。結菜は可愛いし性格も良いし料理上手だし、最近はエッチな子になって……むぐぐ!」
「それ以上、喋るな。殺したくなる」
「ほはへほははふはのほほふふへほ(お前も早く彼女を作れよ)」
「うるせえ!」
◇
もし俺達が大人だったら、まっすぐ家に帰らずにラブホにでもしけこむのに。
ただ、所詮は無力な高校生だから、親が待つ家に帰らなければならない。
「最高の嫁さんをもらっても、親と同居となるとやっぱりストレスが溜まるのかなぁ~」
「ミーくん、私は平気だよ? だから、お義父さんとお義母さんをあまり悪く言わないであげて?」
結菜が相変わらず良い子過ぎて辛い。
「そうだな。将来はお金を溜めて二人だけで暮らそうな」
「うん、楽しみにしている」
俺たちは手を繋いでアスファルトを歩いて行った。
◇
いつものように、結菜が作った最高の手料理が並ぶ食卓に着いていた。
「ん、父さん」
「どうした、湊人?」
「何で椅子が二つ多いの?」
「ああ、お客さんが来るんだよ」
「そうなの? 誰が?」
「もうじき来るから分かるさ」
ちょうどそのタイミングで、玄関のチャイムが鳴った。
「あ、私が出ます」
結菜が言うが、
「大丈夫、私が出るから」
母さんがパタパタと玄関に向かった。
それから、玄関先で声がする。
ん? 何か聞き覚えのある声だな……
「お邪魔します」
やって来た二人の夫婦を見て、俺と結菜はギョッとした。
「えっ?」
「お、お父さんとお母さん?」
そして、俺たちは困惑する。
「結菜、しっかり湊人くんの嫁をやっているか?」
「大丈夫よ、私たちの子だからな」
久しぶりに会ったけど、結菜の両親だけあって二人とも美形だ。
「あ、おじさんとおばさん……」
「湊人くん、お義父さんとお義母さんだろ?」
「あ、はい。お義父さん、お義母さん。すみません、ロクにあいさつも出来てなくて」
「そんな堅苦しい話は抜きにしよう。一緒にビールでも飲むかい?」
「いやいや、僕は未成年ですから」
「あなた、おふざけはそこまでにして下さい。今日は大事な話をしに来たんでしょ?」
結菜母が言う。
「ああ、そうだな」
結菜父が頷いた。
「え、大事な話って?」
結菜の両親が席に着く。
「ゴホン。湊人、結菜ちゃん」
父さんが少し威厳を醸し出すようにして語り出す。
「君らが夫婦(まだ仮だけど)になってから一ヶ月ほど、同居する俺の目から見て、本当に仲睦まじくやっていたと思う。どこに居てもイチャイチャイチャイチャと、傍から見てこちらがこっぱずかしくなるくらいだ」
「じゃあ、見るなよ。ていうか、覗くな」
「湊人は男としてまだ半人前だが、結菜ちゃんはとてもしっかりしている。だから、俺たちはお前たち二人のことを信じることにした」
「父さん、何の話だよ?」
「お前たちがこの家に住むのは今日限りだ」
「……えっ、ちょっと意味が分からないんだけど」
俺と結菜は困惑して顔を見合わせる。
「お前たちには新しい家を用意した。と言っても、安いアパートだがな。明日からは、そこで二人暮らしを始めると良い。もちろん、双方の両親は納得済みだ」
俺と結菜の両親は揃ってニコニコしている。
「あの、肝心の本人たちの了解を取っていないと思うんですけど?」
俺はこめかみに軽く怒りマークを浮かべて言う。
「サプライズさ、マイサンよ」
「殴って良い?」
「み、湊人よ。俺はお前たちが喜んでくれると思って……」
父さんはシュンとへこむ。
デカい図体をして繊細な父さんだな。
「おい、結菜からも何か言って……えっ?」
見れば、結菜が両手で口元を押さえて涙ぐんでいた。
「……あっ、ごめんなさい。まさか、こんなに早く二人の望みが叶うと思っていなかったから」
結菜は涙目のまま俺を見つめる。
「言ったよね? 二人で一緒に暮らそうって」
「そうだけど……俺たちはまだ高校生だぞ? 夫婦って言ったって、仮免許みたいなものだし……」
「だったら、これから二人で頑張って本当の夫婦になろう?」
「本当の夫婦……か」
俺は小さく顔を俯ける。
「お兄ちゃん」
すると、それまで黙って見守っていた日向が口を開く。
俺はふっと顔を上げた。
「男を見せなよ」
その一言が俺の脳内と胸内で強烈にスパークした。
「……そうだな。グダグダ言っているなんて、男らしくないよな」
俺はニカッと笑って結菜を見る。
「俺も、結菜と二人暮らしが出来るなんて最高に嬉しいよ。ありがとう、父さんたち」
「息子よ……」
父さんは感激のあまり涙を流す。
「よーし、今日は宴だぁ! 飲みまくるぞぉ! 湊人も結菜ちゃんも飲め~!」
「パパ、あたしも飲みた~い!」
「おう、好きなだけ飲め~!」
「おい、アホか。母さんも止めてくれよ」
「うふふ」
「うふふ、じゃないよ」
「はぁ~、でもこれでちょっと気が楽になるかな」
日向が言う。
「どうしてだ? お前は俺と結菜のあれやこれやを覗いて楽しんでいただろう?」
「まあ、そうだけど。あたしも思春期ですから。二人のエッチな姿とか声を間近で聞いていると……おかしくなっちゃいそうだったもん。あーあ、あたしも早く彼氏つくろ~」
「日向、お前はまだ早いぞ」
「パパ、何でよ!? あたしだってムラムラするんだからね! お兄ちゃんと結菜ちゃんばかりズルいよ!」
「ダメなものはダメだ~!」
「良いもん、彼氏が出来てもパパには教えてあげない!」
「日向、ママには教えてね」
「うん」
「くそぉ~、日向め~!」
「パパ、うっさい! ていうか、今日はお兄ちゃんと結菜ちゃんが主役でしょうが!」
「おっ、そうだった。よーし、飲むぞ~!」
「あなた、明日は引っ越し作業もあるんだから、ちゃんとセーブして下さいよ?」
「無理だ! ガッハッハ!」
感情の浮き沈みが激しい親父を見え俺はほとほと呆れる。
一方、結菜は俺の隣で嬉しそうに微笑んでいた。
そんな結菜とこれから二人きりの暮らしが始まると思うと、俺も胸が高鳴った。
          
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