色気より食い気の俺が料理上手の幼馴染に『毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたい』と言ったらすぐ同居することになった
1 俺の幼なじみ
清楚な黒髪のロングヘアー。
清楚でおっとりした性格。
おまけに、胸も大きい。
ただ、何より俺が素晴らしいと思うのは……
「ミーくん、お味はどうかな?」
制服にエプロンを羽織った結菜が言う。
「うん、すごく美味しいよ」
俺はみそ汁をすすって言う。
「か~、幸せ者だなぁ、湊人ぉ。朝からこんな可愛い子が作ったみそ汁を食べられるなんて」
「本当にねぇ~。あたしより上手なんじゃないかしら?」
「うふふ、おじさまとおばさまったら」
「お義父さんとお義母さんって呼んでくれても良いんだよ?」
「やだもう、あなたってば。気が早いですよぉ~」
「そうだな、ワッハッハ!」
「うふふふふ」
「賑やかだなぁ。けど、あたしも結菜ちゃんがお姉ちゃんになってくれたら嬉しいかな。お兄ちゃんもそう思わない?」
「ん?」
「もう~、また食べてばかり。育ち盛りもほどほどにね~」
「お前は……もうちょっと成長しろよ」
「ちょっ、どこ見て言ってんのよ! このバカ変態兄貴! 結菜ちゃ~ん、お兄ちゃんがあたしのおっぱい見てる~!」
「いや、身長のことを言ったんだけど」
「どちらにせよセクハラよ! 妹を相手にサイテーなんだから!」
「日向ちゃん、落ち着いて」
結菜が妹を慰めてくれる。
「けど、アレだな」
「え?」
「毎朝、お前の作ったみそ汁が飲みたいな……なんて」
「お兄ちゃん、それってもしかして、プロポーズ?」
「いや、純粋な感想だけど」
「で、結菜ちゃんのアンサーは?」
「へっ? えと、あの……」
結菜は何やらモジモジして上手く答えられないようだ。
「ごちそうさま、結菜」
「あ、うん」
「じゃあ、学校に行こうぜ。日向も遅刻すんなよ」
「分かってるよ、セクハラお兄ちゃん」
「次にそれ言ったらお仕置きするぞ」
「妹にお仕置き……この変態!」
「あー、もう面倒くせえ。ちょっとは結菜を見習えよ」
「ふん、だ。どうせあたしは結菜ちゃんみたいに美人でおっぱいが大きくありませんよーだ」
「ひ、日向ちゃん」
「何より、料理が上手だからな、結菜は」
「はいはい、育ち盛りマックスのお兄ちゃん、行ってらっしゃい」
妹に憎たらしく言われて、俺はカバンを持つ。
「結菜、行くぞ」
「うん、ミーくん」
結菜は微笑んで頷いた。
◇
俺、水野湊人は幼なじみの結菜と一緒の高校に通っていた。
「お前なら、もっとレベルの高い高校に行けただろうに」
「だって、ミーくんと一緒に居たかったんだもん」
高校入学当初から、そんなやり取りを繰り返している。
「けど、もっとレベルの高い高校に行っておけば……」
ガラガラ、と教室の扉を開く。
「「「あ、結菜ちゃんだ!」」」
速攻でクラスの男子たちが反応した。
「おはよう、みんな」
結菜が笑顔で言うと、
「「「おっはよーーーーーーーう!」」」
男子たちの元気な声が響き渡る。
もっと賢い学校に行けば、こんなアホどもと関わることも無かっただろうに。
まあ、仕方がない。
結菜はそれくらい魅力的な美少女だから。
幼なじみの目から見ても、その可愛らしさは保証する。
「いよっ、湊人」
軽々しい調子で声をかけてきたのは、一番仲の良い佐藤恵一だ。
「よっ」
「羨ましいな~、結菜ちゃんと幼なじみで」
「ああ、結菜は最高だよ。料理が本当に美味いんだ」
「お前は色気より食い気だな。ぶっちゃけ、あの清楚な顔して立派なおっぱいとか、揉みたくないのか?」
「ん?」
俺はクラスの女子と楽しそうにお喋りをする結菜を見た。
「あれ、食べたらどんな味がするのかな?」
「ド変態じゃねえか」
ひどい言いようだ。
「しかも、お前らって家がとなり同士なんだろ? 好きなだけお互いの家に行き来できるし、親の目を盗んでやり放題だろうに」
「妹もいるからな」
「じゃあ、妹も一緒に3人ですれば良いじゃん」
「恵一、お前……最低だな」
「そんな蔑みの目で見るな」
◇
時は流れてあっという間に放課後。
「いや~、今日は弁当まで作ってくれてありがとうな」
帰り道、俺は結菜と一緒に歩いていた。
「ううん、気にしないで」
「結菜は本当に料理が上手だし、きっと良いお嫁さんになるよ」
「……ミーくんの?」
「えっ? ああ、それはどうだろうね……」
俺が適当にはぐらかすと、結菜は少しだけ頬を膨らませる。
けど、すぐに笑った。
そして、家の前に着く。
「どうする? 今日も俺の家に寄って行くか?」
「うん。でも、ちょっと準備があるから。先にお家で待っていて」
「え? あ、うん。分かった」
俺は適当に頷いて一旦、結菜と別れる。
「ふぅ~」
適当にカバンを床に置いてソファにどかっと座った。
「あ、お兄ちゃん。帰っていたんだ」
「おう、日向か」
「あれ、結菜ちゃんは一緒じゃないの?」
「え? ああ、後で来るっぽいよ」
「そうなんだ」
すると、玄関ドアが開く。
「「ただいま~」」
結菜かと思ったら、父さんと母さんが帰って来た。
「あれ、二人とも珍しいね。もう仕事が終わったの?」
俺はテレビを見ながら尋ねる。
「いや、今日は早めに切り上げて来たんだよ。なぁ、母さん?」
「ええ。だって、今日は記念すべき日だもの」
「あ、もしかして、結婚記念日? おめでとう」
俺が言うと、なぜか両親は意味深にニヤリとする。
「まあ、当たらずとも遠からずって所ね」
「だな」
「何だよ、気持ち悪いな」
俺が半ばゲンナリしていると、玄関のチャイムが鳴った。
「お邪魔します」
玄関先から結菜の声がした。
「あら、結菜ちゃん。いらっしゃい。さあ、上がってちょうだい」
「遠慮しないでくれ」
「はい」
「結菜ちゃん、いらっしゃ~い」
「日向ちゃん、お邪魔します」
そして、結菜がリビングに顔を見せる。
「よう、結菜……って、何だその荷物は?」
「えへへ、ちょっとね。あっ、ミーくん。カバン置きっぱなしにしたらお行儀が悪いよ?」
「ああ、ごめん」
俺と結菜がそんなやり取りをすると、
「あらあら、もうすっかり夫婦みたい」
「だな」
「見せつけるね~」
「おい、みんな。さっきから何なんだよ」
俺は終始ニヤつく家族に若干イラっとしていた。
「あのね、ミーくん」
すると、結菜が口を開く。
「実は私……今日からこのお家でお世話になるの」
…………………………
「あ、今日はお泊りってこと?」
「ううん、しばらく、ずっと」
「……なぜ?」
「だって、ミーくん。毎朝、私が作ったみそ汁を飲みたいって、言ってくれたでしょ?」
「うん、言ったけど……」
「私ね……ミーくんのお嫁さんになりたいの」
「えっ?」
「だからね、今日から花嫁修業もかねて、ミーくんと一緒に暮らしたいなって……もちろん、ミーくんのご両親と、私の両親も承諾済みだよ」
「あたしもね~」
得意げに日向がピースサインをする。
「肝心の俺の承諾は……?」
「事後承諾……じゃ、ダメかな?」
「ダメって言うか……マジで?」
俺が言うと、結菜はコクリと頷く。
「お兄ちゃん、男を見せなよ」
日向がニヤニヤしながら肘で俺の脇を小突く。
「ウザいなぁ」
「ひどっ、可愛い妹に対して」
日向がふくれっ面になる。
「まあ、とにかく。俺たちはどこまでも結菜ちゃんウェルカムだから」
「そうよ~、すぐにでも湊人のお嫁さんになって欲しいわ~」
「ありがとうございます、おじさま、おばさま……いえ、お義父さん、お義母さん」
「おふっ……これは中々の破壊力だな」
「そうねぇ」
何か物凄い勢いで外堀が固められて行っているんだけど。
「ミーくん」
結菜に呼ばれて振り向く。
「私がお嫁さんじゃダメ、かな?」
「ていうか、お前は俺なんかで良いのかよ。お前なら、いくらでも俺より良い男が……」
「バカ! 私にとって、ミーくん以上の男の人なんていないもん!」
結菜がむぎゅっと俺の腕に抱き付く。
その膨らみは、確かに大きくて柔らかい。
恵一を初めとしたアホ男子たちが見惚れるのも納得だ。
すると、俺のお腹がぐぅ~、と鳴った。
「あっ」
「もう、ミーくんったら……今すぐ、お夕飯の支度をするね♡」
こうして、幼なじみとの同居生活が始まった。
          
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