いつまでも,いると思うな家に嫁

文戸玲

若さゆえ? の失敗



 若いということは失敗が付きものだ。失敗してもいいから、と学校の先生にもよく言われた。大人は失敗をしたくない生きものだと知ったのはそれからずいぶん経ってからだ。あの時の先生はずいぶん無責任な人だったのだと今は思う。
 これまで失敗した経験と言われたら,夏休みの出来事は外せない。あれはくそ暑い夏の日の冷房の効いた人工的な空間での出来事。
 当時仲良くしていた先輩と,カラオケの行こうと誘われた。ただで全部奢ってあげるよと言われて,友達を誘ってもいいと言われたこともあってほいほいついていった。その先輩は,体育祭の応援団長をしていた後輩たちのあこがれの存在でもあったため,他の条件なんてどうでも良かった。
 塾が終わってから約束していたカラオケ店に向かったため,私はその場所に遅れて参加することになった。友達と先輩がいるだけだと思っていた,あらかじめ伝えられていた部屋番号の扉を開けると,そこには知らない人が複数いた。
 それは,怖い人たちだった。

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