いつまでも,いると思うな家に嫁
まっしぐら
新しい部屋を決めるのには時間がかかった
予算内に気に入った物件を見つけるのは容易ではないこともあるが,家具や引っ越し費用を払って住まいを見つけることに漠然とした不安があったからだ。二人暮らしをしていた分いつもよりは貯金が出来ていたが,それでも引っ越しを何度も出来るほど裕福ではない。もともと身の回りのことを自分ですることをおっくうだと思っていた私は,あろうことか夏妃の家に一ヶ月以上転がり込む生活を続けていた。
「いいかげん,私にも男が出来るからね。そうなったら速攻出て行ってもらうから」
嫌みの無い表情で夏妃は言う。面倒見のいい夏妃は私に対して今の状況をよしという言い方はしないが,落ち着くまではいてくれていいと言う。一応家賃の半分は負担させてもらっているが,それでもいつまでもお世話になるわけにはいかない。元来怠惰な正確を持っている私は,反省をしないという特性を遺憾なく発揮して悪いことを考えていた。
めんどくさくなくて,私に惚れた養ってくれる人のところでひものような生活をしよう
これが新たな後悔へのスタートとなる。
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