いつまでも,いると思うな家に嫁

文戸玲

ベッドの上で

下着をつけていないシャツの中に,繊細な動きをする手が入ってくる。

乳房を手のひらで包み込みながら撫でるようにいたわり,先端をつまむ。

さっきリビングで出てきたものとは全く別の種類の,ゆっくりと絶頂へ向かうことを示す吐息が身体の奥から漏れてくるのを抑えることが出来ない。




特別大きいわけではないけれど,形がきれいで弾力のある胸だと自分でも思う。
女子から女性になっていくのだと実感しのは思春期のころ。
平面的な体つきが,身体の変化に驚いて服の着こなしを意識するほどに立体的になった。

女性的な変化が,人よりも大きく現れたことを知ったのは,修学旅行の時だ。
同級生には羨ましがられ,遊び半分で触り合いっこをしたりもしたが,そこには一方的に攻めざるを得ない,攻められようがない女子が存在することも分かった。
確かに,注意深く観察すると,乳房が外側に開いていたり,重力に抗えず下を向いた乳房を大浴場には多く見られた。
私はきれいで弾力のある,整った乳房を授けられたのだろう。


実際,大学生の頃に付き合っていた彼氏には,直接的に褒められたこともあるし,徹底的に愛撫されることが多かった。
行為が終わった後も,彼は寝息をたてながらしっかりと私の乳房を手のひらにおさめていた。





そんな私の乳房に,旦那も夢中なのだろう。
行為の最中でおかしくなりそうな時,もみしだくように愛撫する。


触られるのが嫌いではない。
指先が腹部を伝い,徐々に膨らみへと近づいていくことを感じると鳥肌が立つほどに興奮する。
先端をつままれ,舐められ,吸われると意識が向こう側へといきそうになる。
必死でこらえ,噛んだ下唇の間から吐息が溢れる。




私は陰部が,下着を濡らせていることを自覚した。


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