魔眼使いは冒険者に憧れる

カイン

エレイン法国④

カイ「エマさーん。」

エマ「うん?どうしたカイ君。」

カイ「すいません。いまさらなんですが、
俺、神秘の密林については結構詳しい
と思っているんですよ。結構しましたが、
神秘の密林に生息している魔物の情報が
乗っている本なんかも読んだことが
ありますし。」

エマ「うんうん、それは、関心だね。
それで何がいいたいの?」

カイ「えーっと、そんな俺でも伝説の蜂蜜
っていうアイテムもそうですし、それが、
神秘の密林で手に入るなんてことも、
一ミリも聞いたことないんですよね。
もしかして伝説の蜂蜜って、相当レア
何ですか?」

エマ「うーん、そうだね。レアといえば
レアなんだけど、私からしたら余裕の
よっちゃんで手にはいるんだよね。」

カイ「えーとっー、それってどういうこと
ですか?詳しく聞きたいんですけど。」

エマ「はい。まぁー、詳しくは着いたら
説明してあげるよ。でも今はとりあえず、
集中してね。あと一歩踏み込んだら
神秘の密林のなかだよ。」

おちゃらけた雰囲気から、エマさんの
口調が変わる。あっ、これ真面目なやつだ。
瞬時にそう理解した俺はとりあえず、
あとで説明してくれるというエマさんの
言葉を信じて、神秘の密林へと足を
踏み入れる。神秘の密林へと、足を
踏み入れるとなんだか、清々しい気持ちに
なった。もうここから動きたくなくなる
ようなそんな風が吹いてきた。突如、

「ピシッ!!」

カイ「痛っ!」

俺は突然のおでこの痛みに悶絶した。

エマ「はいはい、カイ君。さっそく、
結界にやられちゃってるよ。しっかり
神経を研ぎ澄まさなきゃ。」

その言葉ではっ!と意識を取り戻した。
どうやら、俺はさっそく神秘の密林の
結界によって、幻を見せられていた
ようだ。エマさんにデコピンしてもらわ
なかったら、どうなっていたかと想像する
だけで、怖い。俺はしっかりと神経を
研ぎ澄ます。もちろん。いつ魔物が
襲ってきても対処出来るようにスキルも
常時発動しておく。俺はこれが、単なる
アイテム採集じゃないことを再認識した。

おそらく、数時間ほど歩いただろうか。
何体か魔物が襲ってきたが、どれもBランク
相当の魔物であったことと、スキルを発動
していたおかげで、簡単に対処出来、
体もそこまで疲れていない。まぁ、基本
俺はエマさんが倒しきれなかった、
あるいはわざと俺のために少し体力を残した
魔物のあと始末なんだけど。さすが
エマさん。Bランクの魔物に手加減する
余裕が数時間たってもあるなんて、さすがに
Sランクはだてじゃないな。そんなことを
考えながらも歩いていると、エマさんが
突然、思い出したかのように話し出した。

エマ「あっ、そういえば、さっきの
続きなんだけど、」

カイ「はい。」

さっきの続き、というのは、伝説の蜂蜜の
ことだろう。

エマ「伝説の蜂蜜はね。私が昔にここで
お金稼ぎをしていた時のことなんだけど。
そのときに、たまたま。SSランクの魔物
を見つけたんだ。」

カイ「SSランク!」

エマ「うん、そう、SSランク。でね、
さすがの私もそのとき、疲れていたし、
SSランクの相手をするのは、やめようと
思っていたんだけど、そのときにね、
そいつの後ろにあるものに少し魅力を感じ
てしまったんだよね。」

カイ「魅力?」 

エマ「そう魅力。まぁ、それが、
伝説の蜂蜜なんだけどね。ちらっと、
魔眼で見えて、効果とか見たら、乙女の
私としては、ほしくなっちゃったんだよね。
でも、さすがにSSランクの縄張りに
ばれずに入るのは難しいからさなんとか
ならないかなって、思っていたら、
向こうから話しかけて来たんだよね。」

聞いたことがある。ランクの高い魔物には
知能が高いものも存在し、人間の言葉が
わかるものや、人間の言葉をはなせる
ものもいると。

カイ「その、魔物は話せたんですか?」

エマ「うん?そうだね。カタゴトでは
あったけれど、しっかりと意志疎通は
少なくともとることができたよ。
それで、ある条件をクリアしたら、
伝説の蜂蜜を壺一杯だったら、
もってってもいいって、いうから
その条件を聞いたら、もう、私にピッタリ
の条件でめちゃくちゃ簡単にクリア
出来ちゃったから、また、来てもいいか?
って、聞いたら、また、条件をクリアして
くれるなら、いいって、許可もらったん
だよね。だから。私からしたら簡単だけど、
他の人からしたら大変なんだよ。だって、
SSランクの魔物を相手にしなきゃ
いけないんだから。」

カイ「なるほど、それで、その条件って
いうのは一体なんなんです?」

「うんっとね、その条件っていうのは、
あっ、てかっ、もう着くね。あとで、
見せてあげるから。ほら、行くよ。」

そういって、腕を引っ張られる俺。

カイ「えっ?えっ?、」

混乱しながらも腕を引っ張られながら、
奥を進むと、そこには、大きな大きな、
それは本当に大きな
蜂の巣があった。

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