魔眼使いは冒険者に憧れる

カイン

オルディス公爵家⑦

目の前に急に現れた黒いドラゴン。
そんな突然の災害にもっとも速く反応
したのは、やっぱりエマさんだった。
エマさんは俺や公爵様が何があったのか
窓を覗くなか、気配を読み取って外に
いるのがドラゴンであることを瞬時に
理解して、だれよりも先に攻撃を繰り
出した。縮地で、誰よりも速くドラゴンの
真下へと行き、レベル10の光属性魔法で
ある「断罪の光(ジャッジメントライト)」
を唱え、剣術で、ドラゴンを翻弄する。
その早さ故に剣が何万本にも見える技
「ソードダンス(万剣の舞)」
その技の精度と美しさは見る人々の不安を
打ち消し、一生見ていたいと思わせた。
俺はそんなエマさんの攻撃を見て我に
かえって急いで俺の精一杯の縮地で
ドラゴンの近くへと走るやっとの思いで
エマさんのもとへと来た俺が見たのは、
満身創痍のエマさんと元気一杯に飛び回る
黒いドラゴンだった。

カイ「エマさん!大丈夫ですか!今、
加勢します。遅れてすみません!」

エマ「はぁ…はぁ…、別に来なくても
よかったのに、まぁ、来たのなら頑張って
もらおうかな。」

そう強がりを言い、俺に笑顔を向ける
エマさん。俺はこの人の笑顔を守るために
戦うんだと再認識した。そんななか、
無視をされ怒ったのか黒いドラゴンが、
俺たちに向けて、咆哮した。その瞬間
身がすくむ。どうやら、スキルのようだ。
だが、俺は全耐性をもっているし、
エマさんも高い耐性を持っているので、
あまり、状態異常はかかっていない、
問題なのは近くの市民たちだが、市民たち
は今、公爵様たちが避難誘導をしてくれて
いる。俺たちは、とりあえずその、避難
誘導が終わるまでの間まで、こいつを
誘導しておくことが大一の目標だ。
避難が終わったら公爵様たちが、兵を
率いて援軍に来てくれるからだ。俺はその
ことをエマさんへと伝えながら、どうする
のか作戦を聞く。

エマ「カイ君、まず、あのドラゴンを
魔眼で見てみて。」

カイ「はい、わかりました。」

俺はそう言い、ドラゴンへと魔眼を発動
した。
(スキルによる補正済み)
レッドドラゴン(洗脳)
レベル/50
HP/1500
MP/1200
職業/ドラゴン
攻撃力/300
防御力/150
耐性/860
敏捷性/400
魔力/700
魔耐性/5
スキル/竜のブレス(火)・狂化・竜の咆哮
赤竜の誇り
ユニーク/洗脳の首輪(アイテム)

竜のブレス/ドラゴンだけが使える固有の
息魔法。属性はそのドラゴンのもっとも
得意な魔法の属性による。

竜の咆哮/ドラゴンだけが使える固有の
スキル。一定の間耐性の低い相手の動きを
封じる。(自分の耐性の3分の1の耐性より
低い相手)

赤竜の誇り/ドラゴン固有のスキルで、
火魔法が得意なドラゴンが持っている
スキル。自分の全ステータスに補正を
付ける。特に攻撃力に補正が高く付く。

洗脳の首輪/付けたものの意思を封じ、
自分の思い通りに操る。付けたものの
耐性の高さにより操れる範囲は変わる。
また、付けたもののスキルに狂化を
付与する。

と、出た。さすがは、ドラゴンだ。
半端なく強い。通常ドラゴンはSランク
の依頼だ。だが、どうやら、このドラゴン
は操られているらしい。だから、自分の
意志もなく暴れることしか出来ないの
だろう。俺は、この結果をエマさんへと
話した。そう話すとエマさんはすぐに、
作戦を話してくれた。どうやら、ある程度
は自分の魔眼で分かっていたらしい。俺の
魔眼を使うように言ったのはより良い判断
のために言ったのだろう。俺はドラゴン
へと視線を向け、言われた通りに動くの
だった。エマさんを信じて。



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