魔眼使いは冒険者に憧れる

カイン

オルディス公爵家⑥

カイ「ちょっと待ってください。どうして
公爵様が頭を下げられているのですか?
俺がなにか不敬を働くことがあっても
公爵様が頭を下げる出来事などなにも
ないではありませんか?」

オルディス「いや、アクアから話しは
聞いた。まさか、わしが少し可愛い孫娘の
初めての恋の助けをしてやろうと思い
計画したことが、まさかあんな結果に
なるなんて実に申し訳ない。君にいらない
重圧をかけてしまった。でも、わしは君と
アクアのことを応援している。それは
本当なんだ。」

なんと、公爵様はアクアが俺のことを
好きなことを知っていたそうだ。いや、
まてよ、手紙のやり取りをしていたと
いうから、そこから何か感じ取って実際の
俺へのアクアの行動を見て何か分かった
んだろう。さすがは、おじいちゃんだ。
それで。昨日のお風呂のことを指示したの
だろう。いや、今はそんなことを考えて
いる場合じゃないな。俺は公爵様へと
視線を向ける。

カイ「公爵様。そのことですが、俺は
何一つ怒っておりません。それよりも、
感謝を申し上げたいです。本当にありがとう
ございました。公爵様の行いで俺は自分の
気持ちにもアクアの気持ちにも気づくこと
ができました。これが、最善かはわかり
ませんが、少なくとも今はこの行動が
最善だと思っています。本当に、公爵様の
行いのお陰でございます。」

オルディス「そう言ってもらえると
ありがたい。わしからもお礼を言いたい。
ありがとう。あの子はアクアは今まで、
恋をしてこなかった。そんなあの子が
初めて好きになったものじゃから、
どんな奴だと思っていたが、とても、
礼儀正しくて、なにより、心にさを持って
いる。」

カイ「いや、俺なんてまだまだですよ。
俺なんかより強いやつなんて山のように
いるじゃないですか。」

オルディス「いや。わしが言っている
強さと言うのは、心だよ。ただ、強い
だけだったら、そりゃ、君より強い子は
たくさんいるだろう。でも、心が強い子は
そうはいない。本当に辛いときに自分を
己を助けてくれるのは己の心じゃ。
それを忘れるな。己を信じるんじゃ。
それができなくなった時は、己を信じて
くれるものを信じろ。それがいつしか、
信念とよばれるんじゃ。」

カイ「はい。ありがとうございます
公爵様。その言葉しかと胸に響きました。
必ずいつか信念とよばれるものを作って
みせます。」

オルディス「うむ、すまんのー、なにか
説教のようになってしまった。」

カイ「いや、そんなこと、微塵も思って
おりません。」

そう言って弁解する俺。その時、町から
騒ぎ声が聞こえた。大きな地震となにかの
甲高い声とともに、

「ゴゴゴゴッゴゴゴゴッゴゴゴゴ……………」

オルディス「一体何が起きたんじゃ!」

そう叫び窓を開け、空を見上げる、
公爵と俺が見たのは、おとぎ話で見る
ような黒い巨大なドラゴンだった。

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