魔眼使いは冒険者に憧れる

カイン

護衛任務⑥

エマさんの機嫌をなだめてから俺はまた
護衛用の馬車へと乗り込んだ。町から
離れて二時間ほどたったときに、少し
異変を感じた。遠くから血の臭いが
したのだ。どうやらエマさんも同じらしく
俺とエマさんはアイコンタクトで、
武装を整え、他の護衛たちに指示をした。
流石に精鋭だけあり、何人か気づいていた
人もいたらしく、すぐに皆、戦闘態勢に
入り、王女様が乗っている馬車の横に
俺たちの馬車を移動させ、いつでも
王女様を救えるようにした。警戒しながら
進んでいくと、目の前には、数匹の獣の死骸
があった。その有り様はとても酷く、
初めて冒険にでた冒険者だったりしたら、
すぐに吐いてしまいそうだと思った。
案の定、その光景は世間知らずの王女様には
相当堪えたらしく、少し進んだ所で、
休むことにした。王女様が馬車からおり
その場所を中心に王女様を囲むように
護衛たちが立った。

「ビュッ」

そんなとき、どこからか矢が、王女様に目が
けて飛んできた。矢は一直線に王女様には
当たらず、俺が気づいた時にはエマさんが
切っていた。俺は流石のエマさんの行動に
唖然としていたが、すぐさま矢が飛んできた
所とは逆方向に魔法をぶちこむ。すると、
草むらから数人の盗賊たちが、現れた。
気配でバレバレだったが、どうやら、
矢が、当たらないのは想定済みで、
そのあとに、油断したところで、逆方向
から、攻撃する作戦だったそうだ。俺は
そのことから、相手はおそらく俺たちの
ことを知っていて、攻撃していることと、
ある程度のこちら側の情報がばれている
と予想をして、ちらり、っとエマさんを
見る、そのとき、エマさんと目があった。
どうやら、エマさんも俺と同じ考えに
なったそうだった。俺たちはアイコンタクト
をしながら、不届きものたちに制裁と、
言うなの一方的な虐殺を始めた。



















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