魔眼使いは冒険者に憧れる

カイン

エマさんの訓練②

エマ「最初の訓練は簡単だよ。カイは
まず、強い魔物でも、安心して魔眼を
使いたいんだよね。なら、簡単な方法は
縮地のレベルをあげるか、魔結界の
レベルをあげるかなんだけど。縮地と
魔結界は覚えてるよね?」

カイ「たしかに、縮地も魔結界も覚えて
ます。縮地のレベルを上げるのは
わかるんですけど、どうして魔結界の
レベルをあげる必要があるんですか?
魔結界は両手でしか発動できなくて、
一度片手でも、外したら効果がなくなる
じゃないですか、それに後ろが、がら空き
になっちゃいます。」

エマ「ふふっそれはねカイがまだ魔結界
をレベル10にしていないからわからない
んだよ。スキルは面白くてね。使い
にくいスキルでも、レベルを一定まで、
あげると信じられないぐらい強くなったり
するんだよ。魔結界もその1つでね。
魔結界はレベル10になったら、今カイが
言った、二つのデメリットが
なくなるんだ。それに硬度も大きさも
かわって、めちゃめちゃ万能なんだから」

それは知らなかった。本当にエマさんに
指導してもらってよかった。前の俺なら
絶対に魔結界のレベルを上げようとは
思わなかっただろう。なるほど、レベル
が一定になることで、尋常じゃないほど
強くなるスキルもあるのか。そんなこと
今まで思いもしなかった。俺はそんな
喜びを味わいながらエマさんの話を聞く

エマ「うん、じゃ、そういうことだから
時間もないから、同時に二つレベルを
あげようか。」

カイ「同時に?」

エマ「うん、そう同時。えっとね。
簡単だよ。私が魔法で攻撃するから、
カイはそれを止めて、そのときに、
私が縮地を使うかもしれないから、
そのときは、カイも縮地を使って離れて」

なるほど、これなら、両方のレベルも
あがるし、反応速度も鍛えられるな。

エマ「あっ、でも、これ、あたったら
めちゃめちゃ痛いから気を付けてね!」

そんなことを、エマさんは軽く言った。
おい、Sランク冒険者の痛いって、どれ
ほどの威力なんだ。エマさんは俺の
心をよんだかのように、

エマ「大丈夫、大丈夫。死なないから
安心だよ。」

何て言う、いやエマさん。それは安心
できないよ。俺は覚悟を決め、魔結界を
発動した。!!突如真正面から火魔法が
飛んできた。

カイ「あっぶね。エマさん!すこしは
手加減してくださいよ!」

俺は叫んだ。こんなのもろにくらったら
しんでしまう。

エマ「だめだよ、カイ、敵から奇襲で
攻撃を受けたらすぐに魔眼を発動して
敵の場所を把握。そして、その間に
縮地で距離をとる。これ、魔眼もちの
常識だよ。」

カイ「いや、エマさん簡単に言ってます
けどそれなかなか難しいんですよ。」

エマ「そんなこと、わかってるよ。
でも、カイ君がもとめているのは、
私と同類たちの常識でしょ?なら、
楽勝じゃん。」

私と同類。つまり、俺が目指すのは
Sランク冒険者たちを楽勝で倒せるほど
の高みだと、エマさんは言いたいのか。
上等だやってやる。

カイ「あぁ!上等です!かかってこいや!」

俺は気合いを入れさけんだ。こんなこと
も簡単に出来ないんじゃ、高みは目指せ
ない。

全ては、高みを目指すため。

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