美女女神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社会でたくさんの嫁を娶りたい!

月風レイ

青年編 第47話 仕事依頼

ファション雑誌の撮影後、国民的スター相田真奈の楽屋の中で。

「えっ!? 雷撃文庫の編集長!?」

雷撃文庫といったら、良作が揃った名高い編集部じゃないか。
なぜそんな人が俺の目の前に、それになんでこんな幼女が……

「はっはー! そうだぜ! びっくりしたか?」

「はい……」

俺は素直に驚いたことを認める。
俺の隣にいる真奈姉さんはやや呆れ顔で、

「はぁ……タイミングが良すぎでしょ……」
真奈姉さんは憂い顔をして嘆息をつく。

「はっはー! ここに来たのは僥倖だったようだ! はっはー!」

ロリ編集長が変な笑い方をしてそんなことをのたまう。

「もう……せっかく隠してきたっていうのに……」

ご機嫌なロリ編集長にたいして、真奈姉さんは頭を抱えている様子。

「はっはー! 隠し事なんていつかはバレるものなのだよ! はっはー!」

ロリは最初と最後にはっはー! をつけないと気が済まないのであろうか、そんなことを考えていると

「はぁ……ごめんなさい……あつき」

「え!? どうして真奈姉さんが俺に謝るんですか?」

「はっはー! それはな—————」

と、ロリが自慢げに話始めようとしたその時、意趣返しなのか真奈姉さんがロリの言葉を遮って、

「あのね。怒らないできいて欲しいんだけど……」

「はぁ……わかりました」

「これは前にあつきと共演した時の帰りの話よ—————」

真奈姉さんが申し訳なさそうな真剣な顔で俺に語った内容をまとめるとこんな感じだ。

以前にテレビの収録が終わった時に楽屋で今日と同じく俺が書いた同人誌を読んだ。
ちょうど夕刻だったので、2人で食事処で食事を取った。
そのあとは何もなくそれぞれ別のタクシーに乗って、家まで帰ったのであるが、帰った際にもう一度エロ本を読み直そうと鞄を探した。だが、探した時に俺の本がなくなっていることに気づいた。
慌ててタクシーを呼んで落としたと思われる食事処へと向かった。
で、そこで俺が書いたエロ同人を拾って読んでいる小さな子供がいた。
そして、その小さな子供に返してと頼んだところ……

「はっはー! これはお前が書いたのか?」

と、子供とは思えない口調に大人の声色。

「…………」

と、真奈姉さんが呆気に取られているところに追撃する子供。

「この作品を描いた奴が知りたい! お主は知っておるか?」

と尋ねなられて、自分の趣味に合わせてくれている、彼の風評を悪くするなんてことはできずに、

「あの〜。それは私が描いたやつです……」

と、真奈姉さんは嘘をついてしまったらしい。
それを聞いたロリは本性を表して、

「そうか! いや、そうですか……」

と、ロリは今までの幼稚な態度を改めて、

「どうもはじめまして、私雷撃文庫の編集長をしております。幼川音菜と申します!」

ロリが服装を整えて丁寧な口調で名刺を渡してきたらしい。

そのあとはどうぞどうぞと言われ、席に座らせられ激しい勧誘が始まった。

俺の描いたエロ同人の良さをこれでもかってくらいに語り、どうしてもあなたに雷撃文庫のイラストレーターになって欲しいということだった。

真奈姉さんはロリに熱烈に勧誘されるものの、本当は自分で書いたものでもないので、受け入れることはなく、その場で丁重にお断りをしたらしい。

その日はエロ同人を持ち帰り、無事に帰ることができたのであるが……
次の日仕事が終わって帰ろうとした時に、何故か事務所の前にあのロリが待ち構えていたらしい。


「あ! これはどうも〜!」

「…………はい」

「昨日は偶然でしたね〜。昨日会った時は見覚えがあったのに思い出せませんでしたが……やっぱりあなただったんですね。相田真奈さん」

と、さすが国民的スターの知名度。
それに相手もかなりの権力を持つもの。
仕事の依頼といえば仕事場所くらいは教えてもらえるということで、ロリが真奈姉さんの周りを彷徨くようになった。

真奈姉さんは何度も何度も断っていたのであるが、ロリに不相応な鋼のメンタルで真奈姉さんの前へと何度も何度も現れた。

そして、あつきとエロ同人を呼んでいるタイミングの悪い時にロリが突如登場してしまったこと。

つまり、真奈姉さんはこれからの標的が篤樹になることを申し訳なく思って真剣な表情で謝罪をしたのである。

「なるほど……そういうことだったんですか……」

「うん……なるべくあつきには迷惑をかけないようにと思って行動してたんだけど……ひとの楽屋にノックもなく入ってくる人だとは思ってなかった」

「まぁ……確かに、俺も入ってきたのに全然気づかなかったからね……」

「はっはー! すごいだろ? すごいだろ!?」

と俺と真奈姉さんの会話を聞いてご機嫌になるロリであったが

「「褒めてない!!」」

と、2人の野次が飛んでいく。
だが鋼鉄のロリは些細なことは気にしないようで、

「お前の名前は佐藤篤樹だったよな?」

「はいそうですが……」

「ハハハ。やっぱりそうだったか……」

と、先程まで粗雑な様子だったロリ編集長は居住まいを直し、短い背筋をピーンと伸ばして、丁重な言葉遣いで、

「この場ではありますが、我々雷撃文庫編集部は正式にあなたをうちのイラストレーターになっていただきたいと思っております。
また後ほど正式な依頼を事務所の方に提出いたしますが、どうかお考えしてもらってもよろしいでしょうか。あなたの知名度や人気はもちろんのこと、私はあなたの絵に心を奪われました。あなたの絵なら売れる。私はそう確信しております。ですので、少しばかりお考えください」

と、コロコロと様子が変容する違和感極まりないロリは深々と礼をして楽屋を去っていった。

ロリが楽屋を出たあとは、

「はっはー! 愉快だぁあ!」

何で声が外から聞こえてきたのだが……

俺は真奈姉さんの楽屋でロリ編集長、幼川音菜に邂逅を果たし、雷撃文庫にスカウトをされる形となった。
ロリが出ていった後、残された俺と真奈姉さんは

「あつき……本当にごめんね……」

と、真奈姉さんが沈痛な面持ちで謝ってくる。

「いやいや……謝ることじゃないよ?」

「そう……」

それはそうだ。普通に考えたらこれはすごいことなはずだ。
雷撃文庫と言ったら有名な作家はもちろんのこと抱えているイラストレーターもかなりの粒揃いだ。
そこの編集長……ロリなのには多少問題はあるが、そんな人物から直々に声がかけられたのだから、イラストレーターを志す人からしたらかなりの大幸なことだろう。


「うん。これは真奈姉さんのおかげかな?」

俺は申し訳なさそうに暗い顔をする真奈姉さんを励ますためにも優しく微笑みかける。
と、そんな笑顔に救われたようで、

「……ふふ。あつきがいいなら良かった」

「じゃあ、お礼に何か一緒に食べにいこっか。今回は俺の奢りってことでさ」

「ほ、ほ、ほんと!?」

「あぁ。本当だよ! 真奈姉さんはどこに行きたい?」

「うーんとね〜じゃあ、回ってるお寿司にいきたい!」

と目をキラキラと輝かせてそんなことを言う。

一般人であるからここで言うのは回らないお寿司なのであるが、国民的スターとなると逆に回るお寿司に行くことの方が少ない。

まぁ、真奈姉さんも遠慮をして言ってるなんてことはなく、本心からそこに行きたいと思っているみたいで、

「わかったよ。じゃあ、そうしよっか」

と、2人で仲良く楽屋を出て、ある程度バレないように変装をして、地下に専属の運転手を読んで、近くのトラ寿司へと向かう。

何と安上がりな女の子なのだろうか。

トラ寿司で回るお寿司を堪能した後、専属運転手を呼びつけて、家へと帰っていった。


と、家に着いた俺はベットに飛び込むようにした横になった。
そこでふと一冊の本が目に入った。
その名のタイトルはというと、





















というものだった。



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