美女女神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社会でたくさんの嫁を娶りたい!

月風レイ

青年編 第34話 両手に華①

ピッピッピッピピピピピピピピピピ。

カチ。

「ふぁぁあ!」

俺はセットしておいた目覚ましを消して、うーんと伸びをして、出てきた涙をそっと拭き取り、立ち上がる。
今日は土曜日。いつもならば土曜日にやすみをもらえたら、布団でぐっすりとしていたい……
だが、今日は違う!
今日俺には大事なことがある!
そう、それは……デート!
しかも両手に花の状態でのデート……
ナツとアキの時はこんな気分にはならなかった……
てか、約束自体を忘れていたぐらいだし……
今回は違う……
それはなんたって、ふゆちゃんがいる!
それに美幸もある!
ふゆちゃんともナツとアキと合わせて、たまには会っていたのだが、それでもこのところは俺の仕事忙しい上に、ふゆちゃんも作家として忙しい日々を送っているらしい。
だが、そんなふゆちゃんと俺が一緒にお買い物だ。
美幸もいるのだが……
こんなこというと美幸には失礼になるから絶対に言わないけど……
美幸も好きだし、ふゆちゃんも好き。
でも、久しぶりってこともあって、ふゆちゃんと会えるっていう楽しみの方が大きい気がする……
こんなこと絶対に美幸には言えないんだが……
まぁ、可愛い子が何人居ようが俺は大いに結構。ウェルカム精神で行こうと思う。

美幸にもふゆちゃんがくることは伝えてある。
伝えた時は少しばかりがっかりしていたように思えたが、ふーちゃんならいいよってな感じでまとまった。

美幸には申し訳ないと思ってる……
最初に約束したのは美幸の方なんだし……
まぁ、今度また2人でのデートを用意してあげればいいかな。

俺はそんなデートのためにわざわざアラームを6時にセットしておいた。

寝起きの悪い俺があら不思議、魔法がかかったみたいにすんなりと起きれた。

俺はパジャマのまま風呂場に向かう。
俺はパジャマを脱ぎ、シャワーを浴びる。

俺は寝汗を40度のシャワーで洗い流し、髪をシャンプーで洗い、体を入念に洗い流す。
そのあとは、顔まわりの髭を剃刀で剃る……なんてことはしない……
あれ、たまに血が出ることがあるだろ?
だから俺はそんな遅れたことはしない……
じゃあ、何をするんだ?
って言えば俺はこうする!
師匠! お願いします!
そうするとあら不思議。さっきまでボーボーに生えていたお髭がなくなりお肌が綺麗にツルンとしちゃっています。

師匠は本当に有能だ。
なんでもこなしてくれる。
俺の想像力の限りに体を操作できてしまう。
それが師匠の能力だ。

俺は師匠の能力に今一度感謝をしてから、風呂をあがる。
そして、タオルで体についた水滴を拭い取り、着替えをする。

頭をドライヤーで入念に乾かして、髪はまだセットせずにリビングに向かう。

リビングに入ると、

「アツキ、おはよう! 今日は朝早いな」

「あぁ! 父さんおはよう! 今日はちょっとな……」

「あぁ、そうか! あんまりハメを外しすぎるなよ? お前は特に注目を浴びるんだからな!」

「あぁ、ありがと! 気をつけるよ!」

父さんは父さんとして、しっかりと俺に注意をしてくれる、俺はそんな父さんを鬱陶しいなんて思わず、父さんの優しさから滲み出る厳しさに感謝の気持ちを抱くのだった。
ちなみに父さんは土曜日なので今日は休みだ。
俺はかなり朝早くに起きてしまったたまに、リビングでユキを撫でながら暇を潰す。
そして、ようやく7時くらいに希が起きてきた。
「にいさま、おはようございます!」

「希もおはよう!」

「にいさま、今日はお休みなのに朝早いんですね。なんかあるんですか?」

「あぁ、ちょっとな……」

「あっ! にいさま! 女の匂いがします!」

やっぱり女の子って勘が鋭いんだな……

「あぁ、そうだよ! 今日はふゆちゃんと美幸と買い物に行ってくるよ!」

「えぇ〜! 羨ましいです! 私も一緒に行きたいです……でも、ダメです……私、友達と先に遊ぶ約束してしまいましたから……」

「そっか……じゃあまた今度な……それに帰りは楽しみにしといてくれ! いいもの買ってきてやるからな!」

「はい! また今度遊んでくださいね! それに楽しみにしてますね」

はぁ。いい妹だよな。可愛いし。

俺は妹と話したあと、まだ暇が続いたので、ユキを撫で散らかして、暇を潰す。

母さんも希の前には起きていて、朝ご飯を作って、みんなで食べたあと、そのまま仕事へと向かっていった。

8時半まで雑誌を読むなり、テレビを見るなり、ユキを撫でるなりして暇をつぶしたあと、洗面台へと向かった。

洗面台にて歯を磨いたあと、髪の毛をセットする。
ここで、またもや師匠の登場。
俺は前の人生で髪のセットなんて全くしてこなかったし、モデルの時もスタイリストさんが大抵やってくれる。
俺は私生活の時はどうするかというと、やっぱり師匠に頼む。
師匠を使うことのメリットはまずノンワックスでいけちゃう。
そして、スタイリスト顔負けの技術。
それに一瞬で終わると言う効率の良さ。

俺は髪のセットを終え、鏡の前で一度ポージングをとったあと、伊達眼鏡を掛ける。
いちよ、みんなにバレないようにするためだ。

そうして自分の身嗜みを確認したところにいいタイミングで彼女がきた。

ピンポーン♪

おそらく、彼女、鈴木美幸が来た。
俺は美幸に家に呼びにくるように伝えておいたので、きっと美幸が来たんだろう。

俺は用意を完全に済ませ、外へと出る。
とそこには、予想通り、みゆきがいた。

「おはよう。あっちゃん。なんだか今日はいつもよりかっこいいね。テレビに出てる時のあっちゃんみたいだね」

外に出ると美幸がそんなことを言ってくれた。

「美幸もその……スッゲェ可愛いと思うぞ!」

外に出た瞬間に現れたのはいつもはポヨーンかホワーンとしている彼女が光り輝く姿。

彼女は白色のブラウスに白地に青い花柄の付いたスカート。
ブラウスは夏でも過ごしやすそうにスケスケ感があり肌の色が少しだけ見えている。
俺はそんな清楚でもあり色っぽくもある美幸の姿に釘付けになってしまった。

「あっちゃん……見過ぎだよ……」

「あ! ごめん……つい、な」

「まぁいいけど……じゃあ行こっか」

言葉とは対照的に美幸の声色は明るく、足取りも軽やか。

俺はそんな美幸と肩を並べて歩いていく。
向かう先はよもぎ商店街。
よくおばあちゃんがトラブル場所だ……
今日は何もないといいのだが……

俺たちはたわいのない会話をしながら、楽しく街中を進んでいく。
そして、ようやくよもぎ商店街の大門に辿り着いた。

そして、そこに彼女がいた。
銀髪の髪に碧色の瞳。今は前髪もちゃんと切り揃えてある。長さはセミロングくらい。
服装は白色のタンクトップに青色のジーンズ。
予想では水色のワンピースだったんだけど。
あえて外してきたのか、少しばかりボーイッシュな感じがしなくもないのだが……
彼女の透き通るような肌にギャップを感じて胸がときめいてしまう。
そんな彼女がこちらに気付いて、

「あつきくん! 久しぶり♪」

うわぁっ もうダメ……
キュンキュンしちゃう……
可愛い……

そんな俺の様子を見たのか、美幸が俺にジト目を向ける。

あぁ、これはいかんいかん。

「ふゆちゃん、久しぶり!」
「ふーちゃん、おはよう!」

「美幸ちゃんもおはよう!」

俺たちは挨拶を済ませ、

「じゃあ、行こうか!」

俺の言葉で両手に華デートが幕を上げる。


*デート場所をよもぎショッピングモールからよもぎ商店街に変えました。すみません。


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