美女女神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社会でたくさんの嫁を娶りたい!

月風レイ

青年編 第9話 氷姫

キンコーンカーンコーン。
授業の終了のチャイムが校内に鳴り響いた。

「ふぅ。疲れた〜」

前の智也が手を組みうーんと伸びをしてそんなことを言った。

「なぁ、とも。少し聞きたいことがあるんだがいいか?」

「あぁ。いいけどどんなことだ?」

「そのだなぁ。この学校に水色の髪で水色の瞳をした女子生徒のことを教えてほしいんだが……」

「……水色の髪に水色の瞳だと?」

「あぁ。本が好きそうな人なんだが……」

「お前、氷姫のことを知らないのか?」

「氷姫?」

「あぁ、この学校ではかなり有名だぞ!」

「そうなのか! じゃあ教えてくれ!」

「あぁ……教えるのはいいが……近づくのはやめたほうがいいぞ」

「まぁ。そこは話を聞いてから考えるよ」

「でも、俺も直接関わったことはねぇ。俺が知ってるのもただ聞いた話だ」

「あぁ。それで構わない」

「彼女の名前は氷堂時雨(ひょうどう しぐれ)
俺らの一個上の先輩だ」

「先輩なのか?」

「あぁ。彼女の二つ名は氷姫(こおりひめ)だ」

「高校生で二つ名がつく人なんているんだな……」

「続けていいか?」

「あぁ。すまん……」

「氷姫の由来はその性格にある。氷姫の容姿を見ればわかると思うが、かなりの美人だ。
水色の髪に水色の瞳なんて滅多に拝めないしな」

「さっき見た時はあまりにも綺麗な眼だったから瞳しか見れなかったな……」


「見たのなら話が早いな。それで、氷姫を見て惚れる男は多い……だが、氷姫に想いを寄せ、氷姫にアプローチした人物に無事だったものはいない……」

「…………どういうことだ?」

「彼女は大の男嫌いだ……」

「彼女にアプローチした男たちは彼女の口撃によって、精神をズタズタに引き裂かれる……それでついたのが氷姫だ」

「なんだよ……そんな人がこの学校にいたのかよ……」

「あぁ。男子たちには要注意人物として知られているが、そんな孤高の存在の彼女に憧れる女子たちは多い。女子からはかなり人気の先輩だな」

「そうなのか……ありがとな! 色々と教えてくれて」

「あぁ……でも俺は忠告しとくぞ? 彼女には近づかないほうがいい!」

「忠告ありがとな! 親友!」

まぁ、俺は忠告は無視するタイプなんだけどな……

「あぁ! じゃあ、俺は帰るからよ! 親友!」

「じゃあな!」

俺は親友の智也と別れを済ませた。


「よし! いっちょ行ってみるか!」
と独り言を呟きながら、教室をでたところ、1人の人物に遭遇した。

「あっちゃん! どこに行くの?」

「あぁ……なんだよ? 聞いてたのかよ!」

「うん。おもっきり独り言言っちゃてたね」

「うるせぇよ!」

「そんな怒んなくてもいいのにね」

「それでこんなところになんのようだ?」

「それはもちろんあっちゃんと一緒に帰るためだよ!」

「あぁ……そうか。そういえばいつも一緒に帰ってたな」

「なになに? 忘れちゃってたの?」

「あぁ……少しな……美幸、今日はすまん! ちょっと確認したいことがあるから先帰っててくれないか?」

「えぇぇ! せっかく待ってたのにね……」

「……ほんと、ごめん! 今度必ず埋め合わせをするから……」

「ふぅーん。今聞いたからね。ちゃんと!」

「あぁ、また今度内容については決めよう」

「うん。わかったよー。何があるのかわかんないけど、気をつけてね」

「あぁ。じゃあまた今度な!」

「うん! あっちゃんバイバーイ」

俺は美幸とも別れを済ませ、本来の目的の場所へと向かう。
俺が向かうのはこの学校の図書室。
水色の髪に水色の瞳の彼女がいるかはわからないのだか、手掛かりは彼女が本を持っていたこと、ただそれだけだ。
だが、一度は行ってみる価値はあるだろう。

俺は女子生徒たちに手を振りながら、廊下を通り、図書室のある三階に階段で登っていった。
そして、図書室の扉の前に来た。

じゃあ、彼女がいるのかとりあえず確認してみるか……いればいいんだけど……

ガラガラガラ。

俺はゆっくりと扉を開け、中へと入っていった。
俺の学校の図書室の蔵書はかなり多い。
確か10万冊って言ってたような気がする。
あらゆるジャンルの本があって、本好きにとってはとてもありがたい場所なのだろう。
図書室内はどこか埃っぽい匂いと紙の匂いが充満していた。
放課後ということもあって見た感じ図書室には誰もおらず、静まり返っていた。

俺はそのまま図書館内を回っていたところ、ある場所にたどり着いた。

図書室の奥にある蔵書庫だ。その扉は何故だか少しだけ開いていた。

俺はその扉を開けて中へ入っていった。

ぎぃぃぃ。

扉はかなり古くなっていて、開くときにかなり古びた音が鳴る。

蔵書庫は窓がないせいか、少しばかり薄暗かった。

そして、そこに彼女はいた。

水色の髪に水色の瞳。氷堂時雨。

俺が入ってきたことにも気付かず、彼女は蔵書庫の脚立のところに座って、本を読んでいた。












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