美女女神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社会でたくさんの嫁を娶りたい!

月風レイ

園児編 閑話 人助け

よもぎ保育園から歩いて15分程度の商店街にて。時間帯はだいたい11時半くらい。


俺、佐藤篤樹はうんちマンの姿で商店街を歩いている。
今、うんちマンこと俺はすごく良い気分だ。

爽やかな風に、キラキラと輝く太陽、そこに照らされるのはこの俺。うんちマンである。
うん、全然かっこよくない……

俺はせっかくの良い気分をうんちマンという自分の姿をみて、少しばかり気分を落ち込ませるのであった。

なぜ、今お前はうんちマンになっているのかって?
しょうがないなぁ。答えてあげよう。

俺はわがまま少女、アキを攻略するために、アイツの大好きなうんちになるべく、うんちマンへと変身した。

そして、アキちゃんの攻略は俺の巧みな作戦はよって無事に成功した。

攻略を終えた俺は帰路へと着こうとした……

だが、しかし! 本当に俺はこのまま帰ってしまって良いのだろうか……

俺は6歳に戻ってきてからというもの、自分の自由な時間がなかった。


家にいればお母さんの目があるし、保育園にいれば先生たちの目もある。

ならば俺はいつ自由になることができるのだろうか……

そう! 今しかない!

俺は魔がさしたみたくそんな考えに至るのであった。


だが今の俺の格好はうんちマン……
流石にうんちマンの姿で商店街を歩くのはかなり目立ってしまうので、俺は近くの公衆トイレへと駆け込むことにした。

おい! そこのきみ! お前はあるべきところにようやく落ち着いたな! って思っただろ? うんちがトイレに行く、そして流される、これが世の説だ! なんて思っただろ?

別にいいもん…………

俺は一人すねながら……ってことは置いといて、

俺は個室へと駆け込み、姿を変えた。

あまりにイケメンにしすぎるとかえって目立ってしまって、逆に自由に動けない。

そう思った俺は、前の人生の顔立ちと体つきにしたのである。

つまり、平凡な容姿へと姿を変えた。


俺はそうして、商店街の散策をスタートさせた。

時間は限られている。
だから、俺は少しでも時間を無駄にはできない……

そう思っていた矢先……


バタンッ!


アイツが元気よく活動してしまった……

それは何か…………

【称号:トラブルメイカー】こいつがビンビンに今日も活動している。

俺の目の前で50代後半くらいのお婆ちゃんが急に倒れてしまったのである。

俺はすぐにそのお婆ちゃんの元へと駆け寄った。

「おばぁちゃん! おばぁちゃん! 大丈夫ですか?」

「…………」

おばあちゃんの返答がない……

そして、俺は次におばあちゃんの呼吸を確認した。

呼吸はある……だが、意識はない……

俺はすぐさま救急車を呼ぶために、赤い服を着た女性に119番通報の指示を出した。

これ大事! しっかりとあなたはこうしてください! と伝えることは緊急時には必要なことだよ! じゃないと場が混乱してしまうからね


そして連絡してから5分後になってようやく

ピーポーピーポーピーポーピーポー

救急車の音がどんどん音が高くなって、聞こえて来る。

これはね、ドップラー効果っていうんだよ

そして、救急車が到着した。

おばあちゃんを担架に乗せ、救急車へと載せる。

救急隊員に事情を教えるために、俺も救急車へと乗り込んだ。

救急車は信号を無視して道を突き進む。
モーセの行進の如く、車が左右へと分かれその間を抜けていく。


そして、近くの病院へと俺とおばあちゃんは搬送された。



俺はおばちゃんの容態が気になっていたので、待合室で待っていた……

おばあちゃんは1時間くらいで意識を取り戻し、検査へと向かった……

そこで、思わぬ出来事が……

現実では絶対に起こらないよ。こんなこと。




「すみません。いまお時間よろしいでしょうか?」
綺麗な看護師さんが俺にそう話しかけてきた。

うおぉ。看護師さんっていい! よし! いつか看護師さんも嫁にしよう

「えぇ! もちろんです」


いつでもウェルカムですよ〜! 綺麗な看護師さんなら!

俺は綺麗な看護師さんに連れられて、小さな診療室へと来ていた。


そこには綺麗な看護師さんと俺の二人だけ……


え!? これってまさか!? 看護師さんと……!?


ガラガラガラ

はい……そうでしょうね、そうでしょうね……そんな幸せなイベントは起こり得ませんよね……

「お待たせしました」

白衣を着た、空気の読めない爺が入ってきました。


お前のせいで……俺のハッピーイベントが……

「どうも! 用件はなんでしょうか?」

俺は爺に対する苛立ちを内面に押し殺し、
優しい口調で医師らしき爺に用件を尋ねた。


「それはですね〜」

爺が語り始めた……この爺の話はすごく長かったので割愛するが、話した内容はこうだった。


先程、搬送してきたお婆ちゃんの治療、そして手術には沢山の血液が必要なのこと。
そして、彼女の血液がとても珍しく、彼女に合う血液がこの病院にはないらしい。
そして、爺は俺にダメ元で尋ねてきた。

うん! こんなのありえない! あってはならない! こんなご都合主義なイベント! でも……

「そのお婆さんは何型なのですか?」

「えーっと。○型です。」

やっぱり、個人情報には配慮しないといけないからね。ここで血液型なんてどうでも良いしさ。ね! だから許してね

「あぁー。では僕と一緒ですね。良ければ僕の血液を提供いたしますよ」

そんな偶然があるはずがない。そう反論したいあなた! そうです! あなたが正しい!

ここで俺がなぜこう答えたのか。
それはお察しの通り、俺には頼れる師匠がいるからです。

ししょう! じゃあ、お願いしますね!

こうして、俺は血液をおばあちゃんに合うように書き換えた。


そして俺は自分の血を提供した。




そして、あまりの適合度に爺もビックリした様子。

完全にカツラが取れかかっている……




こうして、俺は倒れたおばあちゃんへ血液を提供するのであった。

献血は大事だよね! 若いうちに行っておこうね!


おばあちゃんは意識は取り戻しており、そんな俺を神を見るかのごとくに見つめているのであった。



これはきっと敬愛ってやつかな?


そのお婆さんの名は、玉木 芳枝(タマキ ヨシエ)、俺はこの時はまだ、このおばあちゃんが俺の嫁になるとは思いもしなかったのである。

          

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