観相師・景春
歴史

連載中:3話

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観相師・景春

  • あらすじ

     秀吉の北条攻めの際、圧倒的な軍勢が北条方の上九沢城に向かっていた。上九沢城主の景春は、無駄死になるので城を明け渡そうとした。しかし徹底抗戦するという機運になり、指揮権は長男の景元に移った。観相術に長け武将には向いていない景春は、妻の久代たちと城を出ることになった。北条攻めが終わる頃、観相学に造詣が深い真田方の長野原城主の湯本善光が招かれることになった。そんなある日、空から得体の知れないものが領内に落ちた。探索に乗り出した景春は、金属質の虫を発見し、その虫にとりつかれ寝込むが、以前よりも元気になって回復した。秀吉の死去を経て、関ケ原の合戦が迫り、景春は江戸に避難することになった。江戸では、真田の残党とされ襲撃を受けるが撃退した。それが元で、景春は江戸城南郭の御文庫に幽閉され、久代と次男・景親は、江の島に逃れた。景春は、御文庫の書物が読めるものの、徳川家に仇なす人物の観相をする役目を負わされた。大坂の陣が収束し、景春は一時的に幽閉を解除され、江の島に向かうが、愛する妻の久代は亡くなっていた。ショックだった景春は、自分は死んだことにした。数年、江の島で暮らすが、観相術や書物が読みたくなり、自分の三男を装って御文庫に戻った。ところが家光が将軍職を継ぐ頃にお役御免となった。景春は、口入屋を始めるが、観相のお役目はやらされていた。島原の乱を経た頃、見世物小屋で切断した手がつながるお由を目にした。景春は、指を斬り落とした時に自然に生えてきたので関連性があると思った。お由は、永遠の命を持ち生き地獄から解放されるために火あぶりの刑になった。お由の亡骸から金属質の虫が出てきて、景春も永遠の命だとわかった。数年後、江戸で大火が起きた。景春の店も焼かれ、瀕死の女中のお志奈とその娘お咲とともに死のうとしたが、久代の声がして、我に返り、生きる決心をした。お志奈に託されたお咲と店を再建し始めることにした。
     
     

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