先輩と付き合うのは無理ゲーすぎる

マイナスイオン

最終話 未来へ続く

  翼 
……
 きっとこれでよかったんだ思う。俺はこの公園に来るつもりはなかった。真剣に向き合えばきっと颯汰さんが答えてくれると思ったから。


 ただ、壊すといった人だ。何か起きては困る。その一心で俺は公園へと急いだ。
 その後、彼の最低さを見に染みて確認、殴り合い、最後は神楽坂先輩と颯汰さんの中で解決して今に
至る……


 今現在、颯汰さんが去った後、俺は振られた相手と2人きり、、実に気まずい。好きな相手に重いと言われて振られた先輩、その先輩に我慢できず好きと
いってしまって振られた俺。


 ……なかなかカオスな空間だとおもう。


「神楽坂先輩、なんか助けに来たはずが最後いい感じになっちゃって、気まずいですよ!まあ、でも先輩が無事でよかったですけど」


  なんとか会話をしたかった俺はそう切り出した。きっと笑顔は作れてないけどこの沈黙はいやだったし……






「ねえ、藤倉。私って重かったのかな?」


 開口1番、お礼でも罵倒でもなくそう聞いてきた
先輩。




「どうなんでしょうね、重いと感じるか軽いと感じるかは人それぞれですし……でも、僕は話聞いてて、もし自分が彼氏なら愛されてるって感じで嬉しかったと思いますよ!」




 きっと、俺が言った答えは在り来たりだったと思う。それでもそれは俺の本心だし、彼女の颯汰さんへの思いは男の俺が少し妬けてしまうくらいだった。
まあ彼女のことが好きだから仕方がないことだと
いえばそうだが……




「私、ずっと年上の人が好きだったの。ずっと自分の子供っぽいところが嫌いで、だから周りの先輩たちといると自分も大人になれるような気がして......だから頼り過ぎていたのかなぁ、だから先輩なら誰でもいいって勘違いされたのかもしれないのかもね……」




 面と向かって、なぜ年上が好きだったのかを言われたのは初めてだった。それに先輩からこんなに話してくれるのもいつぶりだろう?




「でも、年上に頼りたくなる気持ちも分かりますよ。身近で自分のこと理解してくれてる人って感じがして、頼ってるうちに好きになるんですよね、、」




 神楽坂先輩の気持ちすごくわかる。だって、先輩のこと好きになった時と気持ちが被っているから……




「私ね、きっとこれからも自分が頼れる人を好きになると思うの。まだまだ私子どもっぽいし自分に余裕がないから」






 ……きっとこれが俺の告白に対する神楽坂先輩の答えなのだろう。子供っぽい私よりさらに子どもな俺 とは付き合えないということで間違い無いであろう。でも俺はこうして答えを出してもらえただけで十分だ。




 さよなら、俺の恋心……


 やっぱり、俺が先輩と付き合うのは無理すぎたのだ。こんなの何回コンテニューしてもクリア
できない。いわゆる無理ゲー……




「ねえ!藤倉?なんで暗い顔してるのよ?それになんで人が話してるのにブツブツ言ってるし何立ち去ろうとしてるの?」




「えっ?いや、だって、、いま先輩が俺のこと振ったから家に帰って1人で傷心しようかと..」


「私、今1回も好きも嫌いも言ってないんだけど?まあ別に藤倉のこと好きではないけど?」


「ほら~、今言いましたよ?好きじゃないって!世の中ではそれを振るって言うんです~」


 そう俺が言うと、先輩は真剣にこう言った。


「颯汰くんが私のこと色々言ってたけどそれを聞いて今でも私のこと好きって言える?」


「付き合えるか付き合えないかを置いといて、俺は神楽坂舞香さんのことが好きです!」


「そう……やっぱりこうして面と向かって言われると恥ずかしね!そうかぁ、好きかぁ」


 そう言い終わると、先輩は不敵な笑みを浮かべた。その笑みはなんだ?もしかしてワンチャン付き合ってもらえるとか、、?


「私ね、さっきも言ったけどやっぱり頼れる年上の人が好きなの」


 またそれか~い、俺はズッコケそうになる。
  ちょっとでもチャンスあるんじゃないかと思った
のが恥ずかしい。今の俺は一回振られてるのだから
もう何回でも来いって感じだ。


「私ね、ずっと先輩は頼れないといけないと思ってたし、颯汰くん、元カレにもそう言ってきたから……
でも、藤倉を見て頼れるか、頼れないかって年齢じゃないのかなって....」




 そう思ってくれただけで十分だ。俺は神楽坂先輩を助けたい一心でそんな余裕なかったけど先輩がそう思ってくれたのならそれで満足だ。




「だからね、もっと藤倉のこと教えて?これは私のわがままだけど、やっぱり頼れる人が今は好き!だから、私が頼れる人になってもう一回告白してきてくれない…?
ダメ、、かな?」


 か、可愛い……何が氷の女王だよ、
 女神じゃねえか!……




 いや、出てくる感想が違う。先輩の話をまとめると今はまだ俺のこと知らない事もあるから保留、俺が頼ってもらえるようになったら告白をしてか、、先輩らしいといえばそうかもな。




「じゃあ、遊んでくれたりとかも?」




「もちろん!じゃないと藤倉のこともっと知ることできないじゃん」


 そう言う先輩、そんなこと言われたら俺もう頑張るしかないじゃん。




「絶対先輩のこと、おとしてみせますから!」




「期待してるぞー、ボロボロになりながらも助けてくれたんだからね」


  その顔にまた俺が余計に惚れそうで、神楽坂先輩を逆に惚れさすなんてできるのか??


そんなことを思いながら俺はまだまだ続く夏休みが神楽坂舞香と過ごせることに喜びを感じていた。




 やっぱり先輩と付き合うのは無理ゲー....いや、
 頑張ればきっとなんとかなることもある。
  


いつか絶対神楽坂舞香を振り向かし、そして
 先輩と付き合ってやる!俺たちの物語は
 これからがスタートなのだ。


                                                                                       ......Fin

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