先輩と付き合うのは無理ゲーすぎる

マイナスイオン

第13話 疑心

 私は玄関に着くや、安心感からかさらに涙が止まらなくなってしまった。ダメ、遥姉ちゃんにこんな姿見せられない。


  「おかえり~!デートどうだった?」
  
 タイミングが悪い……私の様子がおかしいことにどうやらお姉ちゃんも気づいてくれたみたいだ。


「おいで!まいか、私は何があったか聞かないけど辛かったね!思いっきり泣いてもいいんだよ?」




 私は本当は遥姉ちゃんに全て言いたかった。
 だけど、まだ颯汰くんのことを信じたい気持ちが私にはあった。ここで話したら……心配性の遥姉ちゃんだ、きっと、颯汰くんとは会わせてもらえなくなる。




「ぐすっ、遥姉ちゃん。私大丈夫だから」


 そういい、私は遥姉ちゃんの胸から顔を上げ、自分の部屋へと
戻った。


 私は、もう一度……彼の、颯汰くんの気持ちを……聞きたい。


『今日はいきなり帰ってごめんなさい、急だからびっくりしちゃいました。颯汰くんはあんなことがしたくて優しくしてくれてたの?』




 彼の素直な気持ちが聞きたい、そう思った私はストレートな言葉を彼に送った。






 ピロン!私は祈りながら……携帯を見た。






『まいかちゃん今日はごめんね、つい可愛かったからあんなことしちゃったよ、、本当に 今日は一緒に高校時代を振り返りたかっただけなんだ、本当にごめん!』


 い、いつもの颯汰くん?でも……


『本当に?もうあんなことしない?信じていいの?』


『信じて大丈夫だから!俺はまいかちゃんこと好きだから!』


 そっか、私のこと好きなんだ……
 もう一度だけ信じてもいい、よね??


『わかった!私も今日はごめんね、颯汰くんもあんなことしない
でね、私ももう帰ったりしないから』


『は~い!またデートに誘いま~す』


 携帯越し、今颯汰くんはどんな表情をしてるのだろう。許すって言った途端口調戻るし、でも!私は信じるって決めたから……





コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品