先輩と付き合うのは無理ゲーすぎる
第12話 デート
「ねえ、颯汰くん、どこ行くかそろそろ教えてほしいなぁ」
「ったくもう、まいかちゃんはせっかちだなぁ~、もうそろそろ着くからさ!」
 
そういい、なかなか教えてくれない。あれ?
ここの道ってもしかして……
「その顔はやっと気づいたかな~?そう、俺が、
いや俺たちが通ってたバッティングセンターだよ!」
私は言葉が出なかった。てっきり今の感じの
颯汰くんだったらお洒落なレストラン!どやーって感じかと思ってた。私との思い出、ちゃんと覚えててくれたんだ……
「ほら、まいかちゃん喜ばそうと思ったのに
その顔はなしだよ~!まいかちゃんとはこの場所での思い出多かったからまた行きたかったんだよね~」
そう、颯汰くんが高校3年生、私が1年生だった頃、彼は野球部でひたすら甲子園を目指していた。バイトする暇もない、だからどっか遊びに行くお金もなかった。だから、オフ日があればデートと練習を兼ねて、このバッティングセンターに来ていた。
「颯汰くん、覚えててくれてたんだ……
ありがとう!」
「せっかく来たんだから湿っぽいのな~し!
ほら、まいかちゃん行くよ!」
やっぱり颯汰くんは颯汰くんだった。
本当に良かった……
「ねえ!久しぶりに颯汰くんのバッティング
見たいなぁ~」
「よーし任せとけー!」
…………
カッキーン!
 
本人は鈍ってるから!とか言いながらも、白球はあの頃と同じようにネットを切り裂くよう真っ直ぐ飛んでいった。
「やっぱり颯汰くん、流石だね!」
「だろ~!ほら、まいかちゃんも打とうぜ!」
そういい、後ろから抱きつくような形で、
「ほら、こう持って、そうそう、グリップは……」
まるであの頃を再現するかのようで、
「もう、、そんなにくっつかれたら恥ずかしいよ」
 「あの頃と変わらず、まいかちゃんは純粋
だね~!あっ、今!その構えで打ってみて!」
コンッ!
バッターボックスに入った私が言われた通り振ると、バットにボールが当たった。や、やった!あの頃は1回も当たらなかったのに……
「ナイスバッティング~!あの頃を思い出してくれたなら次はどこ行くかわかるよね?」
そう、2人でバッティングセンターに行った後、
夕陽を見ながら近くの公園で、
“今日も1日お疲れ様でした!かんぱ~い!”
こんなことしてたなぁ、、てことはもしかして?
    「そう!あの公園にいきま~す」
 
    「いえーい~!」
 あっ、いつのまにか私も颯汰くんに混ざって
口調が、、?
 「ほら、ノリが良い方が楽しいよ!公園に〜
レッツゴー!」
きっと颯汰くんは、あの頃とは違う形で私の
ことを思って、支えてくれてるのかな。
「よーし!早く颯汰くんいこ~!」
私は颯汰くんの手をにぎり、公園に駆け出した。
 公園はあの頃のまま、何も変わらず残って
おり、その景色をみると胸が熱くなる。
「ちょっとまっててね、まいかちゃん」
「あっ、」
そういい、颯汰くんは繋いだ手をほどき、
向こう側に走っていった。少し寂しい気もしたが、これから彼が何をしようとしてるか
わかってるから、それが嬉しかった。
「まいかちゃーん、いっくよー!それっ!」
そういい、缶ジュースを投げてくる彼、
やっぱり!2人で乾杯だね!いや、でも!
「炭酸投げたらふきでるでしょっ!!」
 「いいじゃん、いいじゃん楽しも~!」
 「ほんとにー、颯汰くんわぁ……」
     「まあまあ、気を取り直して~」
    「「かんぱ~い!!」」
…………
「いやー楽しかったねー、なんか俺も高校時代戻ったみたい
だったよ」
そういい、笑いかけてくる颯汰くん。
「まあ、私はまだ高校生だけどね~」
「普段は落ち着きすぎてて、見えないけどな~」
他の人から見たら痴話喧嘩のような、でもそんな何気ない会話が嬉しい。
「よしっ、今からおれんちいくぞ~、まだ招待したことなかった
もんな!」
「えっ?でも……」
 「大丈夫!大丈夫!家でゆっくり昔話でもね?」
せっかく昔を取り戻したのだから、ここで気まずくなんてなりたくなかった。
「うん、いこっ!」
「俺の家とうちゃーく!どうぞ入って!」
私はびっくりししてしまった。颯汰くんこんな家に住んで
たんだ。庭まであるし、、えっ、
お城?いや、お城は言い過ぎかもしれないが洋風の豪華な建物が
そこにはあった。
「すごい、家だね……」
「そんなことないよ~まあでも友達とかに
冷やかされるの嫌だったから見せたことなかったけどね~、まいかちゃんが来客第1号~」
そうなんだ、、私が初めてなんだ。なんだか少し嬉しい。
「ちなみにまいかちゃんのはじめても頂いちゃうけどね~」
「ん?颯汰くんなんか言った?」
「なんでもないよー、遠慮せず入って入って!」
なにか呟いたような気がしたけど……
まっ、いいか!
中に入ると中の豪華とは比例せず、中には誰もいなかった。
「今日は誰もいないよ〜!2人になりたいからね〜」
そうなんだ、2人の時間を大事に……
そんなことを話していると颯汰くんの部屋に
着いたみたい。
「ほら、まいかちゃーん!俺の部屋へようこそ~!」
某ネズミが主役のランドのような口調で出迎えてくれた。いや、さっきまで一緒に歩いてたんだけどもね。
そこからは高校の時の思い出話、一人暮らしの話、大学の友達の話、どれもたわいもない、
だけど2人にとっては知らない時間を埋めるような時間だった。ただ1つ教えてくれないのは別れる理由となったやりたいこと、それだけは颯汰くんから教えてはくれなかった……
「ねえ、あの時言ってたやりたいことっ、
きゃっ!」
私が聞こうと思ったその時、いきなり颯汰くんが上に被さってきた。
「そんな話はいいんだよ、ねえ舞香、どうして今日ワンピースを着てくるよう言ったかわかる?」
えっ?呼び方は舞香に戻りこの状況、
ねえ、颯汰くん、どうしたの?
「まじかぁ、わかんないならいいや 」
 「な、なんで?」
「脱がせやすいからに決まってんじゃん可愛い
 からってのもあるけどねっ!」
と言って笑う颯汰くん。
はじめてこんな颯汰くんを見てしまった。
「や、やめて!私、今日は普通に颯汰くんとお話しするだけでよかった。それに、私はそういうのしたことないし心の準備も……」
「だから、さっき初めてもらうって言った
じゃん」
さっきまでと違って口調が怖い……
もしかして、今日はこれが目的?私の頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。でもとにかく、
今はここから逃げなきゃ!私は襲われる!!
「颯汰くんわかった。一旦落ち着くから降りてくれる?」
「仕方ないなぁ~、まあはじめてだし仕方
ないか」
そういい、颯汰くんが私から降り、離れた
瞬間、私は駆け出し、部屋を出た。
「お、おい!舞香、まて!」
颯汰くんが慌てたようだったが、わたしは夢中で
家を出て、ひたすら走った。
走りながら、私は目から涙が溢れる。
今日は本当に夢のような日だった。昔のようにバッティングセンターに行って、
公園に行って、2人で話して、
だけど、今の颯汰くんを……豹変してしまった颯汰くんを、私は、知らない……
きっと何かの間違いなんだ、私はひたすら今日のことを忘れるように走り、家へと帰った。
「ったくもう、まいかちゃんはせっかちだなぁ~、もうそろそろ着くからさ!」
 
そういい、なかなか教えてくれない。あれ?
ここの道ってもしかして……
「その顔はやっと気づいたかな~?そう、俺が、
いや俺たちが通ってたバッティングセンターだよ!」
私は言葉が出なかった。てっきり今の感じの
颯汰くんだったらお洒落なレストラン!どやーって感じかと思ってた。私との思い出、ちゃんと覚えててくれたんだ……
「ほら、まいかちゃん喜ばそうと思ったのに
その顔はなしだよ~!まいかちゃんとはこの場所での思い出多かったからまた行きたかったんだよね~」
そう、颯汰くんが高校3年生、私が1年生だった頃、彼は野球部でひたすら甲子園を目指していた。バイトする暇もない、だからどっか遊びに行くお金もなかった。だから、オフ日があればデートと練習を兼ねて、このバッティングセンターに来ていた。
「颯汰くん、覚えててくれてたんだ……
ありがとう!」
「せっかく来たんだから湿っぽいのな~し!
ほら、まいかちゃん行くよ!」
やっぱり颯汰くんは颯汰くんだった。
本当に良かった……
「ねえ!久しぶりに颯汰くんのバッティング
見たいなぁ~」
「よーし任せとけー!」
…………
カッキーン!
 
本人は鈍ってるから!とか言いながらも、白球はあの頃と同じようにネットを切り裂くよう真っ直ぐ飛んでいった。
「やっぱり颯汰くん、流石だね!」
「だろ~!ほら、まいかちゃんも打とうぜ!」
そういい、後ろから抱きつくような形で、
「ほら、こう持って、そうそう、グリップは……」
まるであの頃を再現するかのようで、
「もう、、そんなにくっつかれたら恥ずかしいよ」
 「あの頃と変わらず、まいかちゃんは純粋
だね~!あっ、今!その構えで打ってみて!」
コンッ!
バッターボックスに入った私が言われた通り振ると、バットにボールが当たった。や、やった!あの頃は1回も当たらなかったのに……
「ナイスバッティング~!あの頃を思い出してくれたなら次はどこ行くかわかるよね?」
そう、2人でバッティングセンターに行った後、
夕陽を見ながら近くの公園で、
“今日も1日お疲れ様でした!かんぱ~い!”
こんなことしてたなぁ、、てことはもしかして?
    「そう!あの公園にいきま~す」
 
    「いえーい~!」
 あっ、いつのまにか私も颯汰くんに混ざって
口調が、、?
 「ほら、ノリが良い方が楽しいよ!公園に〜
レッツゴー!」
きっと颯汰くんは、あの頃とは違う形で私の
ことを思って、支えてくれてるのかな。
「よーし!早く颯汰くんいこ~!」
私は颯汰くんの手をにぎり、公園に駆け出した。
 公園はあの頃のまま、何も変わらず残って
おり、その景色をみると胸が熱くなる。
「ちょっとまっててね、まいかちゃん」
「あっ、」
そういい、颯汰くんは繋いだ手をほどき、
向こう側に走っていった。少し寂しい気もしたが、これから彼が何をしようとしてるか
わかってるから、それが嬉しかった。
「まいかちゃーん、いっくよー!それっ!」
そういい、缶ジュースを投げてくる彼、
やっぱり!2人で乾杯だね!いや、でも!
「炭酸投げたらふきでるでしょっ!!」
 「いいじゃん、いいじゃん楽しも~!」
 「ほんとにー、颯汰くんわぁ……」
     「まあまあ、気を取り直して~」
    「「かんぱ~い!!」」
…………
「いやー楽しかったねー、なんか俺も高校時代戻ったみたい
だったよ」
そういい、笑いかけてくる颯汰くん。
「まあ、私はまだ高校生だけどね~」
「普段は落ち着きすぎてて、見えないけどな~」
他の人から見たら痴話喧嘩のような、でもそんな何気ない会話が嬉しい。
「よしっ、今からおれんちいくぞ~、まだ招待したことなかった
もんな!」
「えっ?でも……」
 「大丈夫!大丈夫!家でゆっくり昔話でもね?」
せっかく昔を取り戻したのだから、ここで気まずくなんてなりたくなかった。
「うん、いこっ!」
「俺の家とうちゃーく!どうぞ入って!」
私はびっくりししてしまった。颯汰くんこんな家に住んで
たんだ。庭まであるし、、えっ、
お城?いや、お城は言い過ぎかもしれないが洋風の豪華な建物が
そこにはあった。
「すごい、家だね……」
「そんなことないよ~まあでも友達とかに
冷やかされるの嫌だったから見せたことなかったけどね~、まいかちゃんが来客第1号~」
そうなんだ、、私が初めてなんだ。なんだか少し嬉しい。
「ちなみにまいかちゃんのはじめても頂いちゃうけどね~」
「ん?颯汰くんなんか言った?」
「なんでもないよー、遠慮せず入って入って!」
なにか呟いたような気がしたけど……
まっ、いいか!
中に入ると中の豪華とは比例せず、中には誰もいなかった。
「今日は誰もいないよ〜!2人になりたいからね〜」
そうなんだ、2人の時間を大事に……
そんなことを話していると颯汰くんの部屋に
着いたみたい。
「ほら、まいかちゃーん!俺の部屋へようこそ~!」
某ネズミが主役のランドのような口調で出迎えてくれた。いや、さっきまで一緒に歩いてたんだけどもね。
そこからは高校の時の思い出話、一人暮らしの話、大学の友達の話、どれもたわいもない、
だけど2人にとっては知らない時間を埋めるような時間だった。ただ1つ教えてくれないのは別れる理由となったやりたいこと、それだけは颯汰くんから教えてはくれなかった……
「ねえ、あの時言ってたやりたいことっ、
きゃっ!」
私が聞こうと思ったその時、いきなり颯汰くんが上に被さってきた。
「そんな話はいいんだよ、ねえ舞香、どうして今日ワンピースを着てくるよう言ったかわかる?」
えっ?呼び方は舞香に戻りこの状況、
ねえ、颯汰くん、どうしたの?
「まじかぁ、わかんないならいいや 」
 「な、なんで?」
「脱がせやすいからに決まってんじゃん可愛い
 からってのもあるけどねっ!」
と言って笑う颯汰くん。
はじめてこんな颯汰くんを見てしまった。
「や、やめて!私、今日は普通に颯汰くんとお話しするだけでよかった。それに、私はそういうのしたことないし心の準備も……」
「だから、さっき初めてもらうって言った
じゃん」
さっきまでと違って口調が怖い……
もしかして、今日はこれが目的?私の頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。でもとにかく、
今はここから逃げなきゃ!私は襲われる!!
「颯汰くんわかった。一旦落ち着くから降りてくれる?」
「仕方ないなぁ~、まあはじめてだし仕方
ないか」
そういい、颯汰くんが私から降り、離れた
瞬間、私は駆け出し、部屋を出た。
「お、おい!舞香、まて!」
颯汰くんが慌てたようだったが、わたしは夢中で
家を出て、ひたすら走った。
走りながら、私は目から涙が溢れる。
今日は本当に夢のような日だった。昔のようにバッティングセンターに行って、
公園に行って、2人で話して、
だけど、今の颯汰くんを……豹変してしまった颯汰くんを、私は、知らない……
きっと何かの間違いなんだ、私はひたすら今日のことを忘れるように走り、家へと帰った。
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