【連載版】僕の初恋相手は人妻です
番外編(2) 可愛加奈の気持ち
「ねえ~あの4人だったら誰がタイプー?」
「私は断然冴木くんかなぁ」
「春ちゃん面食いだもんね~私は火神くんかなぁ」
「えー、顔はいいけど下ネタばっか言ってるじゃん!」
「サッカーのプレイみたら下ネタのことなんてお釣りが出るくらいにかっこいいよ!」
「じゃあじゃあ!あの4人と1番仲のいい加奈は誰がいいと思うー?」
「うーん、私は1番話しやすいから......」
「「加奈は絶対真田くんだよねー!」」
私の返答を待たず、被せてくる女子たち。
ほんと、女子って意地悪というか、分かってるなら最初から私に聞かなくてもいいのにね。
まあ、私がいうのもなんだけど女子っていうのは恋バナは大好物だし、丸々は誰々がタイプ~?という話も大好き。
普段私は、あの4人と過ごすことも多いけどこうして女子達の中で過ごすことも少なくはない。
あっ!その4人っていうのは、
話せば面白いけど一見クールな流星、見た目は爽やかイケメンなのに喋ると残念な響、そして最近響の繋がりで絡むようになった伊吹くん。
 そして、女子の中では男らしさは足りないけど、可愛い顔立ちに大人しく優しい癒しキャラで人気でもあり、私の想い人、真田くん。
本人達はどこ吹く風だけど、この4人は特に女子人気が高くて、1日に1回はこうして女子の話題にのぼるレベル。
「よっ、何難しい顔してんだよ」
「別に難しい顔なんてしてないよー?」
「あーわかった!昴のこと考えてたんだろー!絶対そうだ!あれは乙女の顔だ!」
流星はともかく、響のこの言い方!
私にとっての乙女の顔が難しい顔ならもうそれは泣きたいレベルなんだけど......
「おはよう、可愛さん!」
2人の影から現れる真田くん。
「うん、おはよう......」
私にとっては急な不意打ち。
あー、今日も可愛い。大好きです。
他の人たちと話すときは割と普通に話せるのにどうしてか真田くんと話すときだけ、何故か自分の態度が違うのがわかる。
私のその分かりやすい反応が流星や他の人から見て分かりやすいからみんなに揶揄われるのだろうけど、好きなんだから仕方ない。
周りからここまで揶揄われてるのに当の本人である真田くんは全然気づいてくれない。
この前だって勇気出して私の下着を選んでって言ったのに......
顔だって割と同世代と比べて整ってる方だと思うし、告白だって毎日のようにされる。
流星に真田くんのタイプを聞いたことがあるけど彼曰く、
「昴のタイプ?あいつ、人を好きになったことがないって言ってるしそこら辺わかんねえけど加奈と付き合えよっていうと可愛さんみたいな可愛い人とは釣り合わないよーって毎度のように言ってるな」
って言うのが真田くんの私に対しての印象らしい。可愛いって言われただけで十分幸せだけど、やっぱり好きって言って欲しい。
釣り合うか釣り合わないかなんて他の人の評価だし、私はそんなこと気にしない。
それに私からしたら逆に真田くんの隣に私が見合うかどうかの方が気になるよ!
恋愛に無頓着なだけあって気持ちはなかなか
伝わらないし、他の男子は割とすぐに告白とかそういう行動にでるのに、全然そういうのもなくて、女子絡みのことも分からないから私が
どう思われてるのかも他の3人しか聞く他ないし道のりは試練だらけ......
まあ、中学から一緒だからその分どの女子よりも長い時間過ごせるのは私にしかないアドバンテージだけどね!
それにしても真田くん......
あんなセクシーで大人っぽい下着がタイプだって言ってみたり、ランジェリーショップの販売員さん相手に赤くなってたり、実は大人っぽい人が好みなのかなー?
うーん......わからない。
よし、今度また下着選びに誘ってその時に自然に聞いてみようかな!
でも、あんまり聞きすぎると流石にウザがられるかなぁ?
はぁ、どうしよ......
恋愛に対して興味なさげな想い人の1つ1つの言動、行動に恋する乙女の悩みは尽きないのであった。
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