【連載版】僕の初恋相手は人妻です
プロローグ
時刻は6時過ぎ、2度寝をしたくても今日は
なんだかできそうにない。
前に会ったのはいつだっけ?
残念ながら、眠気がなくなってしまっては二度寝はできない。その何もすることがない、いわゆる暇という
状態が僕に要らぬことを考えさせる。
……
一度入ってしまうと抜け出すことのない泥沼。
まさか僕、真田昴がそんな負のスパイラルに
足を踏み入れてしまうなんて思わなかった。
きっと普通に恋をして、普通に結婚して、普通に幸せな家庭を作る。そもそも普通ってどこまでが普通なんだと思う事もあるけど、それでも僕はきっと平凡な
人生を送っていくと......
そう思っていた。
......カイン!
老若男女に人気な無料チャットアプリ「KINE」が
一人きりの部屋に鳴り響く。
誰かからのメッセージを伝えるその通知は早く見ろと言わんばかりに通知を繰り返す。
『今日は旦那が帰ってこないけど、どこかで会えないかな?』
『会えるならすぐ返事が欲しいな!』
『お姉さんがお洒落なレストランに連れてってあげるよー?そのあとは♡」
『早く返事欲しいな♡』
こうして彼女からメッセージが届くような関係に
なって早2ヶ月が経とうとしている。
メッセージが届いた瞬間に正直彼女なんじゃないかなと期待していた。
そして、どうやらメッセージの送り主は、僕のその
期待に神様が応えてくれたようで、僕の想い人、七瀬真凛さんからだった。
また、その誘惑に満ちたメッセージは僕の心を高ま
らせるには十分すぎた。
今日は久しぶりに真凛さんに会えるんだ!
いけないと分かっていても真凛さんを好きだというこの気持ちは、常識という名の理性を簡単に壊して
しまう。
叶わない、叶ってはいけないと思っていても彼女と
会える時、そして交わっているその時だけはその
気持ちを忘れさせてくれる。
彼女と出会った3ヶ月前のあの日、初めて彼女を見て自分の中で今まで感じたことのない、切なくて苦しくて、でもどこか楽しくて......
そんな不思議な気持ち。
そう、僕が人生で初めて恋をした相手は、一回りも
年上の人妻だったのだ。
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