いつも俺に厳しい姉さんのおっぱいに触ったら何かデレ始めた。けど、エッチをしたいからもっとデレさせると決めた。

三葉空

12 姉離れ、弟離れ

 階段を下る音がした。

「あ、おはよう。姉さん」

 キッチンで朝食の用意をしていた俺は言う。

「ああ、おはよう。達也」

 姉さんは笑顔で答える。

「具合はもう大丈夫なの?」

「ああ、おかげ様でね。心配をかけてすまなかった」

「気にしないで。もうすぐ、朝ごはんが出来るから」

「ありがとう」

 そして、俺と姉さんは笑顔で食卓にて向かい合う。

 するのは他愛もない話ばかり。

 そんな和やかな会話を終えて、二人で学校に向かう。

「達也」

「なに?」

「明日からは、少し時間をズラして行こうか」

「え?」

「ほら、いくら姉弟とはいえ、男女が毎朝一緒に登校をしていたら勘違いされるだろうし。彼女にも悪いだろ?」

「ああ、うん……そうだね」

「私の方が早く出るから、お前はゆっくりして良いぞ。何なら、自分の分の朝食は自分で作るから」

「姉さん、料理はあまり得意じゃないだろ?」

「そうだったな、すまん」

 姉さんは苦笑した。

 俺は微笑んで姉さんを見つめていた。



      ◇



 教室にたどり着くと、

「あっ」

 高崎さんが居て、目が合った。

 彼女はタタッ、と俺の方に駆け寄って来る。

「お、おはよう。杉浦くん」

「おはよう、高崎さん」

「え、えっとね……その……」

 彼女は気恥ずかしそうに手を組んでモジモジしている。

「どうしたの?」

 俺は小首をかしげて尋ねる。

「きょ、今日の放課後は、時間あるかな?」

「うん、大丈夫だよ」

「じゃ、じゃあ、その……」

 高崎さんが何か言いたげにしつつも、まだ気恥ずかしそうなので、

「今日の放課後、デートしようか」

 俺は笑顔で言った。

「へっ?」

 高崎さんは目を丸くする。

「う、うん……」

 それから、嬉しそうに照れ笑いする。

「えー、もしかして、二人って付き合っているの!?」

 即座に反応したのはクラスメイトの女子たちだ。

「えっと、その……うん」

 高崎さんが照れたまま答える。

「やーん、はるにゃん、おめでとう~!」

「前から、杉浦くんのこと、気になるって言っていたもんね~」

「ちょ、ちょっと、みんな……」

 仲良しの女子たちにやいのやいの言われて、高崎さんはたじろいでいる。

「へぇ、高崎さんって、友達から『はるにゃん』って呼ばれているんだ」

 俺は言う。

「じゃあ、俺もそう呼ぼうかな?」

「へぇ!? えっと、あの……」

「ん?」

「す、杉浦くんには普通に……『春奈』って呼んで欲しいな」

 高崎さんは上目遣いに俺を見つめて言う。

「分かったよ、春奈」

 俺が微笑んで呼ぶと、彼女は一瞬だけ硬直した。

「ふっ、ふええええええぇ!」

 そして、激しく赤面して頭から湯気をボンッと出す。

「「「きゃああああああああああああぁ!」」」

 女子たちが黄色い叫び声を上げる。

「何よもう、朝から甘々なんですけど~!」

「良いな~! あたしも彼氏が欲しい~!」

 一方……

「ぢくじょう、達也め……俺らの高崎さんを奪いやがって~……」

 クラスの男子連中は怨念がましい目で俺を睨んでいた。

「たーつやくん」

 ポンと肩を叩かれて振り向くと、陽太がニコニコしていた。

「美人で巨乳のお姉さんがいる上に、可愛い彼女が出来るとか。お前はどこのギャルゲー主人公ですか? モテモテですか?

 笑顔で皮肉を言われたので、

「だとしたら、お前はその親友ポジだから、一生ずっと彼女が出来ないな」

「グサッ!」

 陽太は効果音付きでフラつく。

「ちょっと、男子たち! 嫉妬で二人の甘々な空気を邪魔しないでくれる~?」

「マジでウザいんですけど~!」

 女子たちの猛攻を受けて、男子たちはオーバキルされて無事に死亡した。

「ごめんね、春奈」

「へっ?」

「俺のせいで騒がしくなっちゃって」

「う、ううん、平気だよ……達也くん」

「はは、俺のことも呼んでくれるんだ」

「も、もちろんだよ……」

 春奈はずっと照れっぱなし。

 俺はそんな彼女を笑顔で見つめていた。



      ◇



「え、達也くんに彼女ができた!?」

「ちょっ、柚子。だから、声が大きいって!」

「まあ、確かに。あたしのアレの声は大きいってよく言われるけど」

「へっ? ま、まさか、お前はもう経験者で……」

「……なーんてね。まあ、一人エッチの声は大きいから妹に注意されたりするよ♡」

「何てあけっぴろげな奴だ……」

 私はガックリと肩を落とす。

「で、達也くんに彼女ができたって本当なの?」

「ああ、そうだよ。私も一度会ったことがあるけど、すごく可愛らしい女子だ。小柄で、可憐で、守ってあげたくなるような」

「ひびきと正反対のタイプか」

「うっ……ま、まあ、そうだな」

 私はなぜかへこんでしまう。

「でも、達也くんもひどい奴だねぇ。ひびきのことが好きだとか言っていたくせに」

「……仕方ないさ。そもそも、将来的にはお互いにそれぞれのパートナーを見つける約束だったんだ。それが早まっただけの話さ」

「いやいや、まだ高校生だから。そんなのすぐにくっついたり離れたりする年頃じゃん」

「そ、そういうものか?」

「そうそう。だから、達也くんとその可愛い子ちゃんもすぐ別れるって」

「お前、ひどいこと言うなぁ」

 私は苦笑する。

「良いんだ、もう。私は素直に弟の幸福を祝いたい」

「ひびき……本音は?」

「……もう泣きそう」

「泣いて良いよ、あたしの胸で。まあ、あんたほどデカくないけど」

「バカ……」

 そして、私は親友の胸に顔をうずめる。

「……うっ……うぅ……」

「よし、よし……」

 むせび泣く私の頭を柚子優しく撫でてくれる。

 もし、私と達也が姉弟じゃなく、普通の男女として出会っていたら……

 いや、前にも達也が言ってくれたけど。

 私たちは姉弟になったからこそ、出会えたんだ。

 それはとても幸福なことであり、同時に残酷なことだったんだ。

「……胸が……苦しい」

「おい、巨乳自慢をするな」

「違うわ、バカ者……」

 親友とそんな軽口を言い合いながら、気付けば号泣していた。







「いつも俺に厳しい姉さんのおっぱいに触ったら何かデレ始めた。けど、エッチをしたいからもっとデレさせると決めた。 」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く