いつも俺に厳しい姉さんのおっぱいに触ったら何かデレ始めた。けど、エッチをしたいからもっとデレさせると決めた。
9 リア充する弟と非リア充する姉
クラスメイトであり委員長の高崎さんは、少し照れながらそう言った。
「えっ、俺と?」
「う、うん」
「そのお誘いは嬉しいけど、何でまた?」
「そ、それは……ほら、杉浦くんには助けてもらったから、そのお礼にと思って」
「そんなの気にしなくても良いのに」
「で、でも、私はすごく嬉しかったから」
「そっか……うん、良いよ」
「ほ、本当に?」
「だって、高崎さんみたいな可愛い女子からの誘いを断ったら、他の男子連中に怒られそうだし。陽太とかさ」
「か、可愛い……?」
「え、だって高崎さんって可愛いでしょ? 入学してから、男子たちが話題にしているし」
「そ、そうなんだ……」
「あ、ごめん。あまり良い気分はしないかな?」
「う、ううん。そんなことないよ……嬉しい」
「あはは。高崎さんも、モテると人並みに嬉しいんだね」
俺は笑って言う。
「……そうじゃないけど」
「ん?」
「あっ、何でもないの。じゃあ、放課後に……お願いします」
高崎さんがぺこりとして言うので、
「あ、こちらこそ」
俺もぺこりとした。
◇
ピロン♪
『姉さん、今日は友達とお茶をしてから帰るね』
私は達也からのメッセージを見て、ふっと微笑ましく思った。
恐らく、陽太くんあたりと、男子2人でお茶だなんて……可愛いなぁ。
そして、むしろ好都合だ。
「……ふむ」
私は自分の部屋の机の上に積んだ書物を前に、腕組みをして構える。
これこそ、親友である柚子がくれた青春のバイブル。
エロバイブルなのだ……いや、少女漫画なんですけど。
ごめんなさい。
「……さ、さてと。まずはどれから読もうかな」
私はドキドキしながら、適当に一冊を選んで読んでみる。
「おっ、これは良い感じの始まりだな。ふむふむ……えっ! もうキスをするのか? 出会って3秒でキスって……こ、この男、とんだゲス野郎だな。こんな男にヒロインが惚れる訳……って、何かメッチャ照れているじゃないか! このヒロインもビッチなのか!?」
我ながら、彼氏もいない女子高生が一人、部屋の中で少女漫画を大声で読んで実況する風景は、傍から見れば痛いことは分かっていたけど、この時はテンションが上がりまくってしまったのだ。
◇
カチャ、と小さく音が鳴る。
「お待たせしました、ミルクティーです」
「ありがとうございます」
高崎さんは店員さんに微笑んで言う。
「えへへ、コーヒーは苦くて苦手なんだ」
「俺も、どちらかと言えば甘党だな」
「良かった、気が合うね……ハッ! い、今のは変な意味で言った訳じゃなくて……!」
「大丈夫だよ。俺も高崎さんと気が合って、嬉しい」
「ふ、ふええぇ~……」
高崎さんは顔を赤く染めて、頭から湯気が立っている。
本当に、魅力的な女子だと思う。
だからこそ、俺は学びたい。
高崎さんから、女子の気持ちと言う奴を。
俺は童貞ながらも、主にエロ本で性に関する知識はそこそこあった。
また、手先も器用な方で、テクも割とすぐに身に付いた。
だから、童貞ながらも姉さんをあそこまで落とすことが出来たけど……それだけじゃ足りない。
やはり最後は、心を完全に落とす必要がある。
特に、姉さんは頑固な性格だから。
俺のことは好きでいてくれるんだろうけど、強固な理性が働いて、最後の一線を意地でも超えないようにしている。
その固く縮こまった心を溶かし、解くには……エロテクだけじゃダメだ。
女子をキュンキュンさせるような、見た目も中身もイケメンな男子にならねば。
まあ、俺は見た目はそこそこイケメンだから?(自分で言っちゃうんかい!)
あとは中身を磨くのみ。
だから、高崎さんには申し訳ないけど、今日は俺の練習に付き合って下さい。
おなしゃす!
「高崎さん」
「えっ?」
「高崎さんって、小柄だよね」
「うん、そうだね。女子の中でも小さい方だよ」
「それなのに、学級委員長の仕事をがんばって……偉いね」
「えへへ、ありがとう」
「けど、そういう女子って……何か守りたくなるよね」
言った直後、俺は内心で激しくゲロった。
オエエェ。
じ、自分で言っておいてなんだけど……アホか!
ある程度の仲まで進んだ相手ならともかく。
最近、ちょっと話すようになったくらいの女子相手に、そんなセリフを吐いたって、お寒いだけだ。
それこそ、少女マンガに出て来るようなイケメンでもないと無理ゲーだろ。
ああ、これは引かれたかな……
「……そ、そんなこと言われたら……照れちゃう」
あ、あれ? 何か思いの他、デレてくれているな。
こんな中途半端なイケメンごときの甘ったるいセリフに照れてくれるなんて……
「……高崎さん、ダメだよ」
「へっ?」
「ラノベとかでも、君みたいな良い子はチョロインになりやすい」
「チョ、チョロインって?」
「けど、俺は君をそんなルートには落としたくない。チョロインは確かに可愛いけど、しょうもないラノベ主人公の良いようにされがちだからな」
「え、えっと……」
何か、少女マンガだとかラノベとか、ごっちゃになって来たな。
高崎さんも困惑しているし……
「ま、まあ、つまりはアレだよ……高崎さんみたいな素敵な女の子には、幸せになってもらいたいんだ」
「……えっ?」
高崎さんは目を丸くする。
って、しまったああああああああぁ!
またゲロを吐くようなセリフを吐いてしまった!
だから、俺ごときパメン(半端なイケメン、略して『パメン』どやっ☆)に、リアル女子を胸キュンさせるなど到底無理な話なのに……ああ、死にたい。
「……す、杉浦くん」
「あ、はい」
これは、死刑宣告の時間かな?
『マジでキモいんですけど』
ってな感じに。
まあ、高崎さんは良い子だから、もっとオブラートに包んでくれるだろうけど……
「……ド、ドキドキしちゃうから、もうやめて」
「……はい?」
今、何とおっしゃいました?
「も、もしかして、俺のゲロを吐くようなセリフで、ドキドキなさったのですか?」
「な、なさっちゃいました……」
高崎さんは頬を赤らめて頷いた。
俺はしばし、硬直する。
そして、遥かなる無限の宇宙を想像した。
「……ありがとう、高崎さん」
「えっ?」
「俺、今日は君とお茶をできて本当に良かったよ。ありがとう」
「……ッ!?」
高崎さんはバッと手で口を押える。
あ、やっちった。
最後の最後で調子こいて、ゲロを吐きたくさせちゃったかな?
うーむ、俺もまだまだ、修行が足りないな。
こういう時は、深追いせず、最小限の傷で帰還するのがベターだ。
「じゃあ、高崎さん。今日はこの辺にしておこうか」
「あ、はい」
「良ければ、またお茶をして欲しいな」
「えっ?」
「とは言っても、俺みたいなキモイケメンとはもうお茶なんてしたくないだろうけど……って、キモイってつけたとはいえ、自分でイケメンはないよね、あはは」
クソ、俺の欲しがりさんめ!
結局、最後の最後まで貪欲に欲しがりさんじゃないか!
あぁ、これは終わったな。
「……ぜ、ぜひ、お願いします」
「……へっ?」
「わ、私も……また、杉浦くんとお茶がしたいです」
「あ、はい。よろしくお願いします」
俺はキョトンとしながら、何か目の前で赤面している高崎さんを見ていた。
◇
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
おかしい、私はただ、普通にマンガを読んでいただけのはずなのに……
どうして、ベッドに寝転がって、周りにはティッシュの山が出来てるんだ!?
「……あ、圧倒的に惨めだ」
私はとてつもない快感と引き換えに、大切な何かを失ったような気がした。
「……ま、膜は無事かな……あ、良かった」
やはり、圧倒的に惨めであった。
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