ヤンデレな義姉妹によるラブコメ

(´・ω・)

【番外編】ダーリヤの想い


このエピソードは、霧島と再婚するまでの物語です。






とうとうママが死んだ。重い病気だったらしく、苦しみながら死んだとお医者さんが言っていた。私はママが死んだ事を受け入れられず、涙をこらえた。

日本へ行くのは、それから一年後の事。パパが、日本の会社との取引でしばらく向こうに行かなきゃいけないと言っていた。
まだ幼い妹を連れ、パパと共に日本へやって来た。 

「・・・さぁ、これからこの国で頑張っていこうな」

パパの声には元気がなかった。普段であれば、馬鹿みたいな大声で叫ぶところだったろう。

賃貸マンションの部屋に荷物を運んだ。ふと、ベランダを見ると日本の街並みが見えた。
私はその時、何故かママの事を思い出してしまって涙目になってしまった。
あぁ、ママがよく日本に行った時の写真を見せながら、話を聞かせてくれたからだ・・・。
私はしばらくその風景を見つめていた。

日本に暮らし始めて、三ヶ月が経ったある日パパが喜んで帰って来た。
話しを聞くと、ある日本の女の人と仲良くなったらしいという事だった。
私は気が乗らなかった。
死んだママを忘れずにいたかったから。パパに反論すると、パパはゆっくりした口調でこう言った。

「・・・向こうの人も旦那さんを病気で亡くして、男の子が一人いるらしいんだ。ママの事を忘れるかもしれない。お前の言い分もよく分かる。でもな、ママは俺にお前たちが幸せになれるようにしてあげてって言われたんだ。悲しみは永遠に残る。でも、乗り越えていかないといけないんだ・・・」

私はその話を黙って聞いていた。
私はパパに何も言えず、受け入れる事にした。

そして、電車に乗ってその再婚相手の人のお家へ向かった。
パパはじっと窓の外を見つめていた。どこか悲しそうな雰囲気を感じた。
そして、綺麗な一軒家の前に着いた。ここが再婚相手のお宅なのだろうか。
表札にはキリシマと書かれていた。家に入ると女の人が出迎えてくれた。
奥へ進むと、男の子がいた。
可愛らしくかっこ良くもあった。私は、彼に一目惚れしてしまっていた。

・・・彼の事、もっと知りたい。

・・・彼を私のものにしたい。

私の想いに歯止めはきかなくなっていた。

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