夢の中でも愛してる
5
暗い室内で、遥香はゆっくりと瞼をあげた。
隣では、遥香を抱きしめるようにして、弘貴が健やかな寝息をかいている。
裕也に触れられたところを上書きしたいと言った弘貴にそのまま抱かれるのかなと思ったが、彼はその時は触れるにとどめ、最後まではしなかった。
そして、夕食を取って、眠ろうかと思ったときに、弘貴に「昨日のやり直しがしたい」と言われた。
遥香は驚いたが、弘貴に抱かれることにもう恐怖は覚えなかったし、遥香も弘貴との関係を先に進めたいと思ったから、緊張と羞恥を覚えながらも弘貴に体をゆだねた。
そうして、抱き合ったあと少し話をして、弘貴に抱きしめられるようにして眠りについたのを覚えている。
(……幸せ)
遥香は弘貴の胸にすり寄る。
弘貴はとても優しくて、でも少しだけ強引だった。何度もお互いの名前を呼んで、呼ばれて、たくさんキスをした。まだ弘貴に与えられた感触が体に残っていて、思い出した遥香は恥ずかしくなって、ぎゅうっと弘貴を抱きしめる。
「ん……」
遥香が急に動いたからだろうか、弘貴が身じろぎして、少し目を開けた。
「遥香?」
「あ……、起こしちゃいました? ごめんなさい」
「いや……」
眠そうに目をこすって、弘貴がはっきりと目を覚ます。
「どうしたの? 眠れなかった?」
遥香を抱きしめなおして、弘貴があやすように頭を撫でる。遥香はその心地よさにうっとりと目を細めた。
「たまたま目が覚めて……。弘貴さんが隣にいて、幸せだなって思ってたら、なんだか眠るのがもったいなくなっちゃっただけです」
「遥香……」
弘貴が顔を寄せ、チュッとキスをくれる。
遥香が気持ちよさそうな顔をすると、弘貴が今度は深めのキスをした。吐息を絡めて、口の中を舐められると、遥香の体がくたりと弛緩する。
弘貴はそのまま遥香に覆いかぶさると、キスを続けながら、着なおした浴衣の襟からするりと手を忍び込ませてくる。
「んっ、ひろ、き……、さん……」
浴衣の下には何も着ていない。素肌を直接撫でられる感触に遥香が身をよじると、弘貴が口を離して耳元でささやいた。
「遥香が可愛いことを言うから、眠くなくなったよ。……ね、もう一回」
「ええ……っ?」
遥香は慌てたが、すでに浴衣の帯は解かれていて、あわあわしているうちに、弘貴にすべてをはぎ取られてしまった。
「ま、ま、待って……!」
心の準備ができていないと弘貴の腕から逃げようとするが、彼の熱い指で体を撫でられると、数時間前まで感じていた熱があっさりと蘇ってきて抵抗する気がなくなってしまう。
「弘貴、さ……」
泣き出す前のような鼻にかかった甘い声で弘貴を呼べば、すぐに唇を重ねてくれた。
「遥香、愛してるよ」
低くかすれた声で優しくささやかれれば、遥香の心は熱に溶かされたアイスクリームのようにとろりと溶けた。
弘貴に愛されることを知った遥香の体に火がともるのは、あっという間で――
「弘貴さん、大好き……っ」
結局、明け方近くまで、遥香は弘貴と愛を交わし合っていたのだった。
隣では、遥香を抱きしめるようにして、弘貴が健やかな寝息をかいている。
裕也に触れられたところを上書きしたいと言った弘貴にそのまま抱かれるのかなと思ったが、彼はその時は触れるにとどめ、最後まではしなかった。
そして、夕食を取って、眠ろうかと思ったときに、弘貴に「昨日のやり直しがしたい」と言われた。
遥香は驚いたが、弘貴に抱かれることにもう恐怖は覚えなかったし、遥香も弘貴との関係を先に進めたいと思ったから、緊張と羞恥を覚えながらも弘貴に体をゆだねた。
そうして、抱き合ったあと少し話をして、弘貴に抱きしめられるようにして眠りについたのを覚えている。
(……幸せ)
遥香は弘貴の胸にすり寄る。
弘貴はとても優しくて、でも少しだけ強引だった。何度もお互いの名前を呼んで、呼ばれて、たくさんキスをした。まだ弘貴に与えられた感触が体に残っていて、思い出した遥香は恥ずかしくなって、ぎゅうっと弘貴を抱きしめる。
「ん……」
遥香が急に動いたからだろうか、弘貴が身じろぎして、少し目を開けた。
「遥香?」
「あ……、起こしちゃいました? ごめんなさい」
「いや……」
眠そうに目をこすって、弘貴がはっきりと目を覚ます。
「どうしたの? 眠れなかった?」
遥香を抱きしめなおして、弘貴があやすように頭を撫でる。遥香はその心地よさにうっとりと目を細めた。
「たまたま目が覚めて……。弘貴さんが隣にいて、幸せだなって思ってたら、なんだか眠るのがもったいなくなっちゃっただけです」
「遥香……」
弘貴が顔を寄せ、チュッとキスをくれる。
遥香が気持ちよさそうな顔をすると、弘貴が今度は深めのキスをした。吐息を絡めて、口の中を舐められると、遥香の体がくたりと弛緩する。
弘貴はそのまま遥香に覆いかぶさると、キスを続けながら、着なおした浴衣の襟からするりと手を忍び込ませてくる。
「んっ、ひろ、き……、さん……」
浴衣の下には何も着ていない。素肌を直接撫でられる感触に遥香が身をよじると、弘貴が口を離して耳元でささやいた。
「遥香が可愛いことを言うから、眠くなくなったよ。……ね、もう一回」
「ええ……っ?」
遥香は慌てたが、すでに浴衣の帯は解かれていて、あわあわしているうちに、弘貴にすべてをはぎ取られてしまった。
「ま、ま、待って……!」
心の準備ができていないと弘貴の腕から逃げようとするが、彼の熱い指で体を撫でられると、数時間前まで感じていた熱があっさりと蘇ってきて抵抗する気がなくなってしまう。
「弘貴、さ……」
泣き出す前のような鼻にかかった甘い声で弘貴を呼べば、すぐに唇を重ねてくれた。
「遥香、愛してるよ」
低くかすれた声で優しくささやかれれば、遥香の心は熱に溶かされたアイスクリームのようにとろりと溶けた。
弘貴に愛されることを知った遥香の体に火がともるのは、あっという間で――
「弘貴さん、大好き……っ」
結局、明け方近くまで、遥香は弘貴と愛を交わし合っていたのだった。
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