【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる
第135話 待機室にて
「なん…で?」
サラは、姉、シャルルがいるはずだった場所を呆然と見る。だが、いないものはいない。
サラはそのショックが大きかったのか、その場で倒れてしまった。
その瞬間、周りの人は慌ててサラに駆け寄ったのだった。
     ーーーーーーーー
俺は、そろそろ試合の時間が近づいてきたため、待機室で待機していた。だがその途中、慌てて待機室に入ってくる人がいた。
「ココロ…?」
ココロは急いで来たためか、息がまだ整っていない。
「シトレアさん…サラさんが!」
「サラが?」
「サラさんが倒れましたわ!はぁ…はぁ…」
「とりあえずココロ、一旦落ち着いて」
俺は、その場で一旦ココロを落ち着かせた。そしてしばらくしてココロの息が整った時に、また話を始めた。
「で、サラが倒れたって言ってたけどどうしたの?」
「そ、そうでしたわ。サラさん、試合をやっていないのになぜか倒れてしまいましたの」
「試合をやっていないのに?それはどういうこと?」
「そのままの意味ですわよ、シトレアさん」
「なんで試合をやらなかったの?」
「それは相手が試合の時間になっても来なかったからですわ」
「そうだったのか…」
「???」
たぶん倒れた理由はそこにあるのだろう。姉と仲良くない上に自分の前に姿をあらわさなければ、それはもう拒否された同然だ。
俺だってヨメナにそんなことをされたらすごい落ち込むと思う。
「まあ、なんとかなるだろ」
「何がですの?」
「うわぁあ!ってココロか…」
びっくりした…
「なんですのその顔は?」
ココロは俺のほっぺを両手で押した。
「ひょ、ひょっと、ホホオ?」
「ぷっ、シトレアさん、うふふっ」
結局俺は、ココロに笑われただけで、恥ずかしい思いをしただけだった。
「と、とにかくっ!サラのことはわたしに任せておいて!」
「はいはい、わかりましたわ」
「むぅう〜」
「ほら、もう試合の時間ですわよ」
俺はココロに言われて、渋々試合へ向かうのだった。
コメント