【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる

東郷 アリス

第42話 エリナを迎えにいこう



一人で街にお出掛けに行ってから二週間が経った。


結局街に出かけるのは、ヨメナ、オシエ、セレスの誰か一人がついていかなければならないことになった。


なぜなら、そうしないと後ろからヨメナたちが勝手についてくるのだ。これじゃあ、プライバシーもあったようでないのと同じだ。
だから俺はもう、一人で街に出掛けるのは諦めることにした。


最近は週に半分くらい、ライラとアリサと一緒に細剣を特訓をして、午後からは、休憩という名の自由時間。絶対一人にはならないが…というか、なれないが…


ライラとアリサは、週ほぼ毎日特訓を続けている。午前中だけだが。
だが、たまに午後もしている時もある。


やっぱり、俺とアリサの周りの期待値は圧倒的な差があるだろう。


俺は、ヨメナたちに魔法を見せたことがない。いや、初歩的な魔法は見せたことがあるが、それぐらいしか使えないと思われているのか、戦闘に関してはあまり指摘をされない。別の方で俺を輝かせようとしているのだろう。


実際の俺は、体力は圧倒的に皆無だが、それ以外はこの世界の住人に比べてずば抜けて高い。


それはさて置き、そんな俺にも他のことで期待されていることがある。
それは、回復系魔法、そして容姿、勉学などだ。


勉学に関しては、前世バカなほどに頭だけは良かったので役に立っている。また、今の頭は前世の頭より効率がいい。ていうか、すごい。見ただけで記憶することができる。


それに、シルヴィアという、世界のほぼ全てを知っている精霊神が俺にはついている。だから、知識に関してはほぼわからないことがないに等しい。


容姿に関しては、俺がこの世の人とは思えないほど可愛いのは知っているし、自負しているつもりだ。だが、自分っていうのはなんだか引ける。


そして回復系魔法。
これはヨメナたちには、唯一中級クラスの魔法を見せた。それで関心されたのだろう。それで期待されている。実際には蘇生までできてしまうが…


まあ、自分の使える魔法を隠しておけるのは、結構いいことだと思う。手の内を明かしていないということは、他の人からすると、対策のしようがない。


だから、俺にとっては有利に動いてくれる戦いが多くなってくれることだろう。たぶん。


今日も午前は武器の特訓をしたが、やっぱりアリサと同じくらいはできなかった。


やっぱりこの身体はひ弱すぎる。なんか、改善する方法はないのか?


「ございますよ、シア様」


「えっ、本当?シルヴィア!」


「はい、本当にございます」


「どんな方法か教えてくれないか?」


「それは、神に覚醒することです。」


「神に覚醒?」


「はい。前にも神には一人一人、その神だけが使える能力があるといいましたよね?」


「うん」 


「それで、シア様はまだそれに目覚めていないこともいいましたよね?」


「うん、言ってた」


「それに目覚めてしまえばいいのです」


「どういうこと?」


「つまり、体力がないのは、シア様の中にある大量の神力をうまく使いこなせてないからが主な原因かと思われます。完全なる神に目覚めれば、神力も、自由に扱うことができるはずです」


「目覚めるためには、どうすればいいんだ?」


「それは、シア様はすでに技量は達しているので、成長期に入れば、自然に覚醒するかと…」


「ていうことは、五年以上待たないとダメということか?」


「いや、私の計算ですと、シア様は発育が良さそうなので、二、三年後かと…」


「ん?なんかいった?」


「いえ、なんでもございません」


まあ、いいや。
五年ちょい我慢しようじゃないか。


そう思いながら俺は、家に戻っていった。






       ーーーーーーー






その後。


家に帰った俺は、オシエとともにお風呂に入っていた。


ちなみに、お風呂にはまだ一人で入らしてくれません。一人だとまだ危ないということ。本当に過保護過ぎる。


俺は、体に染み付いた汗を流し、湯船に浸かる。


「はあぁ、気持ちいい〜」


「シア様、おじさんみたいですね」


「オシエ、言っちゃダメなこともあるんだよ」


「すみません。あっ、そういえば、今日はエリナさんが家にお泊まりしにくる予定ですね」


「うん、だから迎えに行かないと」


俺は、いつもより早めにお風呂を切り上げて、身体を拭き、服などを着る。(オシエに手伝ってもらいながら)


そして、髪を乾かす。


最後に、オシエに床についてしまうほどとても長い髪の毛を結んで貰えば完成だ。


お昼ごはんを簡単に済ませてから、出掛ける準備をする。


「じゃあ、セレス、一緒にいこう?」


「はい、了解です」


そう言って俺とセレスは、手を繋ぎながら、エリナの家へと向かった。













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