【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる
第40話 シトレア、家に帰る。
ヨメナたちに髪飾りのお土産を買ったあと、俺はまっすぐ家に帰った。
「ママ、オシエ、セレス、ただいまー」
「シアおかえり!」
「シア様!」
「シア様、おかえりなさいませ」
ヨメナとオシエは、俺を見た途端抱きついてくる。心配性だな、ほんと。
そしてその対象に優しく見守るだけのセレス。さすがセレス、俺が帰ってきても冷静な対応だ。
ありがたい。
「ママとオシエはなれて!くーるーしいー!」
俺は無理やりヨメナとオシエを引っ剥がそうとしたが、四歳児の力じゃ勝てるわけもなく、離すことに失敗してしまった。このままでは窒息してしまう。
だが、俺には必殺技がある。
「ママとオシエには、お土産あげないよー?」
「「がぴーん!」」
お、結構ダメージ食らってる。まあ、離してくれたから結果オーライだ。この二人は、俺からのプレゼントだと必ず欲しがる。それを逆手に取っての今回の行動だ。
「はい、セレス、お土産」
「可愛いですね、ありがとうございます、シア様」
「「ゔううー!」」
ヨメナとオシエも欲しそうに見てくる。
はぁ…しょうがない。ここで本当にあげないとこの後数時間は平気で落ち込むからな。困ったものだ…
「はい、ママとオシエの分」
そして髪飾りを渡すと、ヨメナとオシエは目をキラキラさせて喜んで受け取った。喜んでからて何よりです。
そしてすぐさまその髪飾りを髪につける。
「どうシア?似合う?」
「シア様、私も似合っていますか?」
二人とも俺に聞いてくる。
「うん、似合ってるよ」
そう言うと、もっと嬉しそうに喜んでいた。
「そういえば、シア様。夕食の支度はできていますがどうしますか?」
「うーん?今食べる」
「分かりました」
「じゃあ、みんなで食べに行こうか」
そう言って俺たちは、食卓へと足を向けた。
今日の夕食は、絶対に今日のお出掛けのことを聞かれるんだろうなと思っていたら、本当にお出掛けのことを聞かれた。というか、ヨメナとオシエに関しては、俺のお出掛けの話のことがメインになっているきがするんだが…
「今日、エリナっていう子と友達になったんだ。それで…」
こんな感じで俺の話は続く。その話をしている最中のこと。
「今日会ったエリナっていう子が方向音痴で迷子になって大変だったんだ。そのせいでたくさん歩いたからクタクタだよぉ」
「そうよね、あんなに同じ場所を行き来してたら誰だって疲れるわよ」
「ヨメナ様、そのことについては…」
「へ?なんのこと?」
そう言って、何秒か固まる。話の内容を確認して、頭をフル回転させていることだろう。
そしてヨメナは、自分の発言したことがやばいことだと自覚したのか、焦り出す。
「シ、シア、全然違うのよ?私、シアのことを後ろからこそこそ覗いて、追いかけてたわけじゃなくてね?」
「ママ、私、まだ何も言ってないよ」
「あっ、」
この人自分であっさりと自爆しました。オシエとセレスも呆れている。
「マ〜マ〜?」
俺は、だんだんとヨメナに近づいていく。
「こ、これは違くて!」
「一人で大丈夫って言ったよねー?」
「シア、さ、ん?顔がとても怖いですよ?」
「何してるんだー!このストーカー!!」
「ひやーーーー!」
この後、こってりと娘に叱られたヨメナだった。
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