【旧版】自分の娘に生まれ変わった俺は、英雄から神へ成り上がる

東郷 アリス

第18話 パーティーは光とともに



「さあ、いっちょやりますか」


俺はそう言って転移する。


俺は目を瞑る。
もうこの目線の先は人で囲まれているだろう。
俺は想像しながらもゆっくりと目を開けた。


そして俺が目を開けると想像通り、たくさんの人たちが俺のことを待っていた。


「目が綺麗…」


「この世界の人とは思えない…」


「あんな小さい子がこの街を救ってくれたのか…」


「やべーよだれが、じゅるりっ」


最後にヤバいやつがいたが、俺の姿は他の人から見てもこの歳で既にずば抜けているらしい。


周りはざわざわしている。
だが俺はそれを気にせず舞台中心まで歩いていく。
それと同時に周りのざわめきは静まる。


すごい…
こんなたくさんの目線を感じるのは前世を合わせて初めてだ。
この重圧な目線に毎回耐えてる国のお偉いさん方を少し尊敬してしまう。
でも、俺だって英雄の端くれだ。
やるときはやるんだ。
さあ、始めようじゃないか。


「私はシトレア・シルフォリウム、ヨメナ・シルフォリウムの、そしてアキレア・シルフォリウムの娘です」


周りがまたざわめきだす。


「あの娘が英雄の間に生まれた方…」


「初めて知ったぜ」


「英雄の娘…」


さまざまな声が聞こえる。
英雄の娘がいたなんてほとんどの人が知らなかったのだろう。
まあ、知っている人も多々いたが…
そして俺はまた喋りだす。


「父は私が産まれる前に邪神との闘いで命を失ってしまいました。少し寂しさを感じられますが、今ではママや私のお世話をしてくれるメイドさんたちがいます。
そして私は亡き父に誓います。
私があなたの血を背負ってあなたが守り抜いてきたものを、私が継いで守り続けると。
今日はその最初の一歩を踏み出す日です。
さあ、みなさんも私と一緒に新たな一歩を踏み出しましょう」


時刻は夕陽が沈むとき。
この広場を照らしていた夕陽が地平線の彼方へと沈んでいった。
そしてこの街はあっという間に闇に包まれていく。


そして街が闇に沈むと同時にシトレアは右眼に魔力を込めて放出していく。
その瞬間、この街は幻想的な一つの光に包まれていった。


皆がその光景に目を奪われる。
その先の少女の姿はとても華麗で、言葉にできないほど美しかった。
その少女は皆が自分に視線を向けたと同時に言葉を放った。


「さあ、パーティーを始めましょう」


そう言って広場の明かりが灯された。


そしてとうとう夜のパーティーが幕を開けた。





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