第78話　知っていること

　上位属性とExスキルについて詳しく知った夜、暮人は自室でくつろいでいた。
　
　「コンコン。暮人様少しいいですか？」
　「ああ、入っていいぞ」

　扉の向こうからリーゼの声が聞こえ、暮人は中に入るよう促した。
　リーゼが扉を開けるタイミングに合わせベットに横たわっていた暮人は体を起こした。

　「どうしたんだリーゼ？」
　「今日サラとExスキルについて話したと聞いたので、私の知っていることを話しておこうかと思いまして」
　「それは助かるな…頼むよ」
　「とは言っても私もまだ知らないことが多いですけど」

　そう言ったリーゼは少し咳ばらいをし姿勢を正して話し始めた。
　
　「まず、Exスキルとは生まれて持つスキルで通称【天性のスキル】と言われています。」
　「じゃあ生まれながらに持ってないとExスキルは取得できないのか？」
　「いえ、特殊な例で取得できた人がいるみたいですが…その条件はまだ分かりませんでした」

　リーゼは申し訳なさそうに頭を下げた。

　「そ、そんなに気にしなくていいからリーゼ。また分かった時に教えてくれ」
　「は、はい…」
　「えっと…リーゼも【称号】について知ってることはないのか？」

　暮人はサラにも聞いたことを一応リーゼにも聞いてみることにした。

　「はい。しかし、そちらについてはもしかしたら分かるかもしれない当てがあるんで、もうしばらく待ってください」
　「そうか…分かった」

　会話が終わり、しばらく沈黙の間が流れるとリーゼが小さなあくびをした。

　「あ！すまない長話させちゃったな」
　「い、いえ！寝る前に暮人様と話せてとても楽しかったです」

　そう言ったリーゼは暮人の部屋を出た。
　リーゼが出たのを確認した暮人はもう一度ベッドに横たわって眠りについた。