現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!

白星

第63話 目標

 「目標って…魔王になるためのか?」
 「はい。暮人様も最近めきめきと実力が伸びておられるので、そろそろ頃合いかと思いまして」

 色々とお思い悩むことはあったが、暮人も自分が成長しているのは実感していた。

 「それで、いったい目標って何なんだ?」

 暮人は、魔王達から細かい内容は聞かされずに、半ば強引にこっちの世界へ飛ばされたため、これからやることの内容などはサラとリーゼしか知らなかった。

 「まず、暮人と私達は魔王候補者が集まる学院へと通います」
 「そんなところがあるのか…」
 「この街を拠点にしたのもそのためなんです」

 サラの言葉を聞いて、この街に着いてからの用意の良さに、暮人は納得した。

 「学院といっても、ずっと開校しているわけではなく、魔王が交代する三年前のタイミングで候補者が集められ、三年間学院で実力をつけ、最後の年に首席だった者が次期魔王となる仕組みなんです」
 「なるほど…つまり俺はその学院で主席を取らなければダメなのか」

 いきなり目標の期限を突き付けられた暮人は、プレッシャーで心臓が押しつぶされそうになっていた。
 それに気づいたリーゼとサラが、暮人の両手を取り微笑む。

 「暮人様、安心してください!私達もカバーしますので」
 「そうですね。リーちゃんの言う通り、私たちがいますし、暮人様は自身が思っているよりも遥かに強いですよ」
 「ありがとう。まぁ…やることをやって頑張るしかないな」
 「「はい!」」

 今までサラやリーゼやビィナを守るために必死に訓練をしてきた暮人だったが、これからは次期魔王になるためにもためにも実力をつけようと決意した。

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