現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!
第43話 勉強
翌朝。暮人とサラは朝食を終え、リビングにあるテーブルを挟んで向かい合っていた。
リーゼとビィナは「街へ買い物ついでに散歩をしてきます」と言い、10分ほど前に家から出た。
「サラ、今日は何を教えてくれるんだ?」
「今日は、魔法対魔法の基本知識を教えようと思います」
「なるほど…。魔法対魔法の知識か」
この世界に来てから、暮人は今日まで魔法の訓練に取り組み、サラが言うには「魔法だけならもう私たちよりは強い」と言われるほどには成長していた。しかし、未だにサラやリーゼが戦うところを見たことがない暮人は、自分の能力の成長をあまり実感できないでいた。
暮人が少し悩んでいると、「では、始めます」とサラが言い、慌てて姿勢を正した暮人は意識をさらに集中した。
「まず、基本的に魔法と魔法がぶつかり合ったときは引き算になります」
「引き算…?」
「はい。例えば、暮人様の場合、氷属性が7あります。暮人様が氷属性の魔法を放つと、相手側は属性7以上の魔法でしか対抗できないんです」
「つまりは、俺が属性7の魔法放ったとして、相手が属性8以上の魔法放つと、次はこっちが危ないということか?」
「基本的にはそうでが、例外もあります。例えば、攻め手が土属性8の魔法を放ったとして、この魔法を相殺する時、受け手は水属性4の魔法を放てば相殺できるんです」
「それは、どうしてなんだ…?」
「属性魔法にはそれぞれ有利不利があるんです。有利な属性魔法には2倍もの威力が発揮されます。ですから、対魔法の場合は如何に『MPの消費を少なく相手の魔法を受けきる』かが重要になってきます」
そう言い終わると、サラは椅子から立ち上がり、暮人に近づき「ですから…」と言いながら、サラは暮人の手を握った。
「明日からは私と実践練習をしてもらいます!」
「じ、実戦練習か~」
暮人は別にやる気がないわけではない。むしろある方だ。しかし、サラと実践練習となると少し気が引けていた。
「暮人様、もしかして私のこと甘く見てませんか?」
「そ、そんなことは…ないけど」
「確かに魔法だけでしたら私が劣っているかもしれませんが、実践練習では戦闘中の動きも加わりますので、まだまだ暮人様には負ける気がしませんよ」
これは、サラなりに自分を奮起させようとしていることに暮人は気づいていた。気づいていたからこそ暮人は、サラの優しさに乗ることにした。
「言ったな…。俺だってこの世界に来てから戦い方を覚えたんだ。それを明日見せてやるよ」
「はい♪では明日、いつもの場所でお待ちしています!」
「おう!」
リーゼとビィナは「街へ買い物ついでに散歩をしてきます」と言い、10分ほど前に家から出た。
「サラ、今日は何を教えてくれるんだ?」
「今日は、魔法対魔法の基本知識を教えようと思います」
「なるほど…。魔法対魔法の知識か」
この世界に来てから、暮人は今日まで魔法の訓練に取り組み、サラが言うには「魔法だけならもう私たちよりは強い」と言われるほどには成長していた。しかし、未だにサラやリーゼが戦うところを見たことがない暮人は、自分の能力の成長をあまり実感できないでいた。
暮人が少し悩んでいると、「では、始めます」とサラが言い、慌てて姿勢を正した暮人は意識をさらに集中した。
「まず、基本的に魔法と魔法がぶつかり合ったときは引き算になります」
「引き算…?」
「はい。例えば、暮人様の場合、氷属性が7あります。暮人様が氷属性の魔法を放つと、相手側は属性7以上の魔法でしか対抗できないんです」
「つまりは、俺が属性7の魔法放ったとして、相手が属性8以上の魔法放つと、次はこっちが危ないということか?」
「基本的にはそうでが、例外もあります。例えば、攻め手が土属性8の魔法を放ったとして、この魔法を相殺する時、受け手は水属性4の魔法を放てば相殺できるんです」
「それは、どうしてなんだ…?」
「属性魔法にはそれぞれ有利不利があるんです。有利な属性魔法には2倍もの威力が発揮されます。ですから、対魔法の場合は如何に『MPの消費を少なく相手の魔法を受けきる』かが重要になってきます」
そう言い終わると、サラは椅子から立ち上がり、暮人に近づき「ですから…」と言いながら、サラは暮人の手を握った。
「明日からは私と実践練習をしてもらいます!」
「じ、実戦練習か~」
暮人は別にやる気がないわけではない。むしろある方だ。しかし、サラと実践練習となると少し気が引けていた。
「暮人様、もしかして私のこと甘く見てませんか?」
「そ、そんなことは…ないけど」
「確かに魔法だけでしたら私が劣っているかもしれませんが、実践練習では戦闘中の動きも加わりますので、まだまだ暮人様には負ける気がしませんよ」
これは、サラなりに自分を奮起させようとしていることに暮人は気づいていた。気づいていたからこそ暮人は、サラの優しさに乗ることにした。
「言ったな…。俺だってこの世界に来てから戦い方を覚えたんだ。それを明日見せてやるよ」
「はい♪では明日、いつもの場所でお待ちしています!」
「おう!」
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