現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!
第33話 過去(4)
ここでおじいさまを待ってもう何分経つのだろう?
連れてこられた理由も教えられてない私は、知らない場所で身動き一つとれずにいた。
暗さには慣れていたけど、魔界というワードが身震いするほどに、私の恐怖を募った。
「まだかな…ん?」
薄暗い中、壁に向かって三角座りをしている私の後ろで、こちらに近づいてくる足音がした。
足音の感じでおじいさまではないのはすぐに分かった私は、足音の方に振り向かずに、顔をうずめて目を閉じた。
足音はどんどんと近づいてきて、私の後ろまで来て止まった。
「ふーん、あんたがサラね。」
「え…。」
幼い女の子の声で名前を呼ばれた私は、恐る恐る後ろを向いた。
そこには、私と同じ年ぐらいの赤髪に碧眼の少女が立っていた。
「だ、誰?」
「え…もしかして私のこと聞いてないの?」
私が無言で頷くと、少女は呆れたように大きくため息をついた。
「私の名前はリーゼ、ここに住んでいる魔王の娘よ。」
「ま、魔王?」
「そ、ここ魔界で一番偉いの。」
「わ、私は…」
「あなたのことはお父様から全部聞いているわ。」
自分からも一応自己紹介をしようとしたが、あっさりと遮られてしまった。
「さて、自己紹介も済んだことだし行くわよ。」
「ど、どこに?」
「私の部屋よ、今日は久しぶりに同じ年の子と遊べるのを楽しみにして待ってたんだから。」
そう言ったリーゼという少女は、私の手を取り走った。
それに引っ張られながらもこけないように私も足を速めた。
これが私とリーちゃんが初めての出会いだった。
連れてこられた理由も教えられてない私は、知らない場所で身動き一つとれずにいた。
暗さには慣れていたけど、魔界というワードが身震いするほどに、私の恐怖を募った。
「まだかな…ん?」
薄暗い中、壁に向かって三角座りをしている私の後ろで、こちらに近づいてくる足音がした。
足音の感じでおじいさまではないのはすぐに分かった私は、足音の方に振り向かずに、顔をうずめて目を閉じた。
足音はどんどんと近づいてきて、私の後ろまで来て止まった。
「ふーん、あんたがサラね。」
「え…。」
幼い女の子の声で名前を呼ばれた私は、恐る恐る後ろを向いた。
そこには、私と同じ年ぐらいの赤髪に碧眼の少女が立っていた。
「だ、誰?」
「え…もしかして私のこと聞いてないの?」
私が無言で頷くと、少女は呆れたように大きくため息をついた。
「私の名前はリーゼ、ここに住んでいる魔王の娘よ。」
「ま、魔王?」
「そ、ここ魔界で一番偉いの。」
「わ、私は…」
「あなたのことはお父様から全部聞いているわ。」
自分からも一応自己紹介をしようとしたが、あっさりと遮られてしまった。
「さて、自己紹介も済んだことだし行くわよ。」
「ど、どこに?」
「私の部屋よ、今日は久しぶりに同じ年の子と遊べるのを楽しみにして待ってたんだから。」
そう言ったリーゼという少女は、私の手を取り走った。
それに引っ張られながらもこけないように私も足を速めた。
これが私とリーちゃんが初めての出会いだった。
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