現実世界が嫌になったので、異世界で魔王の夢を叶えて来ます!

白星

第28話 勘違い

 「暮人様、ちょっとここで待ってくださいね。」
 「あ、ああ」
 
 そう言われベットに腰かけた俺は、人生で一番の緊張をしていた。
 サラはというと、何か準備が必要らしく、部屋に入るとたん浴室へと向かった。
 この世界のことをまだ完全に理解できてはいないけど、部屋の構造や明かりの色とかでやはりラブホテルだと確信した。

 「暮人様、少し目をつぶってもらってもよろしいですか?」
 「ああ、わかった。」
 「ありがとうございます。」

 かすかだが足音が近づいてる感じがした。
 目を閉じているせいか、自分の意志とは別に脳が勝手に状況を理解しようとしだして、考えてはいけないことまで頭に浮かんできてしまう。
 少しすると、自分が腰かけていたベットが少し沈んだ、おそらくサラが横に腰かけたのだろう。

 「お待たせしました、もう目を開いて頂いても構いませんよ。」

 俺のすぐ横から聞こえたサラの言う通り、俺は目を開いた。

 「ど、どうでしょうか?」
 「お、おう…。」

 目の前ですごく恥ずかしそうにしてるメイド姿のサラを見た俺は、さっきまですごい勢いで思考をしていた俺の脳は完全に停止した。
 よかった~、とりあえず服は着ていてくれた、ただまだ安心はできない、前の世界ではこんなプレイもあるって聞いたことがある…。
 
 「では、始めましょうか。」

 サラの言葉でより一層緊張してきた。

 「では暮人様、こちらに頭をどうぞ。」
 「……ん?」

 俺の前では自分の太ももを差し出しているサラがいた。
 ん?これは…まさか膝枕?

 「ちょっと待てサラ、ここに何しに来たんだ?」
 「え~と…日頃のお疲れをとるために、耳かきやマッサージなどのご奉仕をしようかなと…。」

 うん、なるほど…まぁ俺の予想通りだけどね!本当によかったわ!

 「どうかされましたか?」
 「い、いや何でもないよ、そういうことなら任せようかな。」
 「はい!」

 最初からではないとはいえ、変な考えをしてしまった俺からしたら、純粋なサラに対して悪い気しかしなかった。

 「では、耳かきから始めますね。」

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