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異世界救う元漁師

琴瀬 ういは

ナハト村で過ごす日々

俺は神様をやっている。

時空と創造の神様だ。
ひょんなことからこの世界へ来たが、自分が神様って事は誰にも明かしていない。

だがバレてしまった。
そう、アニマという女性が契約する精霊ウルルが関わっている。

今、ナハト村の村長宅のリビングで、3人と精霊が見つめ合っていた。

俺は精霊に神だとバレた瞬間、嘘を言おうとした。
だがそれも無意味なのだ。
全ての精霊は真実を見抜く力を持っている。

だから俺は認めた。
今は3人とも落ち着いて、椅子に座っている。


「うむ、レイ殿が神様だと言うことは、この村の民には黙っておく事にする。」

「ええ、よろしくお願いします。えっと、この精霊は凄く人懐っこいですね。」

「あぁ、うん、そだよ。私が精霊の泉の近くを通ったら急に話しかけてきたし、それに近くと言っても、普通は泉に入らないと精霊は視認できないはず。」

「精霊のことは、ある程度ご存知ですか?」

「ううん、全然だよ。分からないことの方が多いわ。」


これは俺から説明した方が良いのだろうか?
精霊とは特別な存在だ。
普段は誰にも干渉されない場所で、こっそり暮らしている。

精霊の形も様々で、獣のような外見をした精霊もいれば、人型の精霊もいる。
だが、人型は高位の精霊の為、まず出会えない。

それに精霊達は人を嫌う。
精霊を目的として、国から捕獲命令が出たり、無理やり契約をしたりと、嫌がることをしている。

アニマが精霊ウルルと契約したのは3日前だと言う。
ウルルと出会ってから2日程度で契約したと話していたが、それに関しては異常だ。

普通、契約をするのに最低でも3年や5年はかかる。
精霊が人を嫌うため、好きになってもらうために仲良くならなければならない。
信頼や信用というものは、たった2日で出来るのもじゃない。

元々ウルルが、人間が好きと言うなら話は変わるが、契約者が俺だったらまだ、契約に時間がかかってると思う。

アニマだからこそと言えよう。


「今も精霊について、色々と調べてるんだけど、難しくてね。難航しちゃってる感じだね。」

「困った時は言ってください。少しだけですが力になります。」

「さっすがぁ!神様だけあって優しいのね。頼りにしてるわ。」

「こらっ!アニマよ、この方は神様なのじゃぞ。それなのにお主は、立場をわかっておるのか?」

「あぁ、えっと、そんなに気にしなくてもいいですよ。それにこの村にいる時は、神様だって事は秘密ですから、アニマさんのように、接してくれるとありがたいです」

「ねー!そうだよね!あと、私のことはアニマ姉さんって呼んでねっ。よくよく見ると、レイくんって可愛いよね?弟にしちゃおうかなぁ!」

「よろしくお願いします。アニマさん」

「トホホ。」


肩を落とすアニマ姉さん。
いつの間にか、俺の隣に移動していた精霊ウララに、村長。

この面子で秘密を共有する。
多分、大丈夫だと思うけど、不安だ。



トントントン。


「おや?誰か来たのぉ。ちょっと待っておれ、すぐ行くからのぉ。」

村長はそう言って玄関の方へと行く。
なんというか、絶妙なタイミングだな。

「おぉ、ソフィアだったか。どうしたのじゃ?」

「・・・村長の家に、黒髪の人・・・来てないですか?・・・急に姿が見えないから・・・心配で。」

「ん?黒髪の人か?それはレイ殿のことかの?レイ殿なら今、家の中におるぞ。ちょ、ソフィア!どうしたのじゃ?」

玄関の方からこちらに向かって誰かが走ってくる。
ちょっとだけ俺は警戒した。


「ん?誰だろうねってソフィアちゃん!?」

「・・・あっ、レイ。」


ソフィアだった。
もしかして、何も言わずに来たから心配したのか?
そうだったら謝らないと、まずいな。

ギュゥ。


「ふぇ!?」


急に抱きしめられました。
それもかなり強めで、少し痛い。


「・・・心配したの。・・・急にいなくなるからら、・・・お願い、私の・・・傍にずっといて?」

「わぁお」

「ち、ちょっと、離れてくれないか?」

「・・・嫌だ。」       「えぇっ。」



今回は俺が悪いなこれ。
てか、わぁおじゃないよアニマ姉さん。
助けてよ。

この場合って、抱きしめ返した方がいいのかな?

俺は今、一方的に抱きしめられている。



「・・・早く、お家に帰ろ?お母さんが・・・待ってるよ。・・・それに、部屋も余ってるから・・・私の家に、泊まっていく?」

「えっと、村長の家に泊まることになってるんですが」

「・・・ダメっ。レイは・・・私の傍にいて欲しい。・・・もしかして、私の事、嫌い?」


ダメだわ。
こんな事言われたら、何も言えないや。
負けです、はい。
どうしたものか、でもこの場合は、ソフィアの家に泊まるのが正解だな。

実は俺も少し、ソフィアの家に泊まることを期待している。
だって可愛いんだもん。
毎日モフりたいんだもん。
そして、精霊ウルルよ。そんな冷たい目で俺を見るな。
痛いんだよ、かなり体力持ってかれるからやめて!



「ほっほっ、レイ殿や、ソフィアの家に泊まると良い。その方がお主にとってもよかろう。」

「私としては弟くんと一緒に居たいけど、まぁソフィアちゃんに譲るよ。」

「・・・レイのこと、弟くんって?・・・なら、私は恋人になる。」



この子、言っちゃたよ。
爆弾投下したよ、しかもかなり大きいやつ。
しかも言った瞬間、顔真っ赤じゃん。



「・・・ち、違うの!・・・えっと、恋人みたいに・・・仲良くなりたいって」

「ソフィア、どっちも同じだと思う。」

「・・・・・・」



かなり恥ずかしいのか、何も言えなくなってしまったソフィアたん。

村長とアニマ姉さんに催促され、俺はソフィアを連れて、ソフィアの家へ向かった。

向かっている途中、ソフィアはチラチラと俺を見ていたが、目が合うと全力で逸らす。

でも、手は離さなかった。
むしろ、恋人繋ぎなってしまった。
かなり恥ずかしい。
地球では、俺は童貞だったが故に、この反応はめちゃくちゃ困る。
しかし、この状況がずっと続いて欲しい自分もいた。


俺はソフィアと共にこの少しの時間を満喫した。

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